サイフォンブーム(前回UP)の時代、アイスコーヒーをどうするか? で
お店側の姿勢が問われることになった。
旧時代のネルドリップのまま 大量仕込み でいくのか、それとも
サイフォンを謳った以上お客の前でアイスを作るのか? である。
そして、サイフォンに決めた店が豆屋から与えられたのは
「より焙煎が強いフレンチローストの豆」だった。
ブレンドと同じように淹れても、アイスとして味も香りもある。
ここに、ロースト(焙煎)という新しい要素が加わって、
店が提供する1杯のコーヒーの幅は大きく広がった。
ホットのフレンチと牛乳を1:1で合わせた カフェ・オ・レ が
登場したのもこのサイフォン時代のことである。
そして豆屋はさらに追い打ちをかけてくる・・・
「もっと強く焼いたイタリアンローストはいかがですか?」
「専用のマシンで淹れるエスプレッソというコーヒーです!」
店のマスターが試飲して (うまい!!) と唸ったのも当然だ。
きちんと焙煎された豆を蒸気で蒸し淹れしたエスプレッソは
言わば うまいコーヒーのエキス でもあるのだが、しかし、
日本ではヒットしなかった。
もともと、コーヒーは胃に悪い、寝られなくなる、などの
風評ともいえる固定観念が根強くあったからだ。
珈琲=苦い! これだけでもマイナスイメージである。
辛味ブームはあっても、苦味ブームは決して来ないのが証だ。
エスプレッソは苦味を楽しむというより、
中国料理の後のジャスミン茶のように
口の中をサッパリさせるための1杯である。
ピザやアヒージョなどのオイル料理が主流だった
イタリア生まれの1杯は、和食日本の口には にがい! だけだったようだ。
想像ではあるが・・・
当時のストレートコーヒー(単一銘柄豆)をパックするときに
(はじかれたクズ豆を集めて強く焼き、焦がしてごまかす)
販売戦力と期待したイタリアンローストだったのではないか??
本当に美味しいエスプレッソと
ただ苦味だけの無個性なエシプレッソを
当時のカウンターで飲み比べた経験からも
そう思えてならないのだ。
さてさて、時代はペーパードリップに落ち着くことになっていく(次回に続く)