イベントバナー

 




結局私は産むことを選んだ。



堕ろす勇気がなかった。



理由は本当にそれだけだ。



K太に産むと告げると

とても喜んで

私の両親に挨拶に来ると言った。



初めて私の地元に来たK太を

駅まで迎えに行き、

家に向かっている時、

K太が言った。



「オレ、沙耶のお父さんに

殴られるかな?

怖いなー(笑)

やり返しちゃったらごめんね?」



何言ってるんだろう、こいつは。


ドラマか漫画の

見すぎなんじゃないの。


それにしたって

やり返す馬鹿はいないだろ。



本気で気が知れないと思った。




家に着き、挨拶をしたK太を、



父は殴ったりしなかった。



それどころか、



父「沙耶は小さい頃から

怖がりで引っ込み思案だけど、

とても優しい子なんだ。


どうか仲良くしてやってくれ。


私達には娘しかいないから

K太君という息子が出来て嬉しいよ。」



ととても歓迎してくれた。




父「結婚したら住むところは

どうするんだ?」


K太「出来れば沙耶さんに

オレの地元に来て欲しいと

思ってます。

オレは仕事があるんで。」


父「そうか。それなら早めに

物件を探しなさい。

K太君も沙耶もまだ若いし、

アパートを借りるのも難しいだろう。

保証人や資金は私達が何とかするから。」


K太「ありがとうございます!

助かります!」



こうやって和やかに終わった挨拶。



だけど、駅までK太を送る私は

彼の信じられない言葉を耳にする。



イベントバナー