夜の池の名シーン:ドラマ『昼に昇る月』第10話 | 本と映画と。

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 崖から落ちそうになっているヨンファをジュノ(に憑依しているドハ)が救います。帰りのバスの中で、ヨンファは久しぶりに1500年前の夢を見るのでした。

 婚礼の数日前、ドハはハンリタに、逃げて故国へ帰るようにいいます。自分がどう生きるべきかをドハにゆだねると言ったハンリタに対する、ドハの答えでした。本当に自分に行って欲しいの思っているのか、と問い詰めるハンリタ。それが本心かどうか、確かめる賭けをもちかけます。ドハが池の敷石を、後ろを振り返らずにすべて渡り切ったらドハの勝ちで、「逃げて欲しいのは本心」。

 一歩一歩渡っていくドハの足元に、小石を投げて抵抗するハンリタ。いよいよ渡り切りそうになったとき、ハンリタは思わぬ方法でドハを振り返らせるのに成功します。「反則だ」と言いながら振り返り、ハンリタを抱きしめるドハ。二人がようやくお互いの愛を確かめ合った瞬間でした。

 ドハは1500年の間この場面を大切な思い出として胸に抱いてきたらしく、ジュノに憑依してからはジュノのマンションの大広間に、似たような敷石を用意させ、毎晩そこに佇んで思い出にふけります。

 二人の運命を象徴するこの美しくも切ないシーンは、韓国時代劇ドラマの名シーンの1つとして、観る者の記憶にも刻まれることでしょう。

 一方、現実のヨンファは、幼い頃に自分を守ってくれた僧侶がいる寺を訪ねます。前世で自分はどのような罪を犯したのかと問い、どのような因果で今報いを受けているのか分からないと訴えるヨンファに寺の和尚は、前世と現世は本当に無関係だろうか、と問いかけます。無限の輪廻を絶つために、勇気を出して自分の罪に向き合い自分の心に問いかけなさい、と諭されたヨンファは、ついにある重要な事実に気付くのでした――。

 スリリングな展開に目が離せません。続きが楽しみです。

 

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