会社は1Fが商品管理の倉庫で、倉庫から外へ出て、すぐ左手に鉄骨外階段がある。
 
階段を上がってから事務所のドアまでは広い踊り場になっており、
 
ここの平地に「カメ」が2匹プラ製のタライの中でもがいている。
 
気性の激しい「イチカメ」と性格的に穏やかな「ニカメ」が社員や来客を見上げている。
 
 
この踊り場は事務所で携帯を受けた社員が「通話」しに出てくる場でもある。
 
先日、私の携帯が鳴り、踊り場まで出て会話していたところ、カメの動きに気をとられて
 
鉄骨を握り損ねた。体は商品を確認すべく下の倉庫に降りようと階段の一段目に足が着くか
 
着かないか のそのときだ。
 
握り損ねた弾みで携帯が手から滑り落ちた。
 
手すりの外、つまり空間で手放したため、回転しながら落下するはめになった。
 
下はコンクリートである。
 
壁際に大きな洗い場が設けてあるがそれも石造りである。
 
(あ~~~ こっぱみじんだ~)
 
クルクル回転しながら落ちていく携帯を上から呆然と見ているだけだ。
 
と! なんと!
 
洗い場の角にある「三角コーナー」の中に落ちたのだ。
 
網目の中でワンバウンドして流しの石に転がった。
 
携帯が静止したのを見て慌てて駆け下り拾い上げたところ・・・
 
外側の角に小さいヒビが入っただけであとは無傷。なんという素晴らしさだ。
 
 
いろいろ押してみたが異常はない。しかし、落下前の通話は切れていた。
 
すぐに掛けなおす。ちゃんと掛かった。
 
相手の方がビックリしていた。当たり前だ!
 
返事がないまま 空白の時間 そして衝撃音 そして プツッ である。
 
思わず用件の前に今の落下を実況してしまった。
 
 
まことに幸運だったとしか言いようがない。
 
中野区まで走って手に入れた「MISORA」である。
 
二度と入手はできないオールドデザインだ。 が、、
 
石鹸箱のような全身アール作りなので「脂っ気のない」ジジイの手からすぐ落ちそうになる。
 
フタを開くだけでもつるつる滑って呼び出し音2回分は時間を要するのだ。
 
(いつかは落とすな~これは)
 
その予想通りになったわけだ。
 
 
奇跡的に助かったヤツを大事にしようと思い、デザイン性を無視して
 
滑り止めのゴムを貼り付けてやったら不細工な携帯に変身した。
 
ドトールコーヒーの階段のステップのような顔になってしまったが、それでもいい。
 
生きていてくれれば恰好なんか・・・これも親心か~??