この大学の語学センターのサマーコースは、今思えばなかなか充実していた。

実をいうと、ほんの数ヶ月、あるいは一年でも、語学学校に通ったからと言って英語力はたいして伸びない。
ほんの少し英語に慣れたり、現地での生活を体験する、くらいのものである。

この語学センターも同じようなものだったが、アート系の学部が多い大学だけあってか、授業内容はそこそこ面白かった。

photo:01


© gold.ac.uk

一度、プレゼンテーションを無理矢理させられたことがある。

当時はパワーポイントなどという優れものはないから、スライドをカチャカチャ入れ替えてのプレゼン。

江戸木彫の職人をしている友人がいて、しかもその頃趣味で能面や狂言面を彫り始めていたので、その面を写真に撮ったスライドを、何かに使うかも知れないと思い、何枚か持ってきていたので、それを使って日本の伝統芸能の話をかいつまんでプレゼンした。

(ちなみにこの彼は、今は野村家で面を彫らせてもらったり、外国でのパフォーマンスにも面を彫ったりと、活躍している彫り物師だ)

たかが語学センターの授業だったが、英語もさしてできないのに生まれて初めての外国語でのプレゼンだったので、前日の夜はかなり緊張して、何度もシミュレーションして、終いには疲れて知らないうちに眠りこけていた。

プレゼンは、一応無事に終わり、韓国から来ていた演出家にいたく気にいられて、突っ込んだ質問をされて、返ってこちらが勉強になったくらいだった。
中途半端な知識をひけらかしてはいけないと、肝に命じた一日。
ああ、恥ずかしい。

あの演出家は、韓国に帰って、今どうしているのだろう。

(もしこのブログを気に入ったら、下のアイコンをポチして下さいね。ありがとうございます!)

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ