エイジ780

目の前の敵と戦っていた俺の視界にカカロットが苦戦している姿が映った。

 

ベジータ「・・・チッ!カカロットめ」

(ドラゴンボール超98話より)

あんな犬相手に何、手間取っていやがるんだ。

 

俺がカカロットに加勢するわけではない。

 

これはバトルロワイヤルでチーム戦だ。

 

第7宇宙は最後まで勝ち残らなけりゃ意味がないんだ。

 

最終的に俺がカカロットを倒すとしても

 

俺が最後まで勝ち残ったとしても

 

数で他の宇宙に劣っていたら宇宙ごと消滅して地球もろとも消えちまう。

 

こんな早い段階でカカロットが脱落したら

 

第7宇宙は戦力的にも苦しくなるのは目に見えている。

 

戦ってみて分かったが48分で全員を場外へ押し出す事は困難だ。

 

中には悔しいが俺たちよりも下手すりゃビルスよりも強い戦士もいることは確かだ。

 

戦略を練らないとまずそいつを倒すには不可能だろう。

 

カカロットが脱落して戦力が落ちるのは避けたいところだ。

 

だから、仕方なく、カカロットの代わりに俺があの犬どもを倒してやろうじゃないか。

 

決して共闘するんじゃない。

 

もたもたしているカカロットがいけないんだ。

 

こんな事で、地球を消滅させてたまるものか。くそったれ!!

 

 

 

そしてベジータは悟空が取り囲まれているデンジャーズ・トライアングルの輪の中に飛び込んだ。

 

 

 

 

回想~

 

ブルマ「・・・ベジータ」

 

ベジータ「そんな不安な顔するな」

 

ベジータたちはテラスで悟空の帰りを待っていた。

 

ブルマ「・・・本当に孫君、フリーザを連れてくるのかしら」

 

ベジータ「多分な・・・10人揃わないとその時点で失格になるようだからな」

 

ブルマ「そしたらこの地球も消滅しちゃうのかしら」

 

ベジータ「そんなことはさせない・・・しかし、まさかあのフリーザと再会することになろうとはな・・・ずっと地獄に居ればいいものを。カカロットも余計な事をしやがって・・・」

 

ピッコロ「ベジータ・・・フリーザを殺すなよ」

 

ベジータ「フン、あいつがおとなしくしてたらな。何かしでかそうとした瞬間にどうなるか分からんがな」

 

ピッコロ「・・・まあ、ビルスとウイスもいることだろうし、フリーザといえど破壊されてはたまらんだろうからおとなしくはしてるだろうがな」

 

ベジータ「そうだといいがな」

 

ブルマ「ベジータ、無茶はしないでね」

 

ベジータ「お前に手出しした時点でぶっ殺してやる!俺は2度も殺し損ねたからな・・・今度こそはこの手で葬ってやる。幸い、殺してしまっても・・・近くに補欠が待機しているようだから、失格にはならんだろう。戦力は別として・・・」

 

ブルマ「え?」

 

ピッコロ「・・・いないよりかましかと思うが、戦力だけみればフリーザの方が第7宇宙に勝氣はあることは心にとめておけよ。ベジータ」

 

ベジータ「・・・そんな事は分かってる」

 

ピッコロ「貴様が強化したばかりの精神と時の部屋をまた破壊したほどパワーアップを果たした力を試したい氣持ちはわかるがそれは力の大会で発揮してくれ」

 

ベジータ「フン・・・生憎、完成させる前に壊れてしまったがな・・・」

 

ピッコロ「・・・まったくサイヤ人という奴は貴様も悟空も、底がしれんな・・・」

 

 

 

そして悟空たちがフリーザを連れて戻ってきたあと、何とかその場は勃発せずに終わったが、無の大会に移動する瞬間までベジータはブルマから目を離さなかった。

 

物陰にいるヤムチャの氣を感じながら、すぐに勝利して戻ってくればいいだけだと言い聞かせ、抱き締めたかった衝動を抑えながらベジータは皆と輪になって消えていった。

 

ブルマ「ベジータ・・・地球を・・・私たちを守ってね・・・」

 

 

ブルマ・・・お前はいつだってそうだ・・・俺をこんな氣にさせる。

 

さっきだって・・・本当に・・・誰もいやしなかったら・・・

 

いくらでも抱いてやりたいくらいだった・・・。

 

誰にもお前を・・・

 

地球を・・・俺の家族を守るのは・・・俺だ・・・俺のブルマ・・・。

 

 

 

 

 

 

現在〜

 

確かに犬3匹の同時の攻撃はやっかいだった。

 

逆に一気にカタを付けた方が体力が温存出来そうだ。

 

 

ベジータ「ファイナル・・・」

 

悟空「かめはめ波!!」

 

 

ちっ!カカロットも同じ事を考えていやがった。

 

まあ、結果的にカタがついたからそれはそれで良しとしよう。

 

 

こうして第9宇宙は全員脱落したのだった。

 

 

 

 

そして未来のトランクスの世界で見た光景を・・・

 

今度は目の前で第9宇宙の全員が一瞬にして消滅した。

 

 

ベジータ「な・・・!!」

 

クリリン「・・・マジかよ」

 

 

一瞬にしてその会場のいた全員が天使を除いて凍り付くのを感じた。

 

天津飯「正に命がけって事か・・・」

 

亀仙人「笑えない冗談のようじゃな」

 

悟飯「・・・こんなにあっさりとは・・・ビーデルさん・・・パン・・・」

 

ピッコロ「悟飯、今は試合に集中しろ!!氣を抜いたら、もう2度と会えなくなるぞ!!それはあいつらだって同じだ」

 

悟飯「そ、そうですね。条件はみんな同じなんですもんね。特にベジータさんは昨日ブラちゃんが生まれたばかりなんですから・・・」

 

ピッコロ「そうだな。勝手にといいながらいざとなったら真っ先に孫と共闘して勝星を確実にものにしているところをみるとあいつも必死だ。相手に関係無く全力で迎え撃つところも・・・。俺も負けられんな。悟飯、俺はお前のカバーに徹する」

 

悟飯「はい!!」

 

戦士はそれぞれ氣の引き締めて戦闘を開始したのだった。

 

ベジータ「フッ!!容赦なく・・・消滅って訳か!!上等だ!!受けてやるぜ!!このベジータ様が!!生き残りを賭けて勝ち抜いてやる!!絶対に!!俺の全身全霊をかけて消滅なんかさせるものか!!・・・あの部屋で完成出来損ねたあのゴッドの技を・・・一瞬にして・・・溜めた氣を放出したあの超化を・・・あの御技なら神を超える・・・一か八か・・・万が一の時には実践するのみだ・・・それまで体力と時間配分が重要だ・・・俺はサイヤ人の王子だ・・・今度こそカカロットよりも遙か先に上にいってみせる・・・!!俺には守りたいものがあるんだ!!誰にも負けないくらいのな!!」

 

ベジータの拳に力がこもった瞬間だった。

 

 

ベジータ「ブルマ、俺は生き抜いてお前に逢いにいく・・・」