ハバナ | だぁれもいない事務所でひとり、ゆったりまったり仕事中^^

ハバナ

とても懐かしい感じ。

ボーディングブリッジのない空港。
エアコンのないタクシー。
シャネルやルイビトンのない商店街。
クレジットカードが使えないホテルやレストラン。
マイクのないライブパフォーマンス。
楽しげに、しかし誇り高く働くバーのスタッフ。
街路や広場を照らすオレンジ色のナトリウム灯。
街角のあちこちからあふれ出す音楽。
アメリカとの半世紀以上にわたる断絶がもたらしたタイムスリップ。

そのアメリカとの関係が急回復し、アメリカンエアラインがマイアミから大量の観光客を送り込むようになっても、まだ到底追いつくことのできない失われた時間。

踊る人々。
歌いながら踊る人。
楽器を奏でながら踊る人。
ただただ踊る人。
誰もみな笑顔だ。

彼らを見ていると涙が出てくる。
涙が後から後から湧き出してくる。
理由はわからないけど泣きじゃくる。
笑いながら涙を流す。

先輩が歌う。
先輩が踊る。
汗を吹き出しながら踊る。
女性を誘う。
躊躇なく誘う。
男として踊る。

この街での主役は先輩たちだ。
誰もが先輩たちに敬意を持って接する。
先輩たちもそれに応える。

Mayores de la Vida!
僕も先輩たちに精一杯の拍手を送る。
いつしかそれはソンのリズムになっていく。