「春美!」

 

 

 

突然かっちゃんが手を挙げて、

1人の女の人を呼んだ。かっちゃんの彼女だ。

 

 

白っぽいジャケットに薄いピンクのスカート。

背も高くてスタイルもめちゃくちゃ良くて、

顔もビックリする位の美人だった・・・ガーン

 

 

「ごめんね和真あせる

 

「ああ、いいよ」

 

「皆さん初めましてニコニコ

 

「あ、はじめまして・・・」

 

「ど、どうも・・・」

 

 

 

男の子2人もかなりビックリしている様子。

 

明日香や加奈は呆然と言うよりも、

絶望感に近い顔をしていたし、

私もかっちゃんの彼女が出す圧倒的なオーラ?にただ苦笑いするしか、

出来なかった・・・・

 

 

 

「じゃあ先帰ってるね」

 

「おう」

 

「え、帰っちゃうんですか?」

 

「え?うんあせる

 

「いや俺が気まずいから汗

 

「そう?残念・・・」

 

「それじゃ、お邪魔しました~」

 

「いいえ~」

 

「じゃあね、和真ラブラブ

 

「うん」

 

 

 

正直、私は自分で自分の事をそんなにダメだと思っていません。

 

 

自信満々でいれるほど、

スタイルも顔も性格も良くないけれど、

周りの人に対して劣等感を覚えるほどではありません。

 

 

ただ、この時ばかりは劣等感だらけでした。

 

 

すっぴんでもいけそうな顔立ちなのにメイクはすごく上手だったし、

笑顔もすごくキレイで、

スタイルはもちろん服の着こなし方も上手で・・・ガーン

 

 

もし、帰らずに一緒に飲む事になってたら、

自分の劣等感がどんどん大きくなっていって、

立ち直れなくなりそうでした・・・ダウンダウンダウン

 

 

世の中には芸能人じゃなくても第一印象だけで周りを圧倒させる事の出来る、

スーパーレディ?っているものなんだなぁと・・・

 

 

 

 

 

私でさえ、そんな複雑な気持ちになっていたので、

かっちゃんを彼女から奪い取ろうと考えている明日香と加奈は、

かっちゃんの彼女が帰ってからほとんど喋らなくなりましたあせる

 

 

当の本人のかっちゃんにまで、

 

 

「大人しいね?どうしたの?」

 

 

なんて心配されてしまう始末。

 

 

当然気持ちは良く分かります。

あの彼女から奪い取るなんて・・・無理だということを自分の目で見たのですから。

 

 

 

 

木村君と宍戸君がかっちゃんを質問攻めにして、

普段自分の事をあんまり喋りたがらないかっちゃんが、

渋々答えた事をまとめると、

 

 

・私達より4つ年上の26歳。

 

・国立大学出身のエリートで会社も誰もが知ってる一流会社。

 

・料理が得意で週末は料理教室にまで通ってるとか。

 

・付き合ってまだ半年。

 

 

 

まさに完璧な女性・・・叫び

 

 

特に最後の 「付き合って半年」 っていうのは、

明日香と加奈にとっては大ダメージだったと思います・・・ドクロ

 

 

1番楽しい時期だもんねぇ・・・DASH!

 

 

 

 

 

結局、明日香VS加奈になるはずだったこの飲み会は、

かっちゃんの彼女の1人勝ちでしたクラッカー

ゴールデンウィーク前日の日。

 

 

この日は余程仕事が残っていない人は

定時には上がろうという各部署の上司が言ってくれて、

営業部の男の子達も早く終るらしく、

木村君が飲み会を企画しましたビール

 

 

中村君だけが仕事がかなり溜まっているみたいで

参加できないらしく、この日は7人で行きました。

 

 

もちろん女子4人の楽しみは明日香と加奈の対決!!

 

 

男の子達は仕事中は教育係の先輩に付きっ切りなので、

基本的には話しかけたりする事は出来ません。

 

 

だから明日香の告白以来、対決を直接目にするのは初なのですクラッカー

 

 

 

 

 

案の定かっちゃんは明日香と加奈に挟まれて、

序盤から集中攻撃・・・ガーン

 

 

明らかに好き好きオーラを出す明日香と、

それに戸惑ってるかっちゃんをさりげなくフォローする加奈・・・

 

 

事情を知ってる私からすればお互い作戦な訳で・・・

どっちもどっちなんですが・・・w

 

 

 

「明日香ちゃんって・・・もしかして・・・?」

 

「え?」

 

「桐谷の事好きなの?」

 

「さぁ?あの子みんなにあんな感じじゃない?」

 

「うん。確かに」

 

「そうかなぁ・・・」

 

 

さすがチャラ男の木村君。

早くも感づいていますべーっだ!

 

 

 

「いいなぁ・・・あいつは。女にはモテるし、仕事も出来るし」

 

「え?桐谷君って仕事できるの?」

 

「ああ、すげぇよ。まだ教育期間は期間なんだけどさ、

 何か1人だけ違う事やってるもん」

 

「へぇ~・・・・」

 

「こうやって飲んだりしてるとニコニコしてるだけの奴なんだけど、

 仕事中は席近いけど全然話しかけられないよ。

 何か雰囲気怖いし・・・」

 

 

 

意外!!!!

 

 

私の席は出入り口の近くだからトイレに行く時も、タバコの時も、

必ずみんな目の前を通るので、

もちろんかっちゃんも通ります。

 

 

かっちゃんはトイレの時も、タバコの時も、

ボーっとしながらいかにもやる気ありませんオーラを出して

歩いてるのでダメダメなのかと思っていましたあせる

 

 

 

「こないだある先輩と飲んだ時にハッキリ言われちゃったよ。

 『別にお前らが仕事が出来ないのは当たり前。

  桐谷が普通じゃないんだ。

  あれだけ飲み込みの早い奴は見たことない』ってさぁ・・・

 まぁ飲んだ席とはいえ応えたよ・・・」

 

 

 

すごい・・・

 

 

入社したてなのに先輩にそんな事言われてるなんて・・・

 

 

ちょっとかっちゃんを見る目が変わりました。

 

 

 

 

 

 

と、その時・・・

 

 

「わりぃ、ちょっと急用。帰るわ」

 

「え!?何で!?」

 

「何か彼女が家の鍵忘れちゃったみたいでさ。近くまで来てるんだって」

 

「え!?一緒に住んでるの!?あせる

 

「あぁ・・・まぁ・・・」

 

「近くまで来てるなら呼べばいいじゃん」

 

「はぁ!?えっ

 

「そうだよ。まだ7時過ぎだぜ?

 こんだけ人数いりゃ1人増えても変わらないし」

 

「ヤダよ!」

 

「じゃあせめて渡しに行くか取りに来てもらえよ。

 まだ帰るの早いだろー?

 別に約束してたわけじゃないんだろ?」

 

「まぁ・・・確かにそうだな。

 今日は飲んで帰るって言ってあるし。

 ちょっと電話してみる」

 

 

 

この男の子達のやり取りの時の明日香と加奈は、

魂の抜けたような顔でちょっと笑っちゃいましたあせる

 

 

 

結局、かっちゃんの彼女がお店まで鍵を取りに来ることに。

 

 

異常なまでに盛り上がる男の子達と、

妙に顔が引きつってる明日香と加奈、

不謹慎にもその状況を楽しんでるハル、

かっちゃんの彼女ってどんな人なんだろうとただ好奇心のある私。

 

 

いよいよかっちゃんの彼女が登場しましたひらめき電球

4月も下旬になって、ゴールデンウィーク前最後の土日。

 

 

明日香の呼びかけで女の子4人で飲む事になりました音譜

 

 

ちなみに男の子達は既に定時では上がれなくなっていて、

人によって帰り時間はバラバラらしいのですが、

残業も結構やっているみたいなので、

あんまりみんなで飲みに行くっていうのは難しい状況でした。

 

 

 

 

 

飲み会は会社の誰がどうとか、

仕事の愚痴とか色んな情報を共有する事から始まりましたべーっだ!

 

 

ウチの会社は女性は若い人がほとんどなのですが、

男性社員は若い人はほとんどいないのです汗

 

 

何と去年、一昨年の新卒採用の中で残っている男性はわすか2人・・・

 

 

20代後半や30代前半の男性社員は5,6人しかいないんです!!

 

 

あとはみんな40、50代のおじさんばかりw

 

 

だからかっちゃん達4人はみんなとても可愛がられているようですニコニコ

 

 

 

 

そんな話で1時間程話した後、

明日香が急にプライベートな話をしだしました。

 

 

「あ、私、彼氏と別れた」

 

 

当然、みんな興味があるのかないのかわからないですけど、

一応全員で「何で何で??」という感じで話に食いつくと・・・

 

 

 

「いや~何か急に冷めてきちゃって?

 私も就職してからちょっと忙しくなってきたし、

 あんまりめんどくさい事言われたりするとムカつくんだよね」

 

 

あ・・・それ私と同じ事思ってる・・・汗

 

 

 

 

「しかもちょっといい出会いもあったしさ・・・ラブラブ

 

「え!?そうなの!?」

 

「うんドキドキ

 

「・・・もしかして・・・」

 

「か、会社の人!?」

 

「うん・・・っていうか・・・カズ?」

 

「カズ・・・?」

 

「き、桐谷君!?」

 

「うんニコニコ

 

 

 

ビックリした・・・

 

 

 

確かに明日香の普段の行動からかっちゃんの事が気になってるのは

分かったけど、まさかこんなに早くカミングアウトしてくるとは・・・

 

 

 

 

「というわけで、加奈?

 これで堂々とカズに近づいてもいいわよね?」

 

 

 

これもまたビックリ・・・ガーン

 

 

 

実は経理の加奈もかっちゃんの事が気になっていたらしい。

 

 

私達4人は私とハル、明日香と加奈っていう感じで、

4人とも仲は良いんですけど、

何となく2人ずつでより仲良い感じなのです。

 

 

だから、ハルとは2人でカフェ行ったり、

今は買い物行ったりもするけど、

明日香と加奈とは今まで2人で何かしたことはないんですあせる

 

 

 

多分、加奈と明日香はかっちゃんの話題で盛り上がって、

お互いかっちゃんに興味があるって事が分かったのかも。

 

 

それで加奈は明日香が彼氏がいるのに、

そんな事を言っているのが納得がいかなかったのでしょう。

 

 

そうしたら明日香は本当に別れてしまったと・・・ダウン

 

 

 

確かに・・・正直、見た目は明日香の圧勝・・・

 

明日香は本当にオシャレだし、

自分の体のケアはすごくマメにしてる。

 

 

加奈は地味で・・・ちょっとキレイとは言えないかも汗

 

 

 

でも性格は明日香よりも加奈の方がいいと思う。

 

 

見た目も性格も人それぞれだから

何とも言えないのだけど・・・かお

 

 

 

 

明日香のこの告白で加奈はやりづらくなったはず・・・

 

 

 

何よりこれで 明日香VS加奈のかっちゃん争奪戦が始まるのですクラッカー