(KくんSちゃん、ストーンズの話じゃないよ~ あしからず)
 
喫茶店や飲食店で黒いガラスの灰皿に出会うと、蛍光灯や陽にかざして
 
透かして見る癖がついている。(こんなことやってるヒトは他に見たことがないけど)
 
なぜか・・・というと、黒の素材を見ているのだ。
 
明かりに透かした時、 薄くなってグレーに見えるやつは「安物」、
 
いい黒を出しているものは透かすと 「赤」か「青」が入っていることがわかる。
 
こういう作りは結構いい値段がついている。 2色使っているから合成の手間が違う。
 
 
 
黒に赤や青を混ぜて「より深い黒」を出す手法は染色からきている。
 
着物の黒、といえばフォーマルな正装として「黒留袖」や「喪服」などがある。
 
これらを より深い、より輝く艶のある黒にするために、先人たちは
 
「紅」や「藍」を下地に染めることを考え付いた。いわゆる「紅下」、「藍下」というやつだ。
 
(※うちのPC、べにしたは一発変換だったのに、あいした=愛した しかでないアホだ)
 
安いか高いかは、この下地で決まる。同じ正絹でも手触りはまったく別物だ。
 
 
 
この 赤黒(あったかい黒色になる)や青黒(つめたい黒色になる)の使い分けは
 
「黒くする」もののほとんどに採用されている技法でもある。
 
印刷ものでも、カラー印刷の場合、普通「スミべた」といったら「スミ1色」のベタ塗りだが
 
より深くしたいときには、赤(マゼンダ)や青(シアン)の 30%程度を混ぜて刷る。
 
もちろん先に刷る。これによって仕上がりが「ほんとの黒」らしくなるのだ。
 
 
 
かなり前のことだが、先輩にあたるライターの紳士がいい色の黒ジャケットを着ていて
 
目が貼りついたことがあった。
 
手に取って近づけてよく見ると、黒い絲が細かく織られている中に少しだけ赤い絲が混じっていた。
 
(なるほど 基本的には紅下と同じ効果だ) と感動した記憶がある。
 
 
 
モノクロのグラデーションスケール(白からグレーの段階を経て黒になるまで)を見ると
 
白は単色だが、黒にも段階があることが分かる。
 
黒は全ての色を吸収するから混ぜた色の数だけ、いろいろな黒ができることになる。
 
 
 
黒の洋服・・・春近くなると、会社街には「黒づくめ」の就活女子で溢れかえるが、
 
見る限り 「いい黒」を着ている若者はいない。あたりまえだけど・・・
 
黒い服って、だれでも一時代その色で統一したり、揃えたり、凝ったりすることがあるだろうが、
 
私は呉服関係の仕事でこの 「ほんとの黒」に出会ったものだから、それ以降はちょっと尻込み。
 
ユニクロの黒 なんかは 「濃いグレー」と思って買っている。アオヤマの礼服もしかり だ。
 
 
世にある 黒は 深い! ぞ
 
 
 
 
高校1年で出会った 「黒く塗れ!」は
赤いドアを 「黒にしろ!!」って言ってた。
家を建て替えるとき(昭和60年)、玄関ドアの見本帳を見て
「黒にしよう!」と言ったら、家族全員に反対された。
今でも外で黒いドアを見るとメロディが頭に流れてくる。