毎朝の神社。
門の外でいつも落ち葉の掃除をしているおばさんがいる。
 
「おはようございます」

お互いなんとなく自然に挨拶をするようになった。
どこのおばさんだか知らない。

本殿に参拝をする時にも、本殿前で先に参拝を終えられた年配の男性と何人かすれ違う日がある。
 
「おはようございます」

挨拶すると応えていただけるかた。そうでないかた。色々だ。
どこのおじさんだかは知らない。


歩きから帰って出勤して、いつも通りに勤労の後は、19時から忘年会バンドの練習であった。
今回は2回目のスタジオ。
10名が集まった。

実は前回、メンバー個々のあまりの情熱の違い、温度差に激怒された先輩がいらした。
先輩は忘年会でバンドをやることが決まってすぐに自腹でもってギターを買い、毎日練習をし、ミーティングや自分が主催した個人レッスンにはるばる京都市内から車で2時間かかる自宅から毎週通われた。

さあ、ではいよいよスタジオ入り。全体練習。の段になって、数名のメンバーはまったく練習していない、、、、、しかも1時間半の遅刻、、、、、さらには練習日を失念していて来ない者までいた。
そりゃ先輩、良い気分でいられようはずはない。

「こんなもん、やってられるかあ!」

「縦のつながり」 をどちらかというと尊視する会であるので、先輩の言葉にみんなが慌てた。
急遽臨時でミーティングが開かれ、各自が自分の意見を出し合った。
この企画の立案者で且つ旗振り役でもあるまだまだ若いT委員長は、この忘年イベントにかける意気込みを熱く語り、改めて皆に協力を求め頭を下げ、涙ぐんでいた。

トップが理念や理想を明確に示し、周囲はそれを実現させるために鋭意努力し行動する。
モチベーションの違いはどの世界にでもあることで、T委員長の委員会のひとりとして要はその底辺をどこまで上へ引き上げることに協力できるかだ。 否、協力は惜しんではいけない。

ミーティングの翌日、後輩のUくんがわざわざやって来て、「角谷さんにもすみませんでした。一所懸命僕らに一から教えてくれてはるのに、、、。 ホンマ申し訳ありませんでした、、、」 と言って泣いていた。


今回この 「やってられるかあ!発言」 が、良い方向に作用したと実感したのは、昨夜の練習であった。 皆のモチベーションやスキルが劇的に向上している。

「角谷さん!僕産まれて初めて楽器屋さん行ってチューナー買いました!」
「全然自己流ですけど楽譜書いて練習しました!」
「いとこにキーボード譲ってもらいました!」
「先週カラオケ行って3時間練習してきました!」

素晴らしい。

そしてここにきて初めてめでたく1曲通して演奏することができた。
演奏し終わった瞬間、自然発生的に歓声があがりスタジオ内に大きな拍手が沸き起こった。

素晴らしい。

もちろんまだまだ上手な演奏とは言えないけれども、とにかく素晴らしい。
あの時みんなでしっくりと話し合えたのが良かったのかもしれない。

ホント素晴らしい。


スタジオのあとは居残り組6人で食事した。

0時に帰宅して、なんだかとっても嬉しくて、明日の朝も早いけど、まあ一杯。


小さく乾杯。





ふと気付くとテーブルの傍らに、先だっての人間ドックの結果が届けられていた。