エイジ780

ブルマは急いでドラゴンボールを集める旅に出ていた。タイムリミットは刻々と迫っていた。

ブルマ「確か・・・この前、最後の願い事は言わずに龍神は消えたから願い事は1つ残っているはず。何気に地道に集めておいて本当、良かったわ。あと一星球だけだからこの距離ならなんとか間に合いそうね・・・」

ブルマは車を走らせながら力の大会が終わるまでに7つのドラゴンボールを集め、龍神に願い事を叶える為に必死だった。しかし、その願い事自体、叶えてくれるかは定かでは無かったが、動かずにはいられなかったのだった。





回想〜
ブルマ 「ねえ、ちょっと、それ、どういう事?」

ウイス 「あら、ブルマさん・・・今の話、聞かなかった事にしてください」

ブルマ 「聞かないも何も、その話が本当なら、負けたら消滅・・・」

ビルス 「だから負ける訳にはいかないんだよ」

ブルマ 「み、みんなは知っているの?」

ウイス 「戦士では悟空さんと悟飯さん、あとサタンさんが知っているだけです。余計な不安感を与えてプレッシャーになっても不利なだけですから」

ブルマ 「そんな!!」





そして、力の大会が始まる時間は早朝の5時だった。何も知らされていなかったベジータは大会が始まる一時間前までブルマとベッドを共にしていたのだった。

そして、ブルマは本当の事を伝えられずにいた。




ベジータも出産したばかりのブルマをしばらくは抱く事は出来ないだろうと思っていたが、ウイスの介入でブルマの体調も体型も出産前の状態だった為、夜、互いに触れ合った途端、その衝動を抑える方が困難だったのだ。ただでさえ、出産予定日を大幅に越えてオアズケ状態だったベジータにとってはこのまま、また力の大会に参加する前にブルマとの夜の時間は不可欠であったのはいうまでもなかった。

そしてブルマが必要以上に求めてきたのを感じてはいたが、それは久しぶりのせいかとベジータは思っていたのだった。


ブルマ 「もう、行っちゃうの?」

ベジータ 「・・・なんだ?まだ足りないのか?」

ブルマ 「そういう訳じゃないわよ」

ベジータ 「力の大会が終わったら、嫌って言うほど抱いてやるからそれまで待ってろ」

ブルマ 「・・・」

ベジータ 「何、不安な顔をしてるんだ?」

ブルマ 「だって・・・」

ベジータ   「今回のルールは殺しも無しだし、場外になったら負けのバトルロイヤル方式だから、死にやしない」

ブルマ 「・・・そうよね。絶対、勝ってね」

ベジータ 「出るからには勝つつもりではいるがな。しかし・・・お前がそんなこというなんて珍しいな」

ブルマ 「ブラもいるから、強いパパを見せたいじゃない」

ベジータ 「なら、大会に優勝したら願い事は何がいい?」

ブルマ 「・・・何も。貴方とトランクスとブラとこの幸せな時間が続く事が一番だわ」

ベジータ 「・・・ブルマ、何かあったか?」

ブルマ 「あ、違うの。ここ、ずっとベジータが側に居てくれてたから、それが当たり前になっちゃってて、離れるのが寂しく感じたのよ。その大会には私は行けないし・・・」

 

ベジータは身支度を始めていた。

 

ベジータ 「大会は始まったら48分で終わるんだ・・・」


ブルマもパシャマを着ると窓の外を眺めていた。

ブルマ「・・・」
 

ベジータ「大会が終わったらすぐ戻ってくるから」

ベジータは戦闘服に着替えた。


ブルマ 「今日は雨なのね、だから、外が暗いわ。まるで夜みたい・・・」

ベジータ 「そろそろ、みんなが集まる頃だ。ブルマ・・・」


ベジータはブルマを抱き締め、優しくキスをした。

ブルマ 「ベジータ・・・」

ベジータ 「行ってくる。すぐに戻ってくるから。・・・ブラを頼んだぞ」 

ブルマ 「いってらっしゃい。戻ってくるの待っているから」

ベジータ 「ああ・・・」

そして、ベジータは部屋をあとにしたのだった。



ブルマ 「・・・これが最後の別れになりませんように・・・」



旅立つベジータのうしろ姿を見送ったブルマは、急いで出掛ける用意をした。

 

ドラゴンボールレーダーを片手に・・・。

 

 

10人の戦士たちが

 

力の大会で戦っている間

 

ブルマも必死で自分の出来る事の可能性に賭けたのだった。

 

 

そして・・・

 

ブルマ「いでよ。龍神!!そして願いを叶えたまえ」

 

龍神「さあ、願いを言え!どんな願いも叶えてやろう。残りはひとつだ」

 

ブルマ「私の叶えたい願いはひとつだけよ・・・それは・・・・」