ある赤い惑星の地層には時を超える事が出来る石が存在していた・・・。
そしてその石は人を選ぶ・・・
選ばれし者だけがその石を操れる・・・
ただ・・・
神々の世界でさえ、タブーとされる時を行き来する行いは災いをもたらす
別の世界が増え、均衡が壊れる・・・
時の行き来は三度目迄は世界の修復が可能だが・・・
それを超える時の移動はその世界の消滅の運命を辿る・・・
それが例え正しい行いであってもすべては無に帰す・・・
回想〜
エイジ737
ビルス「うーん、やっぱり・・・あの惑星は破壊だな」
ウイス「では、これから出掛けますか?ここからですと31分ほど掛かりますが・・・」
ビルス「えーっ、そんなにかかるの!!・・・面倒だな・・・そろそろ昼寝したいしなあ・・・あー、そういえば、あいついたよね」
ウイス「フリーザさんですか?」
ビルス「そうそう、奴に言っといて。僕が昼寝してる間に破壊しておくようにって」
ウイス「理由は?」
ピルス「言う必要はないだろ・・・いつもの氣まぐれだと思わせておけ」
ウィス「はい、わかりました」
石は持ち主を選び・・・その惑星から辛うじて消滅を免れ・・・
時を経て・・・更に持ち主を変えたのだった・・・
エイジ765
ブルマ「あら?これは?」
ベジータ「あ?」
ブルマ「グローブの内側に内蔵されてるブレスレット?!・・・随分、キレイな造りの宝石ね」
ベジータ「あ・・・お前、取り外せたのか?!」
ブルマ「え?ええ、グローブをどんな素材か見ようとして裏返したら、出てきたわよ」
ベジータ「・・・そうか。・・・ああ、そういう事か・・・」
ブルマ「え?・・・もしかして大事なもの?ベジータってアクセサリーつける雰囲気じゃないと思ってたけど案外おしゃれなのね」
ベジータ「・・・いや。それは・・・」
ブルマ「この石の裏側に刻まれてるのはなんかのマーク?」
ベジータ「・・・惑星ベジータの王家の紋章だ・・・」
ブルマ「え?じゃあ、大事なものなんじゃない?でも・・・この宝石の素材ってなんなのかしら。色はサファイヤみたいな感じだけどかなり固そうで、輝きも数倍高いわね」
ベジータ「惑星ベジータでは珍しくない鉱物だったが・・・ただ、加工した石は人を選ぶと言われている。しかも高温多湿のマグマの側にしか発掘できないから地球では手には入らないだろうな」
ブルマ「ふうん・・・きれいな色ね」
ベジータ「・・・氣に入ったのならお前にやる」
ブルマ「・・・でも・・・紋章がついてるなら大事なものなんじゃ・・・」
ベジータ「もう惑星ベジータはとっくの昔に消滅したんだ・・・それにお前ならその素材が氣になるだろう?・・・戦闘服を完成させた礼の代わりにやる」
ブルマ「・・・まあ・・・氣になる素材ではあるけどね・・・只の宝石には見えないし・・・」
ベジータ「俺も詳しくは知らんが・・・その石の名は【SpacetimeStone】・・・」
ブルマ「時空・・・石?」
ベジータ「言い伝えでは時間を超えることが出来るらしい・・・但し、その石を操る事が出来るのはその王家の紋章の者だけらしいがな」
ブルマ「へ?・・・じゃあ、私は対象外じゃん・・・」
ベジータ「・・・まあ、そういう事だ・・・只、この細工をお前は外せたからな・・・」
ブルマ「細工も何も、グローブを裏返しただけよ」
ベジータ「俺以外、その細工を解除出来る奴はいなかった・・・」
ブルマ「じゃあ、言い伝えはアテにならないって事?」
ベジータ「・・・いや・・・そうでもないかもな・・・」
ブルマ「え?・・・え!!あ!!それって・・・」
ベジータ「・・・口にするな!!」
ブルマ「あんたとHしたから!!」
ベジータ「・・・!!」
ブルマ「そういうことでしょ!!」
ベジータ「本当に品がないな・・・。真実かどうかは知らんがな」
エイジ778(DB超3話)
ビルス「ウイス・・・そういえば惑星ベジータは完璧に消滅したんだったな」
ウイス「でも、ベジータ王子は生き残っていますがね」
ビルス「・・・ふうん、だとするとあの石はまだ存在するのか?」
ウイス「さあ・・・ベジータ王がこちらの動きを察知してたらの話ですがね」
ビルス「事もあろうに・・・僕に向かってあの王は本氣になりさえすれば時間さえ操る事が出来ると抜かしやがった・・・」
ウイス「あの紋章は時空の鍵と同じ形をしてましたね。まさかとは思いましたが、惑星ベジータにある鉱石は時空を惑星ごと超える事の出来る量がありましたからね。秘密裡に消滅させるには人間同士の愚かな争いが都合が良かったからフリーザをけしかけた・・・」
ビルス「しかもあの鉱石は使う者を選ぶ・・・惑星ベジータでも王族しかあの石は扱えない代物だ・・・」
ウイス「惑星ごと消えたのなら・・・たとえ王子がその石のかけらを持っていたとしても時空を超えるだけの量はないはずですが・・・」
ビルス「まあ、確かにそうだな。一度行った地球にはマグマの側に同じ石があったが、あそこにいる人間はそこまで高度な技術はないだろう・・・」
ウイス「ベジータ王子が地球で生存してます」
ビルス「奴はそれを使おうとする人間なのか?」
ウイス「さあ・・・」
ビルス「超サイヤ人ゴッドも気になるし・・・ベジータ王子も関係があるのかもしれんな。まあ・・・時間があったら確かめに行くか・・・」
エイジ779(DB超27話)
ビルス「ベジータは・・・例の物は所持してなかったらしいな」
ウイス「そうですね。上手く修行をしに来させて、しばらく観察してみましたが身に付けてはいませんでしたね。多分、細工でもしてるものをお持ちかと思いましたが・・・意外と自分の惑星の事は無関心のようで・・・」
ビルス「ベジータ夫人にでも渡したのかもな・・・」
ウイス「そうですね。石自体は綺麗に加工すればジュエリーとして充分発揮できるものですが・・・」
ビルス「流石に夫人を監禁して聞き出す訳にも行かないからなあ・・・まあ・・・仮に持っていたとしてもベジータはあの石の使い方は知らないようだし・・・問題はないか・・・」
回想〜
エイジ737(惑星ベジータが消滅する一週間前)
ベジータ王 「これをお前にやろう」
ベジータ王子 「?」
ベジータ王 「これは安易に人にみせるものではないぞ。王家の印の特別な石だ。腕を出せ」
ベジータ王子 「王よ、こんな仰々しいものを付けて戦うことは出来ません」
ベジータ王 「手袋をはめてみろ」
ベジータ王子 「あ!」
ベジータ王 「まるでつけていないみたいになるだろう。そのブレスは細工が施されている。王家の血筋の者以外は外すことは出来ない」
ベジータ王子 「これは何なのですか?」
ベジータ王 「時空を司る石とでも言っておこう。いずれ、お前が王を継ぐ時に使い方を伝授しよう」
ベジータ王子 「時空?・・・時を支配するのですか?」
ベジータ王 「わしもまだ動かした事はないがな。石が人を選ぶ。それとそれが扱える者は王家以外では、王家の血筋の者と契りを交わした者だ。まあ、もっとも今のお前にはまだ関係ないことだったな」
ベジータ王子 「契り・・・?」
ベジータ王 「それも大人になればわかることだ。いずれお前の妃候補となる者だ」
ベジータ王子 「そんな者は戦闘の邪魔になるだけだ」
ベジータ王 「だからまだ先の話だ」
エイジ780(DB超68話)
ビルス「やはりベジータ夫人が持っていたのか。じゃなければ、未来の世界でタイムマシンなんて完成しなかっただろうに・・・」
ウイス「いいんですか。あの石を取り上げなくても」
ビルス「細工された石だけではタイムマシンを動かす力はない。同じ石を集めなければ問題はないだろう。それにあれだけ釘をを刺したからもう時を弄ろうなんて思わんだろう」
ウイス「ビルス様も変わられましたね・・・」
ビルス「あの夫人には美味しい物を提供して貰えるからね」
ウイス「未来のブルマさんは本当に必死だったんですね。あの石を加工してタイムマシンを作ってしまったんですから・・・」
ビルス「ベジータ王子が生きている世界を創りたいってやっぱり狂気の沙汰だ。自分の世界が変わるわけないのに・・・」
ウイス「でも、まあ、この世界もブルマさんがいなかったら存在してなかったんですし・・」
ビルス「・・・」
ウィス「それに・・・こちらの世界ではちゃんとあの石は大事に仕舞われたままのようですしね」
ビルス「もう一つの石の特性が発揮されてるという訳か・・・」
エイジ790
トランクス「ママ、これ、何?」
ブルマ「あら、こんなとこに仕舞ってたんだ・・・」
トランクス「随分と大きな変わったデザインのジュエリーだね」
ブルマ 「うーん、あんたにあげるわ。大事にしなさいよ」
トランクス 「へ?、いきなり何だよ!」
ブルマ 「それね、ベジータからもらったのよ」
トランクス「パパに?」
ブルマ「ほら、ここに惑星ベジータの王家の紋章がついてるでしょ」
トランクス 「え?これが・・・」
ブルマ 「何でも時を越える石なんだって」
トランクス 「へー」
ブルマ 「あら、意外と冷静なのね」
トランクス 「まあ、どうみても男物のブレスだもんね」
ブルマ 「それだけ?」
トランクス 「これ、パパのお父さん、おじいちゃんから受け継いだものなんだよね。惑星ベジータの形見なんだよね・・・」
ブルマ 「まあ、そうね」
トランクス 「じゃあ、俺がもらって将来、俺の息子が出来たら渡せばいいって事なんでしょ」
ブルマ 「もう、次に渡す事、考えてるの?」
トランクス 「だって、時を越えるって代々引き継ぐって意味でしょ?」
ブルマ 「あ、そっか、そう考えるのか」
トランクス 「え、他に何があるのさ」
ブルマ 「ううん、あんたの言う通りだわ」
トランクス 「最近、カプセルコーポレーションの事ばっかで、ちょっとうんざりしてたんだ」
ブルマ 「何いってるのよ、今はあんたが社長なのに」
トランクス 「だからだよ。パパの事も本当は知りたかったんだ。俺だって半分はサイヤ人だし、惑星ベジータが滅んでなかったら俺は今頃、惑星ベジータの王子だったんだよな。なんかそっちの方が面白そうだったな・・・」
ブルマ 「そんなこというけど、惑星ベジータがあったらあんたは生まれてなかったかもしれないわよ」
トランクス 「そうかな。ママの事だから、パパと別の方法で出会ってたかもしれないじゃん」
ブルマ 「そ、そうかしら」
トランクス 「パパにこの石の事、聞いてみるよ。ありがとう、ママ」
ただ・・・この石はその者と自然の流れる時を共にしたならば・・・
その一族は永遠の繁栄をもたらす・・・
本来あるべき石の力は・・・
時空を超えて行き来し、時間を支配することではなく・・・
時を経て共に歩むこと・・・築くことで・・・
その血筋が絶える事無く・・・永遠に引き継がれることを意味する・・・。