私は結婚後、30歳で第一子を妊娠し、産休育休を取った。

そして育休明け、8年弱勤めた部署へ戻った。

最初は、元々いた場所に戻れることが嬉しかったし、

また以前の様に働けると思っていた。

 

しかし、当然の様に子供は毎月熱を出す。

有給が溶ける様に無くなる。

1時間の時短勤務で給料はじんわりと減り、業務は他の人とさほど変わらないため、

少ない時間で効率よく動く必要があった。

それでもやりがいがあり、充実していた。

ただ、揺るぎない最大の難点があった。

当時の職場は自宅から車で75分くらいかかる。

往復で考えると、移動時間だけで1日3時間は消耗していた。

引っ越しという案もあったが、今の家が好きで選択できなかった。

 

朝はまだ寝起きの子供を夫に任せて出勤。

帰りは残業できない罪悪感を背負いながら退勤。

1時間弱運転して保育園へ。

帰宅はいつも18:30すぎ。

子供の夕食や寝かしつけの時間がどんどん遅くなるのがストレスだった。そのことで夫婦喧嘩も増えた。

 

 

職場のスタッフは、子供の発熱で頻繁に休む私に終始優しかった。

嫌味を言う人は(ほぼ)いなかった。

それでも、私の部署は誰かが有給を使えば、他の誰かが使えなくなる状況だった。

独身で優秀な後輩が、楽しみにしていたライブに行きたくて有給申請したが、通らないかもしれないという話を耳にして、胸が痛かった。

 

「子育てしているママさんたちが有給を使うのは仕方ないこと」

という風潮はありがたいし、そうせざるを得ない。

だけど、それを支えてくれている人たちが陰で我慢しなければいけない状況なのも申し訳なく、苦しかった。

 

こういう生活をやっているワーママもいるし、何を重要視するかだと思っていた。

バリバリ働く先輩ママからは、

「顔の面を厚くしていかなきゃやっていけない。ありがとうございますだけ言ってあとは無」と言われた。

どうするべきかずっと悩みながらやってきた。

私は結局、10年積み重ねた、ちっぽけだけど、私に取っては大事なキャリアみたいなものをなかなか捨てられなかった。

 

結局、子供が4歳になる頃に、もう限界だと感じて転職を決意。自宅近くでパート勤務へ転職した。

前の職場の杜撰な管理にも嫌気がさしていて、ちょうど良かった。


すべてを選択しているのは自分だし、後悔しているわけではない。

これからも常に仕事と育児の程よいバランスを追い求めたい。


ただ、何にも縛られず、定時が過ぎても焦りもせずダラダラと残業している人間が羨ましく思う時がある。

時間を気にせず働けることって幸せなのよね。

だからって、子供を産んだことは微塵も後悔していないんだけど。


自分の気持ち、考えが混沌としている。

今の仕事より、もっとやりがいを持って働きたい。でも、1番は子供を大事にしたい。そのためには時間と余裕が必要。

でも、でも。と、思考が巡る。


私にとっての最善策とは?



写真は、久々の発熱で仕事を2日休んだ日。

熱はあるけど遊びたい息子と色水を使って遊んだ。