センター試験が始まったが晴天に恵まれるのは稀である。
毎年この時期は降雪で足が奪われるなど、受験受難のニュースが多かった。
学生さんのご苦労は社会に出る前の予備体験のようにも思える。
わたしは幸か不幸か「入学試験」も「入社試験」も体験していない。
都立高校への試験はあったが「学校群第一回」の改革初回に恵まれ、
文部省のテストケースみたいなもので「主要3科目マークシート」だったから
およそ「受験」という感覚はなかった記憶がある。
新卒~フリーターの進路にも受験は必要なかった。
若い頃の試験といえば、運転免許の筆記試験と調理師免許の国家試験だけだ。
従って、勉強した科目も「交通法規」と「食品衛生法」だけで、
いかに普通の受験生たちとかけ離れていたか、後になって分かった。
30代後半の転職時に、テレビ制作会社「F」の中途採用試験を受けたことがあった。
このF社はゴールデンのヒット番組をいくつか制作していて勢いも人気もあった会社だ。
下準備も、その会社の情報も覚えることなく筆記試験に臨んだのだが、
後日の面接で 「テストの得点は68点でした」 と言われ愕然とした。
68という数字に落ち込んだわたしを見て、面接官がなぐさめの言葉をくれた・・・
「この68点というのは 上位の方 ですよ」
筆記の最後に「好きなTV番組を3つ書き、その理由を述べよ」というのがあった。
たぶん・・・ほかの受験者はこのF社の番組を書いたに違いないが、
わたしは当時本当に好きだった3本をそのまま書いた。
後で調べたらすべてがライバル制作会社のものだったのだ。
面接でこの3番組をつっこまれたのは、そういうことだったのか である。
受験勉強もなしに受けると 68点、仮免にも届かないのが
わたしの素の現状なんだと、その時の体験は大きな収穫があった。
その後の転職人生・面接オタクの指針はここにある。
68点で採用してくれるところにお世話になってきた30年余だ。
PDCAでそれに上積みして創意工夫の味付け・・・
その楽しさを体験させてもらえた環境があったのは 誠に幸い であった。
それでもやはり、通って来るべき「受験」をリアルタイムで体験しなかったことは、
ある意味 「片手落ち」 であったのかも知れない。
と、毎年のセンター試験問題を朝刊で見るたびに少し反省するのであった。