家の中は酷い有様だった。
お化け屋敷以前に
ゴミ屋敷、虫屋敷だった。
部屋数は多いが、どの部屋も
亡くなったおばさんが住んでいた
当時のままに、ぎっしり物があって
とても素人が片付けられる
雰囲気ではない。
そしてキッチンは虫だらけ。
多分、ごちゃごちゃの荷物の
どこかに食べ物もあって、
そこから湧いているんだろう。
こんな所、住みたくない!
虫嫌いの私は半泣きだったが、
K太は平気なようだった。
比較的まともな部屋を片付けて、
キッチンに飛び回っている虫を
ライターとスプレーで
ミニ火炎放射器のようにして
退治していた。
火事になったらどうするんだ。
K太はこの屋敷に満足したようで
住むことになった。
私は仕事帰りに
実家でお風呂に入って、
K太の食事を用意して、
夜だけ来ることにした。
正直、夜だけでもキツかった。
トイレに行こうとしたら
設置してあるホイホイに
Gが列をなしているのを見た時は
倒れそうになった…。
屋敷に住み始めてからも、
K太は相変わらずクズだった。
私や祖父にお金をせびっては
パチンコ屋に通う日々。
仕事を探す気配はない。
でも、一花と会っている時は
とても嬉しそうで、
3人でいる時は少し幸せを感じた。
職場、実家、屋敷を
行ったり来たりする日々は
とても大変だったけど、
しぱらくの我慢だと耐えた。
そのうちK太が仕事を見つけて
真面目に働くようになってくれれば。
今度は自分達でアパートを借りて、
私とK太と一花の3人で
普通に暮らせる日が来る。
そうなったら両親も
K太を見直してくれるかもしれない。
そんな淡い希望に縋って
頑張っていた私に、
K太がくれたのは
またもや絶望だった。