初代ギタリストにしてバンドの大看板であった
ウィルコ・ジョンソンが脱退し、メンバーチェンジしての第1作。
1977年発表。
2代目ギタリストのジッピー・メイヨは、
指(爪)弾きで圧倒的なパフォーマンスを展開したウィルコの
ソリッドな味わいは継承しつつ、ピックを使った
よりテクニカルでハイテンションなフレーズを聴かせるタイプです。
プロデューサーは「パブロック」と呼ばれた
当時のイギリスバーバンド界のドン、ニック・ロウ。
ウィルコの脱退は、アルバムが国内チャートでトップ10に入るほどの
バンドの絶頂期でした。
それだけにファンの失望も大きかったわけですが、
楽曲はよりポップに、サウンドはより精緻に練り上げることで、
ウィルコの抜けた大きな穴は案外すんなり埋まって、
新たなファン層も獲得した、本作は記念すべき名盤です。
イギリス人らしく、と書くと偏向しているというお叱りを受けそうですが、
鋭角的・攻撃的なサウンドの核には、
やはりどっしりとしたジェントルな風情も漂います。
動的なダンディズム、とでも呼べばよいでしょうか。
オリジナルの「She"s a Windup」、
ジョニー・ギター・ワトソンのカバー「Looking Back」など
後々までライブの重要レパートリーになる傑作が収められ、
発表後30年を経た今でもその鮮度は落ちません。
それどころか、新しくR&Bを基調とするロックンロールバンドを志す
若いバンドの格好の指針となるようなアグレッシブさを保ち続けています。
本年のこのコラムはこれで最後となります。
お読みいただいた全ての方へ感謝の意を表しますと共に、
新年が皆様にとって輝かしくありますことを心より
お祈り申し上げます。