7月24日は大阪歴史博物館で行われた
「あやしい絵展 トークショー」に参加してきました!!
今回東京で行われていた『あやしい絵展』・・・
コロナで東京も開催日程の途中で中止になり、
大阪はもともと決まっていましたが無事に開催されるのか
不安がありました。
何といっても今回音声ガイドが私の大ファンである平川大輔さん
だったのでこれは必ず見に行かないといけないと思っていました。
東京の方でも行けたらいいなぁとは思っていましたがその希望は
叶わなく音声ガイドは東京のみになっていたので
大阪でもやってほしいなぁと思っていたら
音声ガイドも無事に大阪でも聞けることに加えて
学芸員の方と平川さんのトークショーも開催されるとのことで必ず
参加しなければとなっていました。
開館と同時に入場してトークショーで作品のことがわかるように
先に展示を見ました。
ファムファタルのことや女性の描き方などあやしいというくくりで
いろいろな同年代の作品が集められていて社会的背景との
つながりもわかりとても楽しめました。
博物館のレストランで腹ごしらえをして会場へ・・・
会場は感染対策で一つ置きの座席、
私語も控えるようになっていたので
静かな会場では少し緊張感もありました。
ステージ上には椅子2脚と後ろにはスクリーンがありました。
最初大阪歴史博物館学芸員の船越さんから
今回のトークショーの説明
そして平川さん登場後、平川さんの紹介がありました。
平川さんにお会いするのなんだかんだ2年ぶり?
なんか久しぶりだったのでこんな感じだったな~って
なんだか思いながら聞いていました。
いろいろ平川さんに質問をしていきながら進めていく感じでした。
最初は
Q「あやしい絵」と最初聞いた時のイメージについて
平)最初ガイドのお話いただいて「あやしい絵」と聞いて
インパクトが大きかったですね・・・
ひらがな表記で漢字がいろいろ入れられるというのも
ミソなんだなと!そんな作品に負けないように
ナレーションするのにどうしたらいいか・・・
といろいろ考えたそうで
平)「ん~困った~」ってなってたそうで。
いろいろ演じてみて仕分けしてもらって今のができあがったそうですね
Q今回音声ガイドをして苦労したことは?
平)原稿と絵を見て照らし合わせました。
いろいろな作品が集められて一緒に見られる展示ですが作品の
ばらつきというものがあって作品への興味を邪魔しないように
と心がけていました。
おもしろい原稿で作品がより魅力的になるような内容で深く作品を
見ていきたくなりました。
大切に紹介しつつ、寄り添って・・・
スタッフさんが大切にされていたので「ここはこういうニュアンスで」
と指示していただけてディスカッションしながら揉んでいけました。
学芸員船越さんは・・・
船)文字によって説明が今まででしたが、音声ガイドでより作品の
イメージなど膨らみやすくなったのではないですかね?
それに対して平川さんは
平)音声ガイドはナレーターさんがされる方が多いですがナレーターと
声優の違いがあって、ナレーターさんの方が聞き取りやすいものに
なります。今回は役者としての感じでアプローチしました。
船)音声ガイドは今回40分もありましあが、2度おいしい感じに
できたと思います。朗読だけの場面もありましたからね~
■今回150点もの作品の中で平川さんの「気になる作品」について
あらかじめ4点選んでいただいたのをそれぞれ見ていくコーナー
まずは橘小夢の『刺青』
平)一目見たときのインパクトと蜘蛛の毛のふさふさ感
柔らかい曲線にあらわされている。
小説は読んだことはなかったが後ろを向いている女性が
どんな表情をしているのか?
いろんな感情を抱えていて、色・艶めかしさ・色っぽさ
ずーっと見続けてしまって作品から動けなくなりました。
世界観を1枚で表現されている作品で
作品の力を見せつけられました。
船)この挿絵が入っている小説は谷崎潤一郎が若いころに
書いたものですね・・・
平)薬で眠らせて勝手に入れ墨ほるとか、はっきり言って
犯罪ですよね~
船)顔を上げたときがエンディングで、ほり師の性みたいなもの
ですかね・・・
ぜひ小説を読んでからこの作品を見て欲しいです!
平)僕が演じる役はサイコパスな役が多いですが、僕は一切
サイコパスじゃないですからね!
謎の平川さんの念押しw
島成園『無題』
これは私も結構好きな作品でした!!
平)まず目力ですよね・・・本人の肖像画とのことですが
顔のアザと視線・・・なんだか見透かされている感じがして
射貫かれている・無言の圧力すごく印象に残っていて
展示見に行った夜に目とアザのアップが夢に出てきたんですよ・・・
背景の描きかけもなんで完成させなかったのかって純粋に
思ってしまいました・・・
船)作者の自画像とはいえ、本人アザはないんですよね
100年前、アザのある女性は社会的に嫌な想いをしていたそうで
アザは内面にあるものを表出しているのでは?と言われています。
女性への風当たりが強い時期だったので(画家として)
『無題』というタイトルもなぜタイトルを付けないのかと周りから
批判されたそうです。
平)やはり男尊女卑ですかね?
女性画家が出始めた時期に目の上のタンコブだったのですかね?
また自己嫌悪みたいなのもあったのかも・・・
船越さんの解釈に平川さんもどんどん意見を言い合う感じが
なんだかとても心地よかったです///
続いて岡本神草の『拳を打てる三人の舞子の習作』
平)枠の部分が切れていて描いていない部分があるんですが
描かれている部分の艶めかしさは命を切ったんじゃないかな・・・
とかいろいろ考えました。
真相は・・・
船)出品したい美術展の提出日に間に合わなかったので描けていない
周りを切ったそうなんです。
これで成り立っているようにも見えます。
平)なるほど~
この三人がしているのはじゃんけんですかね?
船)そうです。これはお座敷遊びのひとつきつね拳だそうで
三人の手の動きが違います。
■きつねの耳(パー)
■猟師(チョキ)
■床屋(グー)
負けたらお酒を飲むのお約束です。
平)お客さんが手前にいるのかも・・・
枠の外は色が塗られていないので色が入っているところを
見たいですね~
橘小夢の『嫉妬』
平)二人の女性の髪が大蛇になっています!
女性の内面を表している?対比がすごかったです。
嫉妬の塊(二人の心の内)
無常になる男性って感じですかね・・・
平)二人はどうなんたんでしょうか?
お互いのジェラシーを表していて演技に入れるとしたら
どうしたらいいだろうと思いました!(職業病ワクワクします!)
船)橘小夢という人物は挿絵が得意だったんですがこの作品
結構人気なので今はブームが来ているかもしれませんね。
平)それにのっかっているかもですね?
特別にもう1作品紹介ということで
北野恒富『道行』
船)物悲しい表情の二人、手とカラス、この二人の先には・・・
この作品は実際にあった事件をもとにされているんですが
手には数珠があって心中の描写がありますね・・・
平)この表情に見入ってしまうんですよね
船)画家が想像を巡らして女性メインで描かれています。
長く伸びた着物、喧嘩している2羽のカラスで不吉なことを
予感させる描写になりますね。
平)裸足がもの悲しさを感じさせますね。
ここで特別ナビゲーションということで
生で作品の一節を朗読していただけました!!
谷崎潤一郎の『人魚の嘆き』一節
やっぱり生だと息遣いとかも目で見てもわかりますし、
本当に耳障りいいというか自分に入っていく感覚とともに
ずっと聞いていたくなりました。
平)緊張したぁ~///
って終わってめっちゃ言われてましたが
そういう仕草も本当に変わらないですね(⌒∇⌒)
ここからまた質問コーナー
Q大阪のイメージは?
平)年に1,2回来ていますが、人の雰囲気のあたたかさは本当に
元気になります。あと人情味ありますよね~
距離感の近いタクシーの運転手とか、来るたびに新しい発見が
あって好きです^^
うれしいお言葉いただきました~///
Q最近あやしい体験はされたことありますか?
平)飼っているねこ(こんぶ)が1匹何もない方向を1点見ていて
鳴いたりもするので・・・「こんさん何かいるんですか?」って
聞くんですが、完全無視で(笑)
ここ最近立て続けに起こっているんですよね・・・
Q今回猫を演じるにあたって・・・
平)親近感もあったのですが、一筋縄ではいかない表情のねこで
最初、女性的なイメージでやったのですがもう少し中性的に
寄せて欲しいといわれて今の感じになりました。
スタッフに言われて年齢感を上げてたねこもいろいろやりました
おっちゃんねことかも・・・
こんぶも10歳(人間で50代)なので真似たんですけどねw
幻のパターンがあったのもありました。
それも聞いてもらいたいです^^
とのことで他のねこも見たかったですね!何かに入らないかな~?
そしてプレゼント企画もあり抽選でサイン入り冊子
プレゼントでした///
平川さんのファンになって10年くらいですが
こういう感じで大好きな芸術作品について解釈とか鑑賞して話すという
機会はなかったのでとてもうれしい企画でした///
平川さん自身も美術館・博物館とか久しぶりに来たと言われて
いましたが鑑賞のところはとても説得力ある言葉や作品を深く
見られていたのでさすがだなぁと思いつつ・・・
今回音声ガイドに選んでいただいたことも本当に感謝でいっぱいです
前期と後期で作品の入れ替えもあるので
後期もまた来て新たな解釈をかかえてまた鑑賞したいと思います!