そろそろこの語学センターともお別れする時がやって来た。
以前のブログにも書いたが、元々ロンドン大学の二つのcollegeからMAコース(修士号)のオファーをもらっていたので、どちらかに決めなければならない。
ギリギリまで迷った。
その頃滞在していた、南ロンドンの危ないところにある大学は、中心街にも近く、芝居も好きなだけ観にいける。しかも、アート系が盛んなので、面白そうな学生もいて、エキセントリックな学生生活が送れそうな予感もした。
ロンドン郊外のもう一つの、お金持ちの子女や中流階級以上の学生が多い大学は、辺鄙なところにあるので、芝居を観に行くのも一苦労だし、雰囲気もかなりposh (よく言えば贅沢でエレガント、悪く言えばちょっとお高くとまっている)で、私が馴染めるかどうか。
でも結局このロンドン郊外の大学に決めた。
その理由は、二年間学べるように交渉できたから。
© rhul.ac.uk
アーティスティックな南ロンドンの大学は、泣いても笑ってもMAコースは一年間。
イギリスの大学は、基本的には学士課程は三年、大学院は一年。
当時の私の英語力で、高等教育のレベルで、一年間で一体何が学べるのか、はっきり言ってあまり期待できないということはわかっていた。
せめて二年あれば、、、。
そこで、両方の大学に日本からfaxで(当時はインターネットはまだなかった)、二年間勉強したい旨を、情熱を込めて書き綴って送った。
南ロンドンの大学からは、あっさり一言、無理、と言われて終わりだった。
が、ロンドン郊外の大学からは、当時の演劇学部の学部長から丁寧な返事が返って来て、「君の心意気はとても素晴らしい。君のために diplomaコースを作るから、応募してみなさい」
と言われ、かなり苦労して英語で二本小論文を書き、英語力テストを受け、必要書類と推薦状を無理矢理揃えて送った。
ドキドキしながら返事を待ち、ある日帰宅すると、faxの機械から白い紙がペローンと垂れ下がって待っていた。
自動で紙がカットされるような便利なものでなく、自分の手でビリビリと破り取る、あの古い型だ。
破り取るのももどかしく、かぶりついて文面を見ると、やったあ、受かった!
あの小論文の意味が通じたようで本当に良かった、、、。
ホッ、、、。
ここで、Postgraduate Diploma コースを簡単に説明する。
イギリスでは、修士課程 はPostgraduate ともいう。
卒業論文を書いて、まともな成績を取れば、卒業して修士号 Master of Arts (MA) がもらえる。
一年でそれが出来る自信がなかった私は、何とか二年に延ばしてもらえないかと思った。
そこで、学部長が「Postgraduate Diplomaコース」を私のために開設してもいい (!) と提案してくれたのだ。
このコースは、BA(学士課程) の学生と一緒に授業を受け、レポートをたくさん提出したり、プレゼンテーションも時々あったり、語学センターにも通って英語力を高める努力をし、一年の最後に論文を書いて、それらすべてが認められれば Diploma がもらえる、というシステム。
そしてやっと翌年MAにあがれるのだ。
Diplomaは学士号でも修士号でもないので「うちの大学で勉強しました」という証明書がもらえるだけ。
それでも英語力が高まりそうなのと、その分野の知識が増えそうなので、その頃の私にはピッタリのコースだと思った。
説明が長くなったが、そんないきさつでロンドン郊外の大学で二年間学ぶことにした。
これがことの他ハードで、この最初の二年間を、英語力の無さをほかの色々なことでカバーしながら乗り切って、あれをやり遂げたのだから、と、今になってあの経験が自分の支えになっていると思う。
次回は新しい大学生活日記の、はじまりはじまり。
(もしこのブログを気に入ったら、下のアイコンをポチして下さいね。ありがとうございます!)
人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
以前のブログにも書いたが、元々ロンドン大学の二つのcollegeからMAコース(修士号)のオファーをもらっていたので、どちらかに決めなければならない。
ギリギリまで迷った。
その頃滞在していた、南ロンドンの危ないところにある大学は、中心街にも近く、芝居も好きなだけ観にいける。しかも、アート系が盛んなので、面白そうな学生もいて、エキセントリックな学生生活が送れそうな予感もした。
ロンドン郊外のもう一つの、お金持ちの子女や中流階級以上の学生が多い大学は、辺鄙なところにあるので、芝居を観に行くのも一苦労だし、雰囲気もかなりposh (よく言えば贅沢でエレガント、悪く言えばちょっとお高くとまっている)で、私が馴染めるかどうか。
でも結局このロンドン郊外の大学に決めた。
その理由は、二年間学べるように交渉できたから。
© rhul.ac.uk
アーティスティックな南ロンドンの大学は、泣いても笑ってもMAコースは一年間。
イギリスの大学は、基本的には学士課程は三年、大学院は一年。
当時の私の英語力で、高等教育のレベルで、一年間で一体何が学べるのか、はっきり言ってあまり期待できないということはわかっていた。
せめて二年あれば、、、。
そこで、両方の大学に日本からfaxで(当時はインターネットはまだなかった)、二年間勉強したい旨を、情熱を込めて書き綴って送った。
南ロンドンの大学からは、あっさり一言、無理、と言われて終わりだった。
が、ロンドン郊外の大学からは、当時の演劇学部の学部長から丁寧な返事が返って来て、「君の心意気はとても素晴らしい。君のために diplomaコースを作るから、応募してみなさい」
と言われ、かなり苦労して英語で二本小論文を書き、英語力テストを受け、必要書類と推薦状を無理矢理揃えて送った。
ドキドキしながら返事を待ち、ある日帰宅すると、faxの機械から白い紙がペローンと垂れ下がって待っていた。
自動で紙がカットされるような便利なものでなく、自分の手でビリビリと破り取る、あの古い型だ。
破り取るのももどかしく、かぶりついて文面を見ると、やったあ、受かった!
あの小論文の意味が通じたようで本当に良かった、、、。
ホッ、、、。
ここで、Postgraduate Diploma コースを簡単に説明する。
イギリスでは、修士課程 はPostgraduate ともいう。
卒業論文を書いて、まともな成績を取れば、卒業して修士号 Master of Arts (MA) がもらえる。
一年でそれが出来る自信がなかった私は、何とか二年に延ばしてもらえないかと思った。
そこで、学部長が「Postgraduate Diplomaコース」を私のために開設してもいい (!) と提案してくれたのだ。
このコースは、BA(学士課程) の学生と一緒に授業を受け、レポートをたくさん提出したり、プレゼンテーションも時々あったり、語学センターにも通って英語力を高める努力をし、一年の最後に論文を書いて、それらすべてが認められれば Diploma がもらえる、というシステム。
そしてやっと翌年MAにあがれるのだ。
Diplomaは学士号でも修士号でもないので「うちの大学で勉強しました」という証明書がもらえるだけ。
それでも英語力が高まりそうなのと、その分野の知識が増えそうなので、その頃の私にはピッタリのコースだと思った。
説明が長くなったが、そんないきさつでロンドン郊外の大学で二年間学ぶことにした。
これがことの他ハードで、この最初の二年間を、英語力の無さをほかの色々なことでカバーしながら乗り切って、あれをやり遂げたのだから、と、今になってあの経験が自分の支えになっていると思う。
次回は新しい大学生活日記の、はじまりはじまり。
(もしこのブログを気に入ったら、下のアイコンをポチして下さいね。ありがとうございます!)
人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ