ボロボロの日々の中、
一度、耐えられずに
K太の住む町に行ったことがあった。
「どうしても、もう一度
会いたいからそっちに行く。」
とK太にメールを送った。
「絶対来るな、マジでやめろ」
が返事だった。
それでも私は向かった。
電車で2時間揺られながら、
「あぁ、付き合っている頃は
何度もこうやって
会いに行ったなぁ。
あの頃のK太は私が着くのを
心待ちにしてくれていたのに。
今は拒絶されてるんだ。」
そう考えてとても苦しかった。
駅に着くと、
K太はいなかったけど、
代わりに見覚えのある顔が見えた。
K太の地元アパートに住んでいた頃、
よく遊びに来ていたS郎だった。
私を見つけて駆け寄ってきた
S郎は、とても驚いていた。
S郎「沙耶ちゃん、だよね?
久しぶり。すごく、痩せたね…。」
私「どうしてS郎君がいるの?
K太に頼まれたの?」
S郎「ああ…うん。
K太、今は○○市に居るんだ。
彼女と会ってる。」
私「そっか。わざわざごめんね。
帰るわ…。」
私はそのまま、帰りの切符を
買おうと券売機に向かった。
S郎「待って。ご飯でも食べよう?
ご馳走するよ。
帰りは車で家まで送るからさ。」
S郎は、とても優しい人だった。
アパートで私の料理をK太が
貶している時も、
他の友達は困ったように
笑うだけだったけど
S郎1人だけは「全然うまいよ」と
フォローしてくれていた。
せっかくの申し出だけど、
食欲もなかったし、
無関係のS郎に
迷惑をかけたくなくて、断った。
それでも強引に誘ってくれるS郎。
結局、勢いに押されて
一緒に食事をする事になった。