我々は何のために働くのか、働くことの報酬とは、何か、企業の目的とは、何か。

これに対する回答をずばり書き記した田坂広志氏の「いかに生きるか」。ちょうど東日本大震災をきっかけに、日本人としてどう生きていくべきか、という命題から日本人の精神を見つめ直した本。

まさに、出くわすべくして出会ったような本かな?


「働く」とは「傍(はた)」を「楽(らく)」にすること。

・・・自分以外の誰かを楽にすることであり、自分以外の誰かを幸せにすること

「仕事」とは「仕える事」

・・・誰かを楽にするために、誰かを幸せにするために、心を込めて仕えること

「働き甲斐」とは傍を楽にしたことの喜び。

「日本型経営」において語り継がれてきた世界に誇るべき3つの日本の思想・・・
①企業は、本業を通じて社会に貢献する
②利益とは、社会に貢献したことの証である
③企業が多くの利益を得たということは、その利益を使ってさらなる社会貢献をせよとの世の声である

過去数十年、グローバリゼーションという言葉とともに海外から日本に入ってきた思想・・・利益の追求、利益の最大化


今の社会、今の企業の論理は、やはり、欧米の考えによってもたらされたものであって、日本には馴染まないのではないか。働くとは、まさに社会に貢献するためであり、それにより自分が満たされた状態になることが重要なのではないだろうか・・・。

この本の中に「二人の石切り職人」という寓話が書かれていましたので、参考までに載せておきます。

旅人が、ある町を通りかかりました。

その町では、新しい教会が建設されているところであり、
建設現場では、二人の石切り職人が働いていました。

その仕事に興味を持った旅人は、一人の石切り職人に聞きました。

あなたは、何をしているのですか。

その問いに対して、石切り職人は、不愉快そうな表情を浮かべ、
ぶっきらぼうに答えました。

このいまいましい石をきるために、悪戦苦闘しているのさ。

そこで、旅人は、もう一人の石切り職人に同じことを聞きました。

すると、その石切り職人は、表情をかがやかせて、生き生きとした声で、
こう答えたのです。

ええ、いま、私は、多くの人々の安らぎの場となる
素晴らしい教会を造っているのです。



どのような仕事をしているのか・・・それが、我々の「働き甲斐」を定めるのではありません。

その仕事の彼方に、何を見つめているか・・・それが、我々の「働き甲斐」を定めるのです。

仕事の彼方とは何か。それは「志」であると筆者は述べています。

そして、このことを教えてくれたのが東日本大震災であったと。

筆者は東日本大震災が何故日本で起こったのか・・・。このようなことを我々日本人に気づかせるために起こったのではないかと?

亡くなった2万名余りの命を無駄にしないためにも、今ここで我々日本人が「生きるとは何か」「いかに生きるか」を見つめ直させてくれたと。この本を読んで改めて、一人ひとりが震災の記憶を風化させず、日本人の精神を引き継いでいけるといいなぁと思ったのはボクだけではないと思います。

参院選はまたしても、与党の圧勝となりましたが、明日からの自民党が、確りと日本を導いてくれることに期待したいですね。