咳の際に用いるレメディは、いろいろありますが、
Ant-tアント・タルトは、乳幼児やご高齢の方など、特に衰弱が激しく、痰もなかなか吐き出せず、ゼロゼロ胸の音がして、うとうと嗜眠状態になっているような咳の方に用います。
Ant-t.アント・タルト
鉱物。吐酒石。酒石酸アンチモニル（アンチモン）カリウム。
砒素と同族。淋病レメディ。
特に関係の深い部位 （レメディは全身に関係するものです）
粘膜・迷走神経（胃・肺）・呼吸器系（気管支・肺）・循環器系（心臓）・胃腸・腹部・睡眠・皮膚・左側
主な精神的特徴
身体的衰弱のために、非常に無気力で怒りっぽい。
無感情で眠くだるい。不活発。
ぼーっとする。うつろな感じ。知覚鈍麻。反応の欠如。
目覚めた時に頭が混乱する。機嫌が悪い。
意識が混沌とした。気絶。昏睡。落ち着きのなさ。
近寄られると腹を立てやすい。干渉や邪魔を嫌う。すぐ不愉快になる。
他人に依存的で、一人になることを恐れるが、放っておかれることを望む。
何事にも不満。気まぐれ。感情を害しやすい。頑固。気難しい。鬱になる。
怒りから咳が出る子供。
不機嫌で、駄々をこねたり、ぐずったり、うめく。
子供はイライラして、じっと見られるのを避ける。
哀れっぽく泣き叫び、なだめることができない。
触れられるのを嫌い、金切り声を上げたり、泣きわめいたりするが、抱っこをねだる子供（Cham.カモミラ）。
上体を起こした状態で抱いてほしい。周りの人にしがみつくことも。
咳をすると飛び上がり、しゃがれ声で助けを求め、体を後ろにのけぞらせ、喉をつかむ。
夜間に窒息する恐怖。顔には苦しみの表情。
怒りや苛立ちからの病。口に出せずに無理に飲み込んだ感情が代わりに咳として出てくる。
不安症。回復に対する絶望感。
主な身体的特徴
気道（気管・気管支・肺）の炎症が進んだ状態に用いる。
繰り返し風邪をひく、気管支炎が絶えず起こる、予防接種後に咳が出る等。
粘膜から大量の粘液が分泌されることにより、粘液が気道をブロックし、呼吸が妨げられ、酸素と二酸化炭素の交換が十分にできない（溺れたような状態）。
そのため血液循環が不活発になり心臓に負担がかかる。
チアノーゼ。紫の唇。生命力の低下。
徐々に衰弱し、呼吸困難とともにじっとりした多量の冷たい汗をかく。
嗜眠状態になり（生体は回復しようとして強い眠気を示す）、弛緩して反応が鈍くなる。
活力がなく非常に疲労困憊し重篤な状態。
弱く小さな脈拍。ぼーっとしている。
疲れ果ててイライラする。特に老人や子供。
すべての症状において抑えられない眠気。特に暑い時眠りに落ちる。
昏睡を伴うことも。新生児仮死。溺れた時の窒息。
血管が冷たいという感覚。震え外側・内側。
呼吸器系 咳を伴う急性・慢性気管支炎・風邪。
粘りのある粘液が肺にいっぱい詰まっている感じ。
喉がしゃがれてゴロゴロいうが、衰弱のため咳も弱々しく、濃く白いねばねばした粘液・痰を排出する力がない。
喀出は乏しい。化膿性の痰。
このため粘液がたまり、呼吸が妨げられ、横になるのが苦しいので、ベッドに起き上がらざるを得ない。
呼吸は速く短く困難。ゼロゼロした荒い呼吸。粘液のガラガラする息切れ。（低ポーテンシーでは粘液の排出を促進し、高ポーテンシーでは粘液を止める作用がある）
新生児仮死。無酸素症。子供の喘息。百日咳。
咳、午後１０時～午前１時、午後１１時に悪化。咳とあくび。
消化器系 吐き気・嘔吐。消化不良。胃炎．食物嫌悪。
常に吐き気、嘔吐で好転。吐き気が波のように襲う。吐き気を伴う下痢。
季肋部の圧迫、膨張。コレラ。
排便前の鋭く切るような痛み。排便後の肛門の焼けるような感覚。
腹部が重い。ピクピク動く。げっぷ、ゆで卵の腐ったような臭い。
頭部 頭痛。前頭部。睡眠後。アルコール・たばこから。ベルトで締め付けるような。
めまいと吐き気が交互に。頭を持ち上げる時にめまい。
頭は熱く汗ばんでいる。目の前がちかちかする。
顔面のピクピク、咳の時。結膜の膿痂疹。目が重い。凝視するような目つき。白く厚い膜で覆われた舌。鼻翼がぴくぴくし、鼻孔の周囲が黒い石炭で焼けたよう。
顔は青白く冷たく目は落ちくぼみ病的。ヒポクラテス顔。
下顎の震え（Gelsジェルセミウム）。舌の乾燥・たるんだ。
泌尿器系 膀胱炎。膀胱痙攣。血尿。蛋白尿。尿の焼けるような感覚。亀頭の裏側にいぼ。
四肢 様々な部位の重たい感覚。尾骨、何か重いものが垂れ下がっているような。
膝関節の水腫。膝窩腱の緊張。痙攣性のピクピクする動き。手の震え。発疹が発現できなかった場合の痙攣。パーキンソン病。リウマチ。
皮膚 膿疱性湿疹。乾癬。真菌症。麻疹。天然痘。とびひ。水疱瘡。進行の遅い発疹に伴い咳が出る。
酸味の強い果物を欲求・嫌悪・吐き気。
リンゴを欲求・嫌悪。酸味を欲求・嫌悪。
冷たい飲み物を欲求。水分を少しずつ飲む。
極度の喉の渇き、発汗後。喉が渇かない、熱の間。ミルクを嫌悪。
【好転要因】
座る まっすぐに座る げっぷを出す 冷たい飲み物 冷気 外気 一人でいる
【悪化要因】
熱 暖かいベッド 暖かい気候 湿った寒さ 天候の変化 春 秋 怒り 早朝午後４時咳 夜間 接触 横になる 患部を下にして寝る 果物 リンゴ ミルク 酸味 熱い食物 人が近くにいる
肺がおぼれたようになる時に使えます
クラシカルホメオパシーのレメディは、
自然治癒力を刺激するだけのものですが、
海外では、正式に医療として認可され、
医療現場で広く用いられています。
副作用がなく安全で、
お子さま、妊婦さま、ご高齢の方まで、
皆さまに安心して服用なさっていただけます。
お薬との併用も可能です。