思い出の味 | 青いレコード ~されど、青春。~

思い出の味

大昔、おじいちゃんとおばあちゃんと三人で暮らしていた頃、料理の出来なかったおばあちゃんが時々作ってくれた豚肉と玉子の炒め物。今朝はそれを作った。
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じいちゃんもばあちゃんももう年寄りだからこういうのあんまし食べんから、いつもぼくのが多い!ってよろこんだもんだ。

自分が作る立場になり、それは違う、とわかる。

ふたりとも、自分たちの分までぼくのお皿に盛ってくれていたのだと知る。

野菜炒めにしてもそう。自分たちは粗末な部分を食べ、美味しいところをぼくに出してくれていたのだと知る。

馬鹿は馬鹿なりに、さとり、気づき、知り、わかり、急に胸を熱くし、フライパンをかき混ぜながら、ありがとうと叫び、ごめんなさいと叫ぶのだ。

朝のハートブレイクホテルへ、ようこそ!

三階の十五号室は、本日留守だ。

総合病院のロビーで、自分の膝をじーっと見ながら三時間も四時間も座っている、ボロを着た冴えない男を探してくれ。

いろんなことをやっと今頃気付いた、どうしようもなく弱い男を探してくれ。

でもそいつに、声は掛けるな。



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