鍋部のひとり、コーイチローの28回目の誕生日であった。
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彼の誕生日を祝う為に集まったのは、
カウンターの外側に5人、カウンターの内側にも2人。
本人も入れて、8人すべて男。
「じゃあ、コーイチローの誕生日を祝って、カンパイ(おいら)」
「カンパイ(野太い男共の声)」
薄暗いバーのカウンターに男ばかり座っている光景はある種
壮観であり、祝われているコーイチローもその部活っぽい宴に楽しげであった。
おいらは先に失礼してきたが、
少々むさ苦しいが、素敵な夜は、きっとまだ続いている。
誕生日のコーイチローに、
おいらは悲しさと優しさの漂うビルエバンスの名盤を進呈した。
「ワルツ・フォー・デビィー」
おいらの大好きな一枚である。
雨の夜に似合う、今の季節にぴったりの一枚。
彼の28歳の1年間が、幸多き1年であることを
