初めて頬を平手打ちした日から
K太は暴力を振るうようになった。
私が口答えした、
表情が気に入らない、
虫の居所が悪い、
手を上げる理由は
意味の無いものになっていった。
そして
最初は平手打ちだったのが、
グーで殴る、
蹴る、
髪の毛を掴んで引きずり回す、
離れたところから飛び蹴りをする、
と暴力もどんどん
エスカレートしていった。
借りていたアパートの壁も
いつの間にか穴だらけになっていた。
暴力を振るった後は
嘘のように優しくなるK太。
最初は反省しているのかと
思っていたけれど、
一向に収まる気配はない。
私は妊娠中なのに
生傷や痣が絶えなくて、
さすがに限界だった。
このままだとそのうち
殺されるかもしれない。
私も、お腹の赤ちゃんも。
そしてついに、
K太が夕方まで遊んでくると
出かけた日に、
私は泣きながら母に電話をした。
私「お母さん、ごめんなさい。
私、K太と別れたい。
実家に帰ってもいいかな…?」
母「どうしたの?喧嘩でもしたの?」
私「実は少し前から
K太が暴力を振るうように
なっちゃって…。
このままだと、私も赤ちゃんも
殺されちゃうよ。」
母はとても驚いて、
すぐに父と車でアパートに来てくれた。
穴だらけでボロボロのアパートと、
痣だらけの泣き腫らした私を見て、
二人とも言葉を失っていた。
父は怒りで震えながら、
母は泣きながら、
私の荷物を車に積み込んでくれた。
父の車に乗り込み、
私はK太にメールをした。
「もう限界なので
実家に帰ります。
アパートはそちらで解約してください。
ミィちゃん(K太が元カノから貰ってきた猫)
をよろしくお願いします。
離婚届は後で郵送します。」
やっと暴力から逃れられる安堵、
妊娠中なのに
離婚することになった不安、
両親への申し訳なさ。
車中でも私はずっと泣き続けた。