Green Book鑑賞。
実話に基づいた映画。
人種差別のまだ激しかった1960年代に
天才ピアニストの黒人が
差別の激しい南部ツアーを行い
その運転手 兼 ボディガードとして白人を雇う・・・
という友情ストーリー。
白人であるトニーは無教養で腕っ節が強く
黒人であるドンは高い教養があるインテリで
ホワイトハウスで二回演奏したことがあるくらい有名なピアニスト。
その教養の対比がめちゃくちゃ面白かった。
教養がある故、ドンは時折わかりにくい表現をし
それに対するトニーの返答が
「ん?じゃあいいってことね」(本当は違う)
と素で返していて
2人の教養の差が浮き彫りになっていました。
でも粗野で無教養なトニーだけど
根は素直で思考がシンプル。
楽しいときは笑う。働くときは全力で働く。
どんな食事も、それが最後の食事かのように味わう。
最初は家にきた黒人労働者が使ったコップを
嫌そうにゴミ箱に捨てていたトニーだけど
ドンの演奏を聞き、彼の良さを知っていくうちに
全力でドンを守り、彼の荷物を持ち運び、進んでドアを開け
ドンが酷い差別を受けると自分のことのように激怒する。
一方
彼の演奏を聴くために大勢の人々が詰めかけるほど
著名なピアニストであるドン。
関係者(白人)は彼を散々持ち上げるのに
ステージを降りると、酷い差別をする。
黒人用のトイレ(庭の隅っこにある汚いやつ)を使えと言ったり
控え室として物置を用意したり
演奏前にレストランを使わせなかったり
(白人である他の演奏者はOK)。
同時に、教養が高く身だしなみや生活が全く異なるため
他の黒人からは遠巻きにされたり嫌味を言われたりする。
白人であるトニーが車の故障を汗だくで直し
ドンのためにドアを開けたシーンで
黒人労働者が大勢、手を止めて凝視していたのが印象的。
どちらの世界からも異端者のように扱われ
金持ちで有名人なのに孤独で
度々 ドンが酒に溺れるシーンがありました。
(その良い方も品が良いのがさすがって感じ)
トニーのシンプルな性格が
ドンの孤独を癒していき
ドンはトニーに教養を分けていきます。
トニーがせっせと奥さんに宛てて書いていた手紙も
(あまりにも文章が幼稚過ぎて笑)
見るに耐えてアドバイスしまくり
そのおかげで奥さんや親戚女性陣がうっとり感動する手紙に。
普通に喜んでいた奥さんですが
最後の最後で
ドンにそっと「手紙のアドバイスしてくれてありがとう」と
感謝のhugをします。
そのシーンが何気にお気に入り。笑
ちなみにタイトルのGreen Bookは
The Negro Travelers‘ Green Bookのことで
1936年から1966年まで刊行されていた
黒人向けの旅行ガイドブック。
アメリカ南部の州では
1876年から1964年にかけて”Jim Crow“法があり
これは有色人種が一般公共施設の利用を禁止する法律。
(映画「ヘルプ」でも黒人が白人と同じトイレを使えないことが
テーマで、このJim Crowのことがメンションされてました)
だから車を持てるようになった黒人にとって
泊まれるホテル、入れるレストラン等が記されているガイドブックは
車旅行の必需品。
Greenという郵便配達員がいろんな場所の情報をまとめたので
Green Bookというらしい。
この頃の公共施設は差別が徹底されていて
ドンがいないとコンサートが成り立たないってわかっているのに
「ここで食事させてくれないなら帰る」とドンが言っても
絶対にホテルのレストランで食事させない。
だから著名なピアニストなのに
時折汚いモーテルに泊まり(有色人種専用)
近くの小綺麗なモーテルに止まったトニーが戸惑う場面も。
本当に酷い。
でもそれが、この時代の「当たり前」であり
その象徴であるGreen Bookがタイトルというセンスが
なんかいいなと思いました。
とっちらかった感想だけど
とにかく
すごくすごく面白かった。
これが実話っていうのがすごいなぁ。
実際のトニーの息子さんが
脚本に関わっているっていうのも素敵。
役者さんたちもめっちゃいい!