階差数列の公式を期待値として解釈してみました。

【問題】
数列aj(j=0,1,2,…)と数列bk=ak-ak-1(k=1,2,…)がある。

nを正の整数とする。
表が出る確率がpで裏が出る確率がqであるメダルをn回投げる。
0≦p<1,p+q=1
である。
次の規則でAとBの二人に得点を与える。


初めAの得点は0点、Bの得点はa0点とする。


k回目に初めて表が出る場合、
Aにak点を与える。
k+1回目以降にAに得点を与えない。

Bにk回目まで各回毎に投げる直前にbk点を与える。
表が出た後はBに得点を与えない。


n回投げて表が1回も出ない場合、
Aの得点は0点とする。
Bの得点は全て没収され得点は0点とする。

n回投げ終えたときのAの得点Xの期待値E(X)とBの得点Yの期待値E(Y)を求めよ。
等面四面体の有名な性質を問題にしました。
解答はやや省略して書きます。

【問題】
図形Δを四面体ABCDとする。
Δの条件①,②,③が互いに同値であることを示せ。

①Δの重心Gと4頂点との距離は相等しい。
即ち、
AG=BG=CG=DG
である。

②Δの3組の対辺はそれぞれ長さが相等しい。
即ち、
AB=CD,BC=AD,CA=BD
である。

③Δの4面の面積は相等しい。
即ち、
△ABC=△BCD=△CDA=△DAB
である。

【解答】
点Gを始点とするΔの4頂点の位置ベクトルをa,b,c,dとする。
a+b+c+d=0
である。

①⇒②
|a|=|b|=|c|=|d|
=R

|a+b|=|c+d|

より、
a・b=c・d

である。
|a-b|=|c-d|

以上から、
Δの3組の対辺のそれぞれの長さが等しい。

②⇒③
4面は△ABCと合同であるから4面の面積は相等しい。

③⇒①
Δの4面の共通の面積をSとする。

Δの体積をVとする。
Gは、三角形ABCの重心とDの1:3の内分点であるから、

Gと平面ABCの距離は3V/4Sである。
他の面との距離も同様であるから、点GとΔの4面との距離は相等しい。

点Gから平面BCD,CDA,DAB,ABCに下ろした垂線の足をA',B',C,',D'とする。

位置ベクトルを
a',b',c',d'
とする。
a'・b=a'・c=a'・d=r^2
a'・a=-3r^2
である。


(a'+b'+c'+d')・a=0
である。

同様に
(a'+b'+c'+d')・b=0

以上から、
a'+b'+c'+d'=0
である。

①⇒②の結果から
4点A',B',C',D'は点Gを中心とした回転により推移的に移り合う。
この回転によりΔの4頂点が推移的に移り合うから①が成り立つ。
80年代末の東大入試問題で、正四面体を平面に正射影してできる図形の面積に関する問題があります。
なるべく解きやすく改題しようと考えていましたが、やっと完成しました。

【問題】
(1)
正の数a,b,cと実数p,q,rに対し
3点A(0,0,a),B(0,b,p),C(c,q,r)を頂点とする三角形ABCの面積をTとする。
また、Oから平面ABCに垂線の足Hを下ろし、∠AOH=θとする。
このとき、
三角形ABCをxy平面に正射影してできる図形の面積をTとθで表せ。

(2)
一辺の長さが1の正四面体Δの1組の対辺がz軸とそれぞれ点P,Qで交わっている。
Δをxy平面に正射影してできる図形の面積をS、線分PQの長さをhとする。
積S・hが一定の値をとることを示せ。
また、
Δの重心がz軸上にあるときのSとhの値を求めよ。
[注]四面体の重心は1組の対辺のそれぞれの中点を結ぶ線分の中点である。

【解答】
(1)
OH=acosθ
である。
四面体OABCの体積をVとすると

=T・acosθ/3
である。

一方、
△OABの面積はab/2であるから、
V=abc/6
である。

三角形ABCをxy平面に正射影してできる図形の面積はbc/2である。

bc/2
=3V/a
=Tcosθ
である。

(2)
Δの頂点をA,B,C,Dとし、辺AC,BDがz軸とそれぞれP,Qで交わっている場合を考える。
辺AC,BDの中点をそれぞれM,Nとする。
Δの重心はMNの中点Gである。

四面体PQAB,PQBC,PQCD,PQDAの体積を順に、V1,V2,V3,V4とすると、Δの体積はΣViである。
(1)の結果から

=Σ(3Vi/h)
=(3ΣVi)/h
は一定の値である。

Δの重心がz軸上にあるとき、直線PQはBDの垂直二等分面ANCとACの垂直二等分面BMDの交線MNである。

等辺の長さが√3/2である二等辺三角形ANCの中線MNの長さは√2/2である。

直線MNがz軸であるからΔをxy平面に正射影してできる図形は対角線の長さが1である正方形である。
このとき、
S=1/2,h=√2/2
である。

よって、
Δの体積は√2/12であるから、
S・h=√2/4
である。