男として生まれてきたからにはやはり男らしく生きてゆきたい。 豪放に生きてゆきたい。
そう思った俺は今回冒頭から文体も非常に男らしく鼻息荒く、ぐんぐんになって書いているのだけれども、例えば知人と会食などした場合、そこで交わされる会話はやはりスケール大きく国際問題、もしくはこのグズグズ混沌としたわが国日本の政治問題などであることが望ましく、また百歩譲ったとしても地域のゴミ置き場にカラス避けネットの出す順番などについて熱く論議するべきであって、日々の家庭における話題や育児などにまつわる女々しい話題は断じて避けるべきである。
また例えば洋服など買いに行った場合、陳列せられた洋服を値札やデザァインなど気にしながら吟味し、数着手にとってみては鏡の前に赴き胸にあてがい小首をかしげてみるなどといったことは断じてしない。
先ず店員に財布を渡し、「俺をなんとかしろ」 というのがこれ正解であって、店員が選んだ洋服を上から下まで一揃い、言われるがままの金額を支払うのが男らしい。
支払いの段にあっても、帳場において 「ポイントカードはお持ちですか?」 と問われた場合に、予め用意してあるカードをすぐさま取り出し渡すなどとという行為は女々しいことこの上なく、そういえばそんなのあったなぁ、、、といった雰囲気を全身で醸し出しつつ、あちらこちらのポケットに両手を突きこみ、ようようあったかのごとく 「これで良いのかな?」 と店員の前にほいと捨て置くのである。 男らしい。
男らしく生きよう。
豪放に生きよう。
俺は心にそう誓ったのだ。
とその瞬間、玄関でチャイムが鳴った。 来客である。 しかしながらその時自分は着替えをしようとちょうどティーシャーツを脱いだところであったのであり一瞬着るものを探して慌てふためいたのであるが、否、男はこんなことくらいでむざむざ慌ててはならぬ。 男らしい俺はそのまま玄関に立ったのはやはり今さら乳や腹やなどと女々しいことは言わぬ、男らしく生きるのだと決めたからであって、外見など気にしない男らしさ。 そう俺は男らしいのである。
かくしてチャイムの主は来客ではなく宅配便であった。 宅配便のにーちゃんは玄関に立つ半裸の俺を見て別段なんら驚愕する様子もなく、ただ黙々と伝票にサインを求め笑顔で去って行った。
かくして荷物の中身は清酒であった。
これは良い。 男らしく生きようと決断した夜に酒が届くなんざあ気がきいている。 ここは早速にこの記念すべき夜に乾杯するべくつまみには男らしく奴豆腐でも食うてこましたろ、、、と思ったところ醤油をきらしていることに気付いた俺は仕方なく最寄りのスーパーへ醤油を調達せしむるべく玄関に出してあったサンダルをええ~いどれでも良いわ、と男らしくおもむろにひっかけて出かけた。
サンダルを履いて商店街に醤油を買いに行くのは男らしいだろうか、、、と考えつつスーパーに着くとこの時間でもけっこうな客で賑わっている。
醤油は各社数種類のものがところ狭しと陳列棚に並んでいるが、メーカーにこだわったりボトル裏の表示を繁く眺めやったりするのは女々しいので、男らしい俺は最初に目についた醤油をわき目もふらず手にとり、そのままの勢いでもって帳場に走った。
財布を開くと俺の財布には二つに仕切りのある小銭入れが付いていて、500円玉・100円玉・10円玉 と 50円玉・5円玉・1円玉 が支払いやすいようにきっちりと分別して収められてある。 そうすることによって何百何十何円まですぐさまサッと出すのが男らしい。 支払いの際にモタモタしているようでは男らしくないのである。
しかし今回に限って小銭が不足。 仕方なく紙幣で支払って返ってきたつり銭をチマチマと小銭入れに分別しつつ、今さらながら家人の女モノのサンダルを履いてきたことに気付いて、ペタペタと夜の商店街を醤油片手に寂しく歩く俺が最も女々しい。

そう思った俺は今回冒頭から文体も非常に男らしく鼻息荒く、ぐんぐんになって書いているのだけれども、例えば知人と会食などした場合、そこで交わされる会話はやはりスケール大きく国際問題、もしくはこのグズグズ混沌としたわが国日本の政治問題などであることが望ましく、また百歩譲ったとしても地域のゴミ置き場にカラス避けネットの出す順番などについて熱く論議するべきであって、日々の家庭における話題や育児などにまつわる女々しい話題は断じて避けるべきである。
また例えば洋服など買いに行った場合、陳列せられた洋服を値札やデザァインなど気にしながら吟味し、数着手にとってみては鏡の前に赴き胸にあてがい小首をかしげてみるなどといったことは断じてしない。
先ず店員に財布を渡し、「俺をなんとかしろ」 というのがこれ正解であって、店員が選んだ洋服を上から下まで一揃い、言われるがままの金額を支払うのが男らしい。
支払いの段にあっても、帳場において 「ポイントカードはお持ちですか?」 と問われた場合に、予め用意してあるカードをすぐさま取り出し渡すなどとという行為は女々しいことこの上なく、そういえばそんなのあったなぁ、、、といった雰囲気を全身で醸し出しつつ、あちらこちらのポケットに両手を突きこみ、ようようあったかのごとく 「これで良いのかな?」 と店員の前にほいと捨て置くのである。 男らしい。
男らしく生きよう。
豪放に生きよう。
俺は心にそう誓ったのだ。
とその瞬間、玄関でチャイムが鳴った。 来客である。 しかしながらその時自分は着替えをしようとちょうどティーシャーツを脱いだところであったのであり一瞬着るものを探して慌てふためいたのであるが、否、男はこんなことくらいでむざむざ慌ててはならぬ。 男らしい俺はそのまま玄関に立ったのはやはり今さら乳や腹やなどと女々しいことは言わぬ、男らしく生きるのだと決めたからであって、外見など気にしない男らしさ。 そう俺は男らしいのである。
かくしてチャイムの主は来客ではなく宅配便であった。 宅配便のにーちゃんは玄関に立つ半裸の俺を見て別段なんら驚愕する様子もなく、ただ黙々と伝票にサインを求め笑顔で去って行った。
かくして荷物の中身は清酒であった。
これは良い。 男らしく生きようと決断した夜に酒が届くなんざあ気がきいている。 ここは早速にこの記念すべき夜に乾杯するべくつまみには男らしく奴豆腐でも食うてこましたろ、、、と思ったところ醤油をきらしていることに気付いた俺は仕方なく最寄りのスーパーへ醤油を調達せしむるべく玄関に出してあったサンダルをええ~いどれでも良いわ、と男らしくおもむろにひっかけて出かけた。
サンダルを履いて商店街に醤油を買いに行くのは男らしいだろうか、、、と考えつつスーパーに着くとこの時間でもけっこうな客で賑わっている。
醤油は各社数種類のものがところ狭しと陳列棚に並んでいるが、メーカーにこだわったりボトル裏の表示を繁く眺めやったりするのは女々しいので、男らしい俺は最初に目についた醤油をわき目もふらず手にとり、そのままの勢いでもって帳場に走った。
財布を開くと俺の財布には二つに仕切りのある小銭入れが付いていて、500円玉・100円玉・10円玉 と 50円玉・5円玉・1円玉 が支払いやすいようにきっちりと分別して収められてある。 そうすることによって何百何十何円まですぐさまサッと出すのが男らしい。 支払いの際にモタモタしているようでは男らしくないのである。
しかし今回に限って小銭が不足。 仕方なく紙幣で支払って返ってきたつり銭をチマチマと小銭入れに分別しつつ、今さらながら家人の女モノのサンダルを履いてきたことに気付いて、ペタペタと夜の商店街を醤油片手に寂しく歩く俺が最も女々しい。
