9月14日の民主党代表選挙は、おおかたの予想通り菅直人が小沢一郎を降し、代表の座を守った。

菅政権は、「ノーサイド」の証明として、脱小沢の看板として、小沢グループに最も敵視されていた枝野幸男幹事長を替えたものの、後任には堅物の岡田克也を据え、枝野自身も幹事長代理として残り、旧民主党サイドがカネと公認権を握り、旧小沢グループに圧力をかけられるという構図は温存された。

小沢の取り巻きどもは、国会議員票がほぼ互角だったことを踏まえ、強気の姿勢をしめしているが、100人を超える小僧集団を動員しながら、有利と見られた国会議員票において破れたという事実は重い。

小沢を中心とした政権が国民の支持の元で日本を改革するという、小沢支持者の妄想が実現不可能であると、衆目の集まる中で証明されたのであり、長年の小沢支持者も、カルト的狂信に走るか、現実を認めて諦めるかの選択を迫られている。

以上を踏まえて、今後の民主党を中心とした政局を考えると、民主党分裂は不可避であり、その後の解散総選挙により、小沢的なモノは終焉を迎えるのではないかと思われる。

---------------------

現在国民が望むのは、菅直人の元で民主党が結束し、リアルな事実に即した国家運営を、従来の利益調整型政治を超えて行うことであり、小沢グループには、陰ながら菅直人を支えることが要求されている。

しかし、小沢個人はともかく、小沢の周りには、日陰で汗をかきたいような人間は、まあ、いないだろう。小僧集団の中にはいるかもしれないが、そのような人は、額面通りのノーサイドを信じて、小沢グループとは距離を置くはずだ。

結局、小沢の周りには、群れて権力闘争を仕掛け、自分も権力のおこぼれに預かろうとするような人間だけが残り、国民の期待とはますます乖離した行動を取ることになる。

このような動きは、マスコミによって
菅直人  = 市民派 = 善
小沢一郎 = 利権派 = 悪
というわかりやすい図式にまとめられ、これにより小沢一派の先鋭化に更に拍車がかかる。

一方、ポストやカネを握った旧民主党勢力によって、小沢を支持した小僧集団が次々と切り崩されていくことは、想像に難くない。対外的な強気姿勢とは裏腹に、小沢陣営は自分たちが時間的に追い詰められていくことに相当の焦りを感じているだろう。

結局、小沢一派は、座して死を待つか、一か八かの暴挙に出るかというところに追い込まれ、分党騒ぎ、自民との連立模索、解散総選挙という結末が予想されるが、現行の選挙制度の下では、少数に転落したグループが議席を守れる可能性はほとんど無い。

頼みは自民との選挙協力ということになり、かつての自自公のフレームワークが再構築されることになる。そうなると、受け入れる側の自民サイドがどう出るかだが、そこで自民に拒否されれば、細川政権以来、20年近く日本の政治を動かしてきたエンジンの一機である「小沢的なモノ」も、そこで終わりだ


~続く~