ことあるごとにここでも申しておりますとおり、自分はテレビをほとんど観ません。

テレビを観る時間って大抵他の事をしたりしているし、大体において観たいと思える番組がほとんど無いからであります。

人にそれを言うと、では世の中の動きとか流行しているものとかに非常に疎いのではないか、と思われることもあるのですが、自分に限って言うならそんなことはまったくありません。
なぜならば、こう見えても自分は常日頃から自作の曲を拵え詞も書く人間の端くれ。 常に研ぎ澄まされた鋭敏な精神でもって日々を営んでいるそんな自分にとって、大衆が口にする噂などはほんのちょっと耳にしただけでその本質までも一気に見定めてしまう深い洞察力を持っているからであります。


例えば、「栄警備48」 というものが流行っていると聞きます。
テレビを観ないのでこの言葉を耳にしたのは最近のことでありますが、自分はこれを聞いただけですぐにそれがどういうものなのかが解りました。
つまりこれは読んで字のごとく新しくできた警備会社のことなんであって、これまで通常の警備会社であれば 「24時間ガッチリガード」 を売りにしていたものが、この栄警備はさらにそれより倍の値打ちと顧客の安心感向上を促すため 「48時間ガッチリガード」 を謳っているのであります。
ただ48時間が過ぎてしまうとガードマンは一斉に現場を撤収してしまうというデメリットも伴うのですが、そのぶん費用は随分と格安であるという点がこの物騒な世の中にあって、若年層をはじめとする大衆の指示を得ている理由のひとつであると思われます。
さらに聞いたところによるとこの会社の特色のひとつとして、社員は全員恋愛が禁止されているらしく、時には生命の危険をも伴うハードな警備業務であるがゆえ、まさに危険の迫ったその時に、恋人のことを考えてしまってつい任務に対して腰の引けてしまうことのないように、との配慮からであると思われ、社員安全、顧客満足を考える場合、けだし理にかなったことと言えるでしょう。


また世間では 「撫で四股」 ブームだという噂を聞きました。
これについてもよくは知らないのでありますが、自分の鋭敏且つ深い洞察力でもって推測するに、つまりはある相撲取りが土俵で四股を踏む際、足や腕、といった身体のパーツを非常に大切にいたわりながらゆっくりと撫でつつ四股を踏むさまのことを言っているのが自分にはすぐに知れるワケで、旧来よりの男性的な力強い四股の踏み方よりも 「撫で四股」 を用いた女性的な柔らかい所作の四股のほうが、体育力学的にも身体に優しく、力士への負担も少ないと思われ、最近では 「世界の撫で四股」 という言葉も巷ではよく聞かれるとおり、外国人力士が好んで踏む四股としてグローバル化の著しい角界においては急速にその知名度を上げているのは間違いないであろうと思われます。


以上のように、テレビをまったく観ずとも自分はこれだけのことの本質をきっちりと見抜くことができるのであって、別になにひとつ困ることなど無いワケでありますが、先だって上記の見解を人に話したら、非常に怪訝な顔をされ、キミは可哀想だ、みたいなことを言われたので、もしかしたら自分の解釈に微妙に違う点があるのかもしれないと思って、今後テレビを観ようかどうか悩み中。


おわり。