いつも通勤時の通り道に古くて小さな家があるのです。

かなり高齢の腰の曲がったおばあさんが、白と茶色のブチの、毛のムクムクした大きな犬と二人で暮らしている家でした。

ムクムクの犬っころもかなり高齢のようで、いつも僕がその家の前を通る朝の時間に、天気の悪い日を除いては、おばあさんと犬っころが二人でヨロヨロと、ホントにヨロヨロと、ゆっくりゆっくり散歩に出て行くのを見かけていました。

失礼なようですが、家はホントに粗末な感じでとても小さく、僕が物心つくくらいの頃からある古い古い建物でしたが、そこから毎朝出てくるおばあさんと犬っころは、なんだかとても穏やかで幸せそうに見えました。

最近見かけないな~・・・と思っていました。
散歩の時間変えたかな?
まったく他人のおばあさんでしたが、なんとなく気になっていました。


今朝もその前を通りました。
お葬式の準備をやっていました。
無礼を承知で恐る恐る中をのぞくと、遺影はあのおばあさんでした。

親族のかたでしょうか、中年の男女が3~4人で家の中を談笑しながら慌しく片付けているのが見えました。

あのムクムクの犬っころの姿も、どこにも見当たりませんでした。


なんとなく、悲しい朝でした。