【Key_word】
[消化器内科医師看護師]、[は必読、卑近事象から]、[複雑系科学へ壮大展開]
【投稿者コメント】
→奇妙な秀作or臭作の投稿? 一部の、「群馬県下ネタ郡下ネタ町」風の記載は平に御容赦!
【1】「ふ○詰まり」の科学?
タイトルの始めは、尾籠(びろう)で申し訳ないが、当報告は、話しが日常生活の事象から、宇宙科学へ飛躍してしまったと云う、オチだ。
歳は取りたくないもので、とうとう、日常の「大」の排泄にも窮してしまった。
いくら、頑張っても、う○こ氏が出口で、這いつくばって微動だにしない!
年齢に加えて、肝臓等の消化器が強くないので、極力、薬の類(たぐい)は使用しない様にしていた為に、水分摂取を怠ると、その様な窮状に至る。
こう云う、う○こ氏の状態に至ると、化学的対処方法等は一切無効となり、残る手段は、物理的除去法に依るしかなくなる。
つまり、「削岩・採掘=Mining(マイニング)」である。
データマイニングやビットコインのマイニングだと、売上情報や顧客情報や製品クレーム情報等のデータの山から、売れ筋の製品情報や売上利益拡大の方策等の利益や、ビットコイン投資枠の拡大等の、「儲(もう)け話し」に直結するが、う○こ氏の物理的マイニングだとそんな利便性はないが、一応の窮状脱出策にはなる。
間違っても、そんな窮状になったら、近所のドラックストアで、「オ○ナ○ンH軟膏の瓶入り」と、「二枚重ね用のディスポーザル手袋」と、「廃棄用のポリ袋」等を買い求めて、金隠しにまたがって・・・等と云う事は止めた方がよい!
ドラックストアの薬剤師のお姉さんに依ると、「お客さん! そりゃ、危険ですよ! それじゃ、消化器を破って、もっと、恥ずかしい事になりますよ! 近くの開業医・医院で治療を受けて下さい!」と宣(のた)まわれた。
「私はそんなに年をとっちゃいないわよ!」と云う女性でも、「わしゃ、そんなに耄碌(もうろく)しとらんわい!」と云う男性でも、タタミやベットの上で、お迎えが来る方は、ほぼ、100%、そう云う、窮状に至るのだそうだ。
薬剤を投与されている方、特に、効き目の強い鎮痛剤等を処方されている方は、そう云う状況に至るのが普通らしい。
【2】「ふ○べ○栓塞」=「サイロ・ホッパーのブリッジ」の滞(とどこお)り
「う○こ氏が出口で、這いつくばって微動だにしない!」と云う状況は、まるで、う○こ氏が出口で、アーチ式ダムや眼鏡(めがね)橋様なブリッジとなって、横方向に、はいつくばっている事象と思えて、調べた所、次の様な記載・報告を見出した。
「サイロ・ホッパーの出口が小さい場合は、ブリッジを起こし易いので、振動等を加えると、より一層、閉塞してしまう。又、鉱石等の粗砕石、水分の多い砂や吸湿性の高い粉粒体(酸化鉄・小麦粉・石灰etc)、及び、潮解性の粉粒体(塩・尿素・硫安etc)は、湿度の高い時期や露点に達し易い状態では硬く固まってしまうので、特に注意が必要だ。解決策としては、ブラスターに依る、空気と振動を付加する事が適している。」
・「サイロ・ホッパーの出口」=「水戸様」
・「粉粒体」=「大○(う○こ)」
・「ブリッジ」=「ふ○べ○栓塞」
・「空気と振動を付加する」=「マイニング(物理的除去)」
だから、「サイロやホッパーの粉粒体の物理事象」を解明すればよい。
以下の(*-1)の報告が、「サイロやホッパーの粉粒体の物理事象」を簡潔に報告している。
それに依ると、「ホッパーの排出口で粉体の粒子同士がアーチ構造を形成して閉塞し、粉体が排出口から排出されない現象を「ブリッジ」と言う。添付図1の様に、排出口の真上付近の粉体だけは排出されるが、それ以上は排出されない。この現象は、ホッパーの形状や排出口径、粉体の性状等に起因するので、ホッパーの設計時には注意が必要だ」と説明しており、なんと!添付図1の説明図は、医学書籍の下部消化管解剖説明図そのものではないか!
この報告では、「一旦、粉体が排出口から排出されない現象である、「ブリッジ」が発生すれば、ブローディスクの様に、タンク内に取り付けてエアーと共に振動も起こす事(物理的除去法)で解消するしかない」と述べている。
【3】「粉粒体の物理事象」=「未解明の複雑系の物理事象」/「ふ○詰まり」から「恒星・惑星誕生」の宇宙創生までの科学
所が、「粉粒体の物理事象」を追っていく内に、「粉粒体は3つの異なる相で構成される固有の材料であり、これらの相とは、粒子の形を取る固体、粒子間の空気(気体)、そして、粒子の表面又は内部にある事の多い水分(液体)だ。粉粒体は、個体、液体、気体で構成されるバルク集合体である」事が判明し、「粉粒体の挙動は、その流動性を理解するだけで説明する事が可能」とか、「流動性は、単一の数字に依って、定量化出来る個別の特性」と云うのは誤りであるばかりか、21世紀に於いても依然として、複雑系の物理事象である、粉粒体の物理的な挙動は、未だ解明されていない事も判明した。
以下の(*-2)の報告では、具体的な、未解明の「粉粒体の物理事象」の事例について述べている。
この様な大きさや物性の異なる様々な粉粒体は、共通した普遍的な法則に従っている様にも見える。
もし粉体の振る舞いを支配する物理法則が存在するとすれば、それは大きさが数桁にわたって異なるものが対象となるだろう。
工学的な応用面でも、粉粒体物質は我々の日常生活の中で重要な位置を占めている。
全世界で毎年生産されている様々な種類の粉粒体は膨大なものだ。
地球上で産出されている全エネルギーの中で粉粒体に関連し消費されるものはかなりの割合を占める。
コンクリート、化学薬品、薬、砂糖、砂山、雪崩、土石流、液状化、風紋、交通流、果ては惑星のリング形成や銀河の分布まで、粉粒体の研究は非常に広範な対象の理解を深め、大きな経済的影響をもたらすと考えられる。
人間が生活していく上で、粉粒体は水に次ぎ2番目に重要な物質であると云える。
所が、この様な身近な粉の動きを科学的に調べようとすると、その振る舞いが複雑すぎてよく判らず、現代の最先端の物理学でも解けない難問の一つとなっている。
粉粒体物質の研究には、伝統的な学問体系を越えた新しい理論体系が必要とされている。
今までに確立された理論体系を如何に上手に使いこなすかと云う工学的問題だけでなく、今までにない全く新しい視点を必要とする第一級の、ニュートンやアインシュタインの様な、創造的な若い頭脳に依るブレークスルーを必要とする問題が山積している。
一見、粉粒体の挙動は、ごく初歩的な物理学の知識で説明出来るだろうと思われるだろうが、次の様に、粉粒体事象の中には、現代物理学の素養を駆使しても未だ解明されていない事象も多く存在する。
要するに、粉粒体の物理事象は、日頃、目にする、「う○こ氏の科学」から、「性間物質で子が出来る」じゃないが、「星間物質のガス・微粒子が凝集して恒星や惑星が誕生する」と云う、宇宙創造のマクロ的(宇宙科学)・ミクロ的(素粒子科学)な、複雑系の物理事象なのである。
【4】「粒子間相互作用」
又、「粒子間相互作用」を、「粒子の動きを制限するメカニズム」と「粒子の動きを促進するメカニズム」とに分けて視た場合、前者には、「摩擦」、「物理的なかみ合い」、「付着による粒子間力」、「液体によるブリッジ形成」等が含まれ、後者には、「重力」が含まれる。
「粒子の動きを制限するメカニズム」の詳細については、以下の(*-3)の報告で述べている。
【5】重力を考慮した「バルク粉体の挙動」/ビックバンから恒星誕生までをコンピュータ数値シミュレーションする宇宙創生モデル
「粒子の動きを促進するメカニズム/重力」:
多くの場合は、重力は粒子に働く唯一の推進力だ。
移動中の粒子に慣性が働く事を考慮しない場合、緩慢に充填されて静止した粒子を動かす主要な推進力になるのは、重力に起因する要因、つまり重量だ。その為、粒子が流動し始める力は、粒子に働く重力の強さに大きく依存する。その為、サイズの大きな粒子を含む粉体や高密度の材料で構成される粉体の場合は、粒子の個々の質量、及び、その結果、粒子に働く重力が高いので、緩慢に充填されている場合は流動性が向上する傾向がある。
「バルク粉体の挙動」:
バルク粉体の挙動は、粒子間の相互作用の全てのメカニズムに依って影響を受ける。但し、それぞれの影響は粉体の特性や課されている環境/プロセス条件に依って異なる。
全ての拘束力と重力の推進力との力関係は、粒子が独立して移動可能かどうかや、粒子が集塊の一部として存在するかどうかに影響する。後者の場合は、バルク流動は集塊の質量と周囲の集塊との関係に影響される。
ビックバンから恒星誕生までをコンピュータ数値シミュレーションする、宇宙創生モデルでは、粒子(恒星)が集塊(銀河団)の一部として存在するとして、銀河団や全ての恒星のバルク流動は、集塊(銀河団)の質量と周囲の集塊(銀河団)との関係に影響される。
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添付図8_「粒子の動きを促進するメカニズム/重力」及び「粒子間相互作用のメカニズム」
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(*-2)
「粉粒体の不思議を科学する」
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省略
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一見、粉粒体の挙動は、ごく初歩的な物理学の知識で説明出来るだろうと思われるだろうが、次の様に、粉粒体事象の中には、現代物理学の素養を駆使しても未だ解明されていない事象も多く存在する。
1.ブラジルナッツ効果:
粉流体の分離の古典的な例であり経験的に誰もが知っている「ブラジルナッツ効果」は、家庭で簡単に実験できる。添付図3は、この効果の概念図だ。透明で円筒形の小さな入れ物(調味料入れの様な類)を用意する。砂(グラニュー糖や塩でよい)を半分位入れる。続いて、重くて大きな塊(例えば、鉄の六角ナット)と同じ位の大きさで軽い塊(例えば、プラスチックの止めピン)を入れる。まず、容器を上下に振って頂きたい(左)。ナットはすぐに表面に出てくるが、ピンは沈む。次に、容器を左右に振ってみて頂きたい(右)。今度は、ピンが浮いてナットが沈んでしまう。
こんなに簡単な実験は他にないかもしれないが、粉流体の問題の内、最も簡単なこの様な実験でさえ、よくよく考えると不思議な事だらけで、パラドックスが存在すると云う事がよく判るだろう。六角ナットの様な大きな塊に鉛直振動時に生じる浮力の原因を説明するモデルは多くあるのだが、お互いに矛盾しており、未だ統一的な見解が得られていない。又、押しピンの沈降の原因、及び、水平振動で押しピンと六角ナットの上昇と沈下が逆転する理由に至っては、未だ推測の域を出ていない。この様な単純な現象さえ現代物理学で説明出来ないのだ。
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添付図3_ブラジルナッツ効果:砂の容器を上下に振ると重いナットが浮かび上がるが、横に振ると軽い止めピンが浮かび上がる事象の原因が解明されていない
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2,液状化現象(エッキー):
1964年の新潟地震では、鉄筋アパートは横倒しになったり、建築されたばかりの昭和大橋は崩落し、マンホールは浮上したりした。この現象は液状化現象と呼ばれ、地震に依って固体状態にあった粉体が一時的に液体の様に溶けてしまう現象だ。2011年の東北震災で東京都江戸川区葛西地区で地中のマンホールが浮き出る様な大規模な液状化被害受けた事も、記憶に新しいと思う。現在、起る事が想定されている東海地震に於いても液状化現象に依る被害が推定されている。
さて、液状化現象はどの様にして起るのだろうか?これは、振動させると液体の様に振る舞い、動きが止まると一瞬にして固化すると云う粉粒体の特異な性質と密接に関わってくる。地震が発生する前、水分を多く含んだ砂は、隙間に多くの水を含みながらも砂粒同士が接触している事に依って、固化しその上に立っている建築物を支えている。しかし、地震が発生すると砂は強い振動を受けて、支えあっていた砂粒は流動化し固まろうとする。この時、固まろうとする砂粒の間に含まれている水は、周りの砂から力が加えられ、水圧が上昇する(間隙水圧)。この水圧が、上に乗っている土の圧力と等しくなると、間にある砂粒に掛かる力が釣り合い、力が加えられてない状態と同じ状態になる。そうすると、砂粒は液体と同じ様に動き始める。この事に依り、上にある建造物を支える事が出来なくなる。又、水圧の上昇に依り、地中にあった物体が流動化した砂の表面に浮き上がってくるのだ。
3.ホッパーの不思議:
粉体工学で粉粒体を流すロート状の装置をホッパーと呼ぶ。このホッパーの七不思議と呼ばれているものの一つに、出口の直径が粉粒体の直径の6倍より小さい時粉粒体は流れ出ず、目詰まりを起こすと云うのがある。どの様な粉粒体(米でも、砂でも、食塩でも)大体粒子の直径の6倍程度の穴でないと流れないと云う事だ。
ホッパーの中の砂の流れはどうなっているのだろうか?
粉粒体の可視化の一つのやり方として奥行きをなくして平面にして、2枚のガラス板にはさまれた部分に直径数ミリのガラス球を入れて、直径の長さ程度にあけて鉛直に立てた2枚の透明な板の間に入れて、これを粉体流の観察のモデルにしてみる。
流れの様子をよく観察してみよう。
非対称に流れる奇妙な流れ方をする事が判る。
又、この非対称な流れに依り、流れが右から左へと移り変わる瞬間にちょっとタイミングがずれて、右が止まる前に左が流れ出すと、両方の流れがぶつかって、にっちもさっちもいかなくなってしまう。(パニック状態になった人達が、会場から一つのドアに向かって一斉に一度に人が外に出ようとしている時に立ち往生してしまう状況に似ている)
この場合に、目詰まりが起こり、流れが止まってしまう。
下向きの重力が働いている為に、穴の大きさが粒子の直径の何倍もあるにも関わらず、引っ掛かってしまう。
どうして、その様な目詰まりが安定なのだろうかか?
目詰まりしている付近のホッパーの穴を拡大してよく観察してみよう。粒子がきれいなアーチ構造をしている事が判る。その様なアーチ構造は人間が考え出した建造物によく見られる事だ。
パニック状態に陥った群集の流れを簡単な粉体モデルを使って、定量的に調べようとする研究が行われる様になってきた。
ここで重要な事は、パニック状態が起った時は、やはり人間は出口付近で目詰まりを起こしてしまい、その時には、やはりアーチ状の構造が出来ると云う事だ。一見自由意志で動いていると思われる人の流れもパニック状態の群集化してしまうと、粉体と同じ位単純な動きしかしていないと云う事だ。
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添付図4_ホッパーの目詰まり事象
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4.粉体系のマックスウェルの悪魔:
19世紀の有名な物理学者で電磁気学の基本方程式にもその名を残しているマックスウェルは、様々な速度で動いている粒子の動きを選別出来る小さな生物「マックスウェルの悪魔」が存在すれば、永久機関が存在しうるのではないかと考えた。
もし、永久機関が存在すれば、世の中のエネルギー問題(環境問題等)は全て解決するだろう。しかし、実際は色々な理由でこの様な「マックスウェルの悪魔」は存在出来ない事が判っている。
所が添付図5の様に中央を仕切りで隔てた二つの箱を用意して、それぞれ同量の粉体を入れ仕切りに小さな穴を開けて加振させてみる。
穴の高さが低く大きな振幅(もしくは振動数)で振動させると、粉体が穴を通して移動するが、しばらく時間が経つと、不思議な事に独りでに粉体が片方の箱に集まって来る。
初めに両方の箱の中で活発に動いていた(温度の高い)粒子が、温度の高い粒子が入っている箱と温度の低い粒子粒子が入っている箱に分けられてしまったかの様だ。
仕切りの穴に粒子の動きを見分ける事の出来る目に見えない小さな魔物がいるのだろうか?
これは「粉体系のマックスウェルの悪魔」として知られる有名な実験だ。
現在までに粉体の僅かな密度差が片方の箱に於ける凝集化を促進すると考えられているが、これを説明する精密な理論は未だ存在せず、未知の問題となっている。
又、この実験は、現代物理学(熱統計力学理論)発展を促す典型的なモデル系としても盛んに研究が行なわれている。
この現象を詳細に調べる事に依り、月面や微惑星上の様な微小重力下で、容器を僅かに加振させるだけで多くの粉体を制御出来る効率的なエネルギー輸送の開発等工学的応用が無限に考えられるだろう。
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添付図5_粉体系のマックスウェルの悪魔
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5.粉体気体の不思議:
少し内容が高度になるが、粉体が多く集まった時の動きの特徴をよりよく知ろうとする為に、重力と言った力が存在しない系で粉体気体モデルと呼ばれているものが、物理学の最先端で今盛んに研究されている。これは粉体を非弾性剛体円盤とよばれる硬い円盤でモデル化して、その動力学を無重力状態で単に粒子同士が衝突した時に散逸(エネルギーを失う)を導入したと云う極端に単純な系だ。
高校の物理の授業で、跳ね返り係数e(反発係数)とよばれているもの習ったかもしれないが、跳ね返り係数がe<1となる様なものが非常に多く集まったものを想像してみて頂きたい。
例えば、下からの空気で円盤を浮かせているエアホッケーの状態に近いが、これに空気や重力の影響さえも排除した理想的な系だ。
この様な理想的な系に於いて多くの粒子系を扱うには、分子動力学法と云うシミュレーションを用いて、計算していく。以下の添付図6は、粒子数が49万、密度(粒子占有率)が0.75、0.20の場合を、最初空間的に一様に配置して、ある温度でシミュレーションしたものだ(密度が0.90でぎゅうぎゅうに詰まった状態になる)粒子同士は衝突の際、e=0.9でエネルギーを失う。たったこれだけの条件で放っておくと、エネルギーを失う過程(冷却過程)で自発的に添付図6の様に複雑なパターンが生ずる。
この様なパターンは何に見えだろうか?パターンが生じる原因をどの様に理解すればいいのだろうか?最近のトピックとして、こう云ったパターンの形成メカニズムを解明する為に、重力を排除した宇宙空間で実験を行おうとする動きがある。
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添付図6_粉体気体の冷却過程で自発的に複雑なパターンが生ずる
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(*-3)
「粉体の付着・凝集」
粉体の付着とは、簡単に言えば粉体が何か物体に接触し、そのままくっついて落ちない状態を云う。
例えば、ガラス板に粉を振りかけると、ガラスの上にくっついて落ちないと云う事がよくある。
こう云う現象は、ガラス板と粉体の間に付着力が働いている為であり、この付着力は粉体同士の間にも働いている。
付着は、貯槽用ホッパー出口や輸送ラインの閉塞、分級操作での微粒子の凝集に依る精度の劣化等、工場プロセスのトラブルの原因になる。
この様なネガティブな面に対して、微粒子の凝集を利用した薬品の打錠、額粒化、セラミックス製品の圧密成形、更にには、集塵能力の向上等、付着力を利用したポジティブな面もある。いずれの場合も付着力を自由にコントロール出来れば工学的に非常忙有効である事が予想される。
今回は付着力の発生原因とその付着力をコントローする為の研究について述べたい。
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添付図7_「粉体の付着・凝集」に関わる諸表と諸図
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1.付着力の発生原因:
付着の発生原因の分類として、添付図7の第1表に「Rumpfの分類」を示す。
固形化した状態のものは、粒子の付着力とは言わず、単純に一個、一個ばらばらなっていた粒子が接触した時に生ずる様な力を付着力とする。
気相中で働く粒子の付着力を大別すると、3)van der Waals力、2)静電引力、3)液架橋カになる。
添付図7の第2表に付着力の種類と計算式を示す。
1.1 van der Waals力
これは別名、分子間力とも云われ、粒子表面の持っているポテンシャル・エネギーの大きさに依り決まる物質固有の力であり、原子同士が結合し分子を形成すると、原子の最外殻電子は分子の廻りを自由飛び回り、電子雲を形成する。この電子雲の移動、偏在に依り、部分的に電子密度が異なる場所が生じて、プラスとマイナスが発生する(相極子)。この様な状態の分子同士が接近すると、+と-の部分で、お互い引張り合う。これを分子間力と呼んでいる。van der Waals力の大きさは、物質を構成する電子状態で決まる力であり、ハマカー定数を用いて表され、物質に依りそれぞれ異なる。
1.2 静電引力
或る粒子がσと云う電荷密度を持ち、得電していたとすると、帯電した粒子同士が接近した場合に、粒子間に静電引力(ク-ロンカ)が働く(過剰電荷付着力)。
又、化学ポテンシルの異なる粒子が接触したとすると、接触面の所で片方から他方へ化学ポテンシャルが一致する様に電子が移動する。
流れた粒子は+になり、流れ込んだ粒子の方は一になる。
その電位差が静電引力となる(接触静電付着力)。
更に、+の電荷を持っている粒子が帯電していない壁の近傍に来た時、壁に引っ張られる事がある。
これはあたかも壁にマイナスに帯電した粒子がある様な効果が働き、粒子は壁に付着する(影像電荷付着力)。
この様に、片方が電荷を持っていない場合でも静電引力は働き、粒子の付着の原因となる。
1.3 液架橋力
添付図7の第1図の様に大粒子と小粒子が接触している場合に、接触部分近傍の非常に狭いギャップは毛管を形成する。
毛管は負圧を生じて、粒子の表面に吸着している大気中の水分が引っ張られる(毛管現象)。
毛管の所で凝縮し形成された液膜の毛管負圧と、液の表面張力で縮もうとする力とで粒子同士が付着する。
付着力の大きさは、負圧に依るカと表面張力との和で表される。
添付図7の第2図は粒子径dpと粒子間付帯カFの関係を表したものだ。
静電引力、van der Waalsカ、液架橋力の順に大きくなり、液架橋カはvan der Waals力よりも1オーダー高い値を示している。
2.付着力の制御
この様な付着力をコントロ-ルする方法について次に説明する。
2.1 valt der Waals力
物質に固有の力であり、一般に分子間引力の大きさを変える事は難しいが、粒子の表面のエネルギー、即ち表面に出てきた物質のハマカー定数を変える事に依って、Van der Waalsカをコントロ-ルする事が出来る。
例えば、付着し易い粒子の表面エネルギーを低下させる様な物質をコーティングする、又、吸着分子を水よりもエネルギーの小さいアルコール等の物質に変えてやる事で、van der Waals力は小さくする事が出来る。
2.2 静電引力
静電引力を小さくするには、表面処理等で接触電位差を小さくする方向にコーティングする方法がある。
又、粒子の接触面横が大きいほど静電引力による付着力が大きくなるので、粒子の表面を硬くする事で接触面横を小さくしたり、粗くする事で接触点の曲率を小さくする方法もある。
又、粒子に吸着した水分子の量を多くする事で電気抵抗を小さくして、粒子表面に溜まっていた電荷の漏洩を容易にしてやる等の方法がある。
2.3 液架橋力
粒子表面に吸着している液分子の種類や量を制御する事で、液架橋カはコントロールする事が出来る。
この液架橋力は付着力の中で最も大きいので、この力を制御出来れば付着力はかなり制御する事が出来ると考えられる。
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(*-1)
http://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/c3c.html
「【C-3c】粉体って何?(粉体用語の基礎知識Ⅲ)」
今回は、粉体がホッパーやサイロ等の貯留槽に於いて引き起こす現象に関する用語を解説する。
大きく分類して、貯留槽内の粉体が吐出口から排出される「マスフロー」「ファネルフロー」と云う現象と、貯留槽内の粉体が槽内で動かなくなり吐出口から排出されない「ブリッジ」「ラットホール」と云う現象について説明する。
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添付図1_ホッパーやサイロ内の粉体が排出されたり、栓塞・貯留する現象
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■ホッパーやサイロ内の粉体が排出される現象
①マスフロー
ホッパーの内壁付近の粉体と壁面の摩擦を小さくし、滑らせる様にすれば、粉体面が液体の様に殆ど水平に沈下し、ほぼ完全に排出される。この様な流れを「マスフロー」と言う。
ホッパー内に空気やガスを供給し、粉体を流動化(※ーA)させる事に依って、壁面との摩擦が小さくなるので、マスフローの状態にする事が出来る。この場合、ホッパー内の粉体は常に新しい粉体と入れ替わるので、変質に依るトラブルを回避する事が出来る。
②ファネルフロー(又は、ファンネル(煙突)フロー)
ホッパーの内壁付近の粉体は、粉体圧により壁に押し付けられ、粉体粒子と壁面の摩擦が大きくなり滑りにくくなる。従って、添付図1の様に排出口の真上の粉体だけが先に排出され、その排出層周辺の上部の粉体層より次第に崩れ、流下していく。この様な流れを「ファネルフロー」と言う。この場合、粉体はある程度排出されるが、ホッパーのコーンには残留層が形成される。残留層は、新しい粉体に入れ替わる事がない為に固化層を作り、粉体に依っては変質する場合がある。
■ホッパーやサイロ内の粉体が排出されない現象
③ブリッジ
ホッパーの排出口で粉体の粒子同士がアーチ構造を形成して閉塞し、粉体が排出口から排出されない現象を「ブリッジ」と言う。添付図1の様に、排出口の真上付近の粉体だけは排出されるが、それ以上は排出されない。この現象は、ホッパーの形状や排出口径、粉体の性状等に起因するので、ホッパーの設計時には注意が必要だ。
「流動性」:
粉体の流れ易さを示す。
「流動性」の高い粉体と「流動化」し易い粉体は混同しがちだが異なる。流動性が高い粉体は、砂時計の砂の様な顆粒状のものが多く、この様な粉体は、円錐状に積み上げようとしても、底辺が広がって崩れていく。流動性の高い粉体は粒径が均一な場合が多く、流動化させる為に気体を供給しても粉体層内に気体を保持しにくく、流動化しない場合が殆どだ。
逆に流動性の低い粉体は、円錐状にすればその形状を比較的維持し、底辺の広がりも大きくならない。一般的に、流動性の低い小麦粉の様な粉体は、付着性や凝集性がある場合も考えられ、「ブリッジ」 「ラットホール」の形成や移送ラインでの閉塞といった現象が起こり易くなる為、注意が必要と言われている。
④ラットホール
ファネルフローで粉体の排出層周囲の粉体固定層が強固で崩れない場合、粉体は排出をストップし、添付図1の様な穴が形成される事がある。
丁度野ネズミがもぐり込む穴に似ている事から、この穴は「ラットホール」と呼ばれている。
⑤アーチング
上部で貯蔵物が圧縮されると、アーチ状に均衡領域が形成されて詰まりが生じ、切り出し不可能となる現象。
■上記の様な現象を防止する方法
「ブリッジ」「ラットホール」「ファネルフロー」等、ホッパーやサイロの貯留槽内の粉体が排出されない、排出量が低減する等の現象が起きた場合、その対策として、
1.ホッパーやサイロに流動板等を通して空気を吹き込み、槽内の粉体を流動化させる事で「ブリッジ」等の現象を防止する方法
2.ノッカーやバイブレーター、或いはバイブロホッパー等の振動や衝撃を加える機器を取付け、「ブリッジ」等を強制的に破壊する方法
3.設計時にホッパーやサイロの容量や傾斜角度、排出口の大きさ等を検討し、「ブリッジ」等の現象を起こりにくくする方法
等がある。上記の1つの対策でその効果が出る場合もあるが、粉体の種類や性状に応じて、複数の方法を組み合わせてその対策を講ずる場合が一般的だ。
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添付図2_ブローディスクの原理:タンク内に取り付けてエアーと共に振動も起こす事でラットホールやブリッジを解消する
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(※ーA)
「流動化」:
粉体層の底部から、多孔板を介して空気やガスを供給すると、初めは粒子同士が互いに干渉して固定状態にあるものが、ある点を超えると固定状態を保持する事ができなくなり、粉体層は活発な運動を開始する。この時、粉体層は膨張し、浮遊懸濁化状態になり、液体に似た挙動を示す。この様な状態を「流動化」という。
密度分布が正規分布を示す粉体の場合、粉体が空気やガスを保持し易く、流動化し易くなる。逆に粒径が均一な粉体の場合、空気やガスが粒と粒の間を抜けてしまい、流動化しにくくなる。
一般的に、流動化し易い粉体は、飛散し易い為に粉塵対策が必要だが、配管での移送には適している。逆に流動化しにくい粉体は、堅く締まり易い傾向があるので、配管内での閉塞が懸念される。