成長は是か否か その4 | 半径6,378.1kmの日常

半径6,378.1kmの日常

文学、哲学、社会学、映画、アニメ、マラソン、ゴルフ、金融、海外駐在生活、湾岸生活などについて、不定期に思考します

人口の増大とそれに伴う経済活動の指数関数的な増大により、現在のような大量消費型経済を続けていけば、資源の枯渇や地球環境に甚大な影響を及ぼすことにより、破滅的な未来が訪れることになる、というのが成長の限界論や脱成長論が描く未来です。

実際に経済活動がもたらす地球環境への影響は私たちが明確にかつ頻繁に認識できるほどに大きくなりつつあります。特にCO2などの温暖化ガスの排出量の増大は地球の平均気温の着実な上昇をもたらし、山火事による被害や干ばつによる穀物生産への影響、ハリケーン・台風など暴風雨による被害の増大など、目に見える形で私たちの生活に負の影響を及ぼしています。問題はその影響を私たちの現在の政治・経済・社会システムが制御できるかという大きな問いかけに結びつきます。そしてもし現在のシステムが制御できないとすればどのようなシステムであれば制御できるかという、さらに困難な問いかけにつながっていきます。

現在のシステムのなかで問題を解決するための取り組みは既にいろいろな形で私たちの周りで進行しています。化石燃料からの脱却を図るためのEV化や再生可能エネルギーの推進、水素化社会への取り組み、2050年のカーボンニュートラルを目指す各国の政治的な枠組み(国際公約やそのための国内法整備)、代替肉や昆虫食などの食糧危機への対応等々、列挙すれば相当な数の国際的なイニシアチブや新たなイノベーションに向けた研究がされています。

果たして、こうした地球環境破壊を遅らせるためのイニシアチブやイノベーションがもたらす地球環境へのポジティブな影響と現在進行形で起きている地球環境への負の影響、どちらが大きく、どちらのスピードが早いのか、私たちは私たちの子孫に居住可能な地球を残していくために、見極めなければならないのです。