スノーボードHP、オリンピック代表の“腰パン”国母選手が決勝進出を決めた。

自民党の河野太郎衆議院議員がブログで擁護発言 を出すなど、この問題についてはいろいろな人が意見を持っているようだ。

自分としては、開会式参加自粛という橋本聖子団長の采配は、妥当であると思う。

そもそもの発端である、移動中の“腰パン”に対するペナルティとしては、過大だと思うが、その後の「舌打ち・うっせーな」会見をしてしまった以上、この程度のペナルティがなければ、話は収まらないだろう。

彼の“腰パン”については、ファッションセンスの問題もあるので、その解釈は人それぞれだ。
会見はそれを説明する機会だったのだが、彼(とコーチ陣)はそのチャンスを自ら潰してしまった。

おそらく彼は、自分のファッションセンスについての批判程度にしか理解していなかったのだろう。
批判する側も、大部分はファッションセンスの問題として批判していたのだろうが、それが全てではなかった。

彼が着崩したのは、日本チームの公式ユニフォームだ。
ユニフォームを着ることは、組織への所属を象徴する。

プロ野球の入団などで
「このユニフォームを着られて嬉しい」「ユニフォームに恥じないプレーがしたい」
という話がでるのはそういう意味があるからだ。

公式ユニフォームを着崩した彼の行為は

「オリンピック日本代表チームに所属することは不本意だ」
「オリンピック日本代表チームなど自分には何ら価値はない」

という意思表示と受け取られてしまう。

おそらく国母選手は素直な感情表現を「格好悪い」と思っているのだろうが、オリンピック日本代表になったことを軽んじるような言動が元々多かった。
だからこそ、記者会見では、そういう意図は全くないということをはっきり言うべきだった。

「舌打ち会見」によって、バカにされたと感じた(一部の)記者は、国母のネガティブキャンペーンを始めた。
本音では、私怨であっても、大義名分はある。

国母選手は
「日本代表としてオリンピックに出たいのか、出たくないのか?」
を明確にし、何らかの代償を支払って、それを証明しなければならない立場に追い込まれた。

国母選手も本音では、オリンピックにどうしても出たいのだろう。
国母選手は21歳だが、HPの選手として、4年単位で考えれば今の力がピークだろう。
4年後では、メダルのチャンスはないと思われる。

国母選手も橋本団長には、その本音を伝えて、競技には参加できる形でおさめてもらった。
はっきり言えば、泣きついたんだろう。
オリンピックの「ビッグネーム」である橋本聖子が「今後は自分が責任を取る」とまで言ったことで、バッシングは一応収まった。

国母選手は、もっと「cool」に行きたかったのだろうが、「cool」に生きるためには、「clever」でなければならない。
やりたいことが大きくなれば大きくなるほど、自分だけの力ではどうしようもなくなる。
どんな分野であろうと、世界のトッププレイヤーでありたければ、「大人の考え方」ができなければならない。
外見はともかく、中身まで「ガキ」では無理だ。
このバッシングは、彼にとって、その良い教訓になるのではないかと思う。
あのまま30、40歳までいってしまったとしたら、才能を無駄にしてしまっただろう。

ちなみに、オリンピック中継を見た限り、彼のような「独創的な」容貌の選手は、ヨーロッパ・北米代表のHP選手にもいなかったように思われる。