皆さんは、以前日本で活躍していた「安達 マルシオ」というプロサーファーをご存じでしょうか?
彼は、日系ブラジリアンで兄弟でサーフィンをしていました。
彼とは、とても仲が良かったわけではありませんが、私が島でバイトしていたとき、同じオーナーのディスコで寝泊まりしたりと、よく島にも遊びに来ていたので、知っていました。
ただ、彼は、不幸なことに交通事故に遭い亡くなってしまったんです。
ある年、私が友達のブラジリアン達とインドネシアにTRIPに行き、その中で、G-LANDにも行くことになりました。
泊まったのは、バリ島在住のブラジリアンに紹介してもらった、「タイガーキャンプ」
そこにも、やっぱりリトルブラジルかのように、ブラジリアンがいっぱい

さぁ~て!
乗りに行きますかぁ~!とみんなで歩きだすと、一人のブラジリアンが持つ板に、目がいきました。彼の板は、どこかで見たことあるんだよな~!って、まじまじ見ると......
それは、なんと、マルシオの板
彼のスポンサーのステッカーがたくさん貼ってありました。私「これ、どこで買ったの?」
ブラジリアン「バリのサーフショップで買ったよ!なんか日本のプロサーファーの板なんだってね。知り合い?」
と聞かれて、私は、マルシオのことを話しました。
日系ブラジリアンだということや、彼が事故で亡くなったことや、色々と。
ブラジリアン「あ~なんてことだよ
これは、運命だね
僕は、この板と逢う運命だったんだ
この板は、僕がきっと、バイアに持ちかえるから
」私は、初めは、何が何だかわからなかったんです。
なんで、彼がこんなに興奮しているのかが。
あっ



そうなんです
マルシオの出身地は、ブラジル北部のバイアなんですよ。そしてこのブラジリアン君もバイア出身だそうで
なんという偶然
必然



私と彼、なんだか泣けちゃいました。いつどこで、マルシオがこの板を手放したかは、わかりません。でも、彼の板は、巡り巡って、彼の故郷であるブラジルのバイアに帰っていくんです。
凄く彼の魂が呼んだんだなぁ~って思いました。
そのブラジリアンの男の人も、とても大事そうに、持って帰りましたよ

人は、故郷にいつか帰っていくんですかね

マルシオも死んでも尚、板と一緒に旅していたんですね
いい
を求めて
という、切ないけど素敵な出来事でした


