先日、NHK BSで
是枝 裕和監督と
是枝監督が大尊敬するという
イギリスの社会派 映画監督
ケン・ローチ氏の対談番組を観ました


83歳の巨匠ケン・ローチ氏を前にして
57歳の是枝監督は かなり緊張の面持ち
尊敬の気持ちが どんなに奥深いものか
伝わってきました

その中で、ケン・ローチ監督の
わたしは、ダニエル・ブレイク(2016)
という作品が 紹介されていたので
私もDVDを借りてきて観てみました


心臓を悪くして仕事が出来なくなった
元 大工のおじさん ダニエル・ブレイク
妻を亡くして 一人暮らしです

真面目に働き 質素な暮らしながら
税金もきちんと払ってきました
しかし 生きる為の支援を求めて
訪れた役所の 機械的な冷たい対応に
頭を抱えて 困り果てます

ほんの少しの遅刻を違反と見なされ
役所の職員と 言い争っていた
シングルマザーと2人の子ども達を見て
声を荒らげて抗議したことで
親子共々 役所を追い出されてしまった
ダニエル・ブレイクですが


お金もなく頼る人もいない母ケイティの
良き理解者となり
子ども達とも 仲良しになります

ケイティは 空腹のあまり
フードバンク(食物を無料で提供する所)で
思わず棚のパスタソースの缶詰を開けて🥫
食べてしまいます

是枝監督は この場面を観ると
いつも泣いてしまう、とのことでしたが
本当に胸に突き刺さる場面です

惨めだと泣き崩れるケイティを
君は悪くない、大丈夫だと
懸命に慰めるダニエルの優しさに
心うたれました


この映画には ダニエルだけでなく
身近の困っていそうな人に対して
大丈夫か?力になるよ、と自然に
声をかける人が 大勢 出てきます

私はそんな所にも 大いに感銘を受けて
映画を観終わった後 何日か
打ちのめされた気分になっていました
悲しいけれど あたたかい…
多くの人に観てもらいたい映画です



ケン・ローチ監督の新作
家族を想うとき (2019) は
来月 公開されるとのこと
こちらも ぜひ 観てみたいと思います

是枝監督とケン・ローチ監督の対談番組は
明後日10日(日)午前中に再放送があります
お時間あれば、ぜひ