民主党小沢幹事長が検察に被疑者として取り調べを受けたことで、小沢氏を巡る一連の不正資金問題は次の段階にはいった。

小沢という「金に汚い」人間が、国家の財政に巨大な発言権を有し、かつ、国民の血税から173億という政党交付金が支給される民主党を支配しているという事態はたしかに看過できない。

その点を、自民党をはじめとする野党が追及するのは当然だし、義務だ。
だが、この問題に拘泥して、予算審議を蔑ろにしていいというわけではない。

自民党は24日午前、都内のホテルで第77回定期党大会を開いた。野党に転落後初の大会で、谷垣禎一総裁は「今年は勝負の年だ。通常国会を戦うことによっ て、鳩山政権を国民に問う衆院解散・総選挙を迫っていく」と述べ、鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」の問題を徹底追及し、鳩山政権を 追い詰める決意を表明した。

自民党が責任ある政党を標榜するのであれば、単に問題を大きくして混乱させるという戦略は採るべきではない。それは、日本全体にも、自民党自身にも、良くないことだ。

民主党は、「野党は、大事な予算審議を止めて党利党略により『政治とカネ』の問題に固執している」と批判するだろうと思われる。かつての自民党の常套句だ。

最大野党である自民党は、鳩山政権に対して妥協点を提示し、予算審議に入る出口戦略を明確にすべきだ

具体的には、小沢氏の幹事長辞任、在宅起訴による議員辞職、衆参同時選挙などが考えられる。

民主党をはじめとする連立与党が野党の出口戦略提案を蹴り、あくまで小沢一郎という個人の権利に固執するのであれば、国政混乱の責は与党民主党が負うことになるだろう。