エイジ780

悟空はCC家への本日、3度目の来訪だった。

 

そして今度はビルスや悟飯たちまでブルマの元に押しかけていたのだった。

 

ブルマの家でビルス一行は豪華な食事を用意させ、作戦会議を開こうとしていた。

 

 

 

ベジータは悟空を呼び出していた。

 

ベジータ「どういうつもりだ、カカロット、何しに来やがった!!」

悟空「いや・・・作戦会議を・・・」

 

ベジータ「ブルマはもうすぐ子供が生まれると言っているだろ!!そんな話し合いは余所でやりやがれ!!」

 

悟空「いや・・・ビルス様がブルマの所でやりたいと指定してきたものだから・・・」

 

ベジータ「どいつもこいつも・・・人の妻をなんだと思ってるんだ!!」

 

悟空「そりゃ、ブルマだ」

 

ベジータ「だから!!おまえらがこんな時期のブルマに何、させやがるんだ!!」

 

悟空「文句ならビルス様に言ってくれよ・・・」

 

ビルス「・・・何、騒いでるんだ?」

 

ベジータ「ビルス様・・・あ、あの、なんでブルマが大変な時期にわざわざ・・・」

 

ビルス「こっちも大変なんだよね。さっきの話を聞いたよね?・・・宇宙が消滅しちゃうかもしれないんだもんなあ」

 

ベジータ「しかし・・・それはそもそもカカロットが・・・」

 

ビルス「そう!サイヤ人のせいでな!ベジータ、お前もサイヤ人なんだし・・・しかも王子でもあったんだよなあ」

 

ベジータ「カカロット!!貴様という奴は!!余計な事を!!」

 

悟空「いや、けどよ。ぜってえ 外せねえんは やっぱ おめえだ ベジータ」

 

ベジータ「こんな時にしゃあしゃあと反省も無く言える神経が信じられん!!」

 

悟空「宇宙無くなっちまったら元も子もねー・・・宇宙残す為に一緒に戦ってくれよ」

 

ベジータ「・・・断る!!」

 

ビルス「・・・ほう?」

 

悟空「ブルマも赤ん坊も・・・負けたら消えちまうだぞ!!ベジータ」

 

ベジータ「もし・・・仮に俺が参加して勝つという保障があるのか?」

 

ウイス「先ほどの試合も悟空さんは五分五分というところでした」

 

ベジータ「第7宇宙のランクは下から2番目だったな・・・その試合の間に身重のブルマを一人にさせておいてその間に生まれたら・・・そして万が一、敗退したらもう2度と会えずに消滅してしまうんだろ」

 

ウイス「まあ・・・そういうことになりますね」

 

悟空「勝てばいいだけの話しだ、ベジータ!」

 

ベジータ「生憎だったな、カカロット。俺は魔人ブウの時に嫌っていうほどの後悔を味わったんだ。そんな生チョロい甘い考えなど通用せん。これが最後かもしれない平和なんだろ?」

 

ビルス「まあ、その為に最後の晩餐をここに選んだ理由でもあるがな」

 

ベジータ「なら・・・俺は参加しない」

 

悟空「参加しねえ?!」

 

ベジータ「ブルマの赤ん坊が生まれるんだ!!誰がなんと言おうと俺は・・・」

 

ビルス「・・・僕が参加しろって言っても出ないのか?」

 

ベジータ「あ・・・当たり前だ!!これだけは譲れない!!今度こそはブルマに側にいるって約束したんだ!!」

 

ビルス「宇宙が消滅するかもしれんぞ」

 

ベジータ「消滅するなら尚更だ!!戦いの中で生まれる赤ん坊を見ずに消滅するくらいなら、ブルマの側に寄り添って共に消滅する方を俺は選ぶ!!俺にはそしてブルマだってこの今の時が一番大事なんだ!!俺はもう2度と過ちの選択はしない!!そう決めたんだ!!」

 

ウイス「・・・ベジータさん・・・師匠として感動しましたよ、さすがです。まさかここまで言い切ってくれるとは」

 

悟空「・・・いや・・・うすうすわかったけどここまでの発言は初めて聞いたぞ」

 

 

ビルス「ウイスは己に害がないからなんとでもいえるよねえ・・・ベジータ、確かに今の言葉は切々と君の気持ちは痛い程、わかったけど・・・僕も戦士を選びたいんだよね。より生き残れる方に・・・・破壊神に逆らうと・・・」

 

ベジータ「は!!脅しか?!俺を破壊するとでも言うのか!!そんな事してみろ!!ブルマが黙っちゃいるわけない!!」

 

ビルス「!!」

 

ウイス「まあ・・・確かにそうですね。ブルマさん、ああ見えてもちゃんとベジータさんとのお二人の間に赤ちゃんが出来たくらいですから・・・晩餐どころじゃなくなりますね」

 

ビルス「・・・それは・・・」

 

ウイス「じゃあ、ベジータさん、こうしましょう。ブルマさんの赤ちゃんが生まれるまではベジータさん、側にいて下さい。それで試合が始まってしまったらベジータさん抜きで、そして生まれてまだ、試合が始まってなかったら参加するってことでどうですか」

 

ベジータ「・・・それは」

 

ウイス「赤ちゃんの未来がみたいとは思いませんか」

 

ベジータ「・・・そ、そうだな」

 

ウイス「じゃあ、決まりですね。ビルス様」

 

ビルス「ああ・・・」

 

 

 

 


 

そしていきなり拍手喝采が巻きおこっていた。

ベジータが人目を憚らず、叫んでいたため、周りに人が集まっていたのだった。

 

悟飯は思わず、駆け寄ってベジータの前にいた。

悟飯「・・・ベジータさんのブルマさんへの愛に感動しました・・・僕、例えベジータさん抜きでも試合に勝てるようにスタメンとチームワークを強化して作戦を立てますので安心してブルマさんの側にいてください!!絶対、生き残って見せます!!僕もお二人の赤ちゃんが見れるように頑張りますから!!」

 

悟飯はベジータの手を取って、涙ぐみながら語っていた。

 

ベジータ「お、おう・・・」




そして、それを見ていたブルマがやはり、涙に溢れてた。

 

ブルマ「・・・ベジータ・・・」

 

ベジータ「・・・ブルマ」

 

ブルマ「あんた・・・まさかみんなの前でそんな事、言ってくれるなんて・・・」

 

 

ウィス「さあ、ベジータさん、ブルマさんの側に居てあげて下さいね」

 

ブルマ「私、元気な赤ちゃんを産むからね。ちゃんと見守っててね」

 

ベジータ「・・・ああ、約束だ」

 

 

 

こうして、第7宇宙はみんなの更なる絆が深まって、この平和な時間を守っていこうと決心を固めたのだった。