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バイトを辞めたK太は、


求人誌を見ながら


「オレ、鳶になるわ。

ダボダボのニッカ履いて!

かっこいいしさぁ。

オレに向いてると思うんだよね。

給料も多いから、

生活も楽になると思うよ。」



と目を輝かせていた。




なんでもいいから

早く働いて欲しかった私は



「いいね!K太なら力もあるし

合ってると思うよ。

かっこいいじゃん!

やってみなよ!」



と、とにかくおだてまくった。



気を良くしたK太は、


早速求人誌に掲載されていた会社に

連絡をして面接に行き、


即採用された。



私は心底ホッとした。



これでなんとか生活出来るようになる。



だけど、その考えは甘かった。




初日は

私が作ったお弁当を持って

張り切って出かけて行った。



だけど、帰ってきたK太は

どんよりした表情で。



私に仕事の辛さを愚痴り続けた。



「最初は仕方ないよ。

まだ初日でしょう。

慣れるまで、ある程度は我慢しなきゃ。」



そう言って励ましたが、

逆効果だったようで。



「お前はいいよな!

家でゴロゴロしてれば

いいんだからさ!」



と八つ当たりをされた。



2日目は、気乗りしない顔で

嫌々出かけて行った。



そして、3日目の朝。



私は朝早く出かけるK太より

更に早く起きてお弁当を作り、

寝ているK太を起こした。



私「もう起きないと間に合わないよ」


K太「うーん、なんか頭が痛い」


私「え、大丈夫?」


K太「風邪ひいたかも」


私「そっか。

じゃあ職場に早く連絡しないと」


K太「沙耶ちゃん、電話かけてよ。」


私「えっ、なんで私?」


K太「具合悪くて電話出来ないんだよ!

旦那が苦しんでんだから

それくらいやれよ。」


私「(怒鳴る元気はあるのに?)

わかったよ…」



そして私は、



K太の職場に電話をして

休む事を伝えて謝るという



実に気まずい体験をした。



電話が終わると、



K太は急に元気になって

ご飯を食べてゲームを始めた。



ああ、仮病か…。



なんか、やる事が小学生みたいだな、

と思った。



とにかく、1日好きに過ごして

また明日から頑張ってくれれば。



そう思っていたが、



K太はそのまま



仕事に行くことはなかった…。



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