エイジ765
(ドラゴンボールより)
重力室を壊すのは何度目だろう・・・
サイレンの音で駆けつけたブルマが文句を言いながら、コントロールパネルのメインコンピューターのハッチを開いて修理していた。
もう少しで超サイヤ人になれるのではないかというくらいの氣の集中が続いてその瀬戸際で氣が乱れた瞬間に重力室の電力が一気にショートして落ちたのだった。
非常用ライトが点灯して、薄暗い重力室でランプを横に置いて空調が止まった空間でブルマの息づかいと機械を弄る音がやたら響いている。
ベジータはしばらく床に転がったまま、高ぶった氣を沈めながらその様子を見ていた。
空調が止まったせいで息苦しい暑く感じる薄明かりの室内でブルマの額から流れる汗が首から胸元へ・・・顎から太腿に落ちる雫が・・・それを拭う汗ばんだ腕が・・・ベジータの芯を高ぶらせていく。
氣付いた時にはベジータをブルマの真後に立っていた。
作業に没頭してるときのブルマの集中力は抜群でベジータに氣が付かないくらい一点を見つめて細かい線を繋いでいた。
普段、見せないブルマの真剣な表情にそそられるように、ひとつつなぎ終わったタイミングでベジータは耳元で囁いた。
ベジータ「・・・ブルマ」
ブルマ「うわっ!!!び、びっくりするじゃない!!」
ベジータ「終わったのか?」
ブルマ「ま、まだよ。あと2つ・・・」
我に返ったブルマは室内が暑い上に、それ以上に熱い体温のベジータが後ろにしっかりと近い距離にいることでドキリとして慌てた途端、ベジータの腕の中に囲まれている自分に動揺する。
ベジータ「そうか・・・あとどれくらいだ・・・?」
耳元で囁く声にピクンとブルマが反応したのを見るとベジータは唇を耳に触れ、後ろから抱き締めていた。
ブルマ「あ!!ちょ・・・」
ベジータがブルマに触れると室内の温度と薄暗い照明のせいなのか、ベジータに感じやすい耳を舌で這わせられ、汗ばんだシャツを捲られて露わになった両胸を掴まれて互いに妙な氣持ちになっていく。
ベジータ「こっちも修理した方が良さそうだな」
ブルマ「ど、どこに手を入れてるのよ」
ベジータはブルマのそこに手を触れるとしっかりと反応していた。
ベジータ「・・・なんだ?・・・お前の方こそ、その氣になってたのか?」
ブルマ「ば、馬鹿言ってるんじゃないわよ。この室内が暑すぎるのよ。」
ベジータはゆっくりとブルマの中心へ指を差しれていた。ブルマはベジータの手を押さえつけようとしたが、身体が敏感に感じ、思わず身体が仰け反る。
ベジータ「おい・・・この音が聞こえないのか?本当に・・・節操ないのはどっちだ」
ベジータはブルマの反応を楽しんでいた。
指から滴り落ちそうになる雫に満足して更にブルマを攻め続ける。
ブルマ「これ以上はやめてよ」
その言葉を無視して背後に密着し、おもむろに自分のそれをむき出しにして背後からブルマのそこへ触れた。
ベジータ「ほら、作業を続けろ。お前はこれが欲しかったんだろ。そのまましてやるから手は止めるな」
ブルマも背後から責められる感覚に快感を増し、反応が良かったせいもあってか、そのまま突き上げられて最後まで達してしまうほど互いに身体の相性が良かったのだ。
ブルマ「あ・・・そんなに激しくしないで」
ベジータ「・・・この方がいいんだろ?身体の締め付けが強くなってじゃないか」
ブルマ「手が・・・動かせなくなる」
ベジータ「お前はプロなんだろ?早く修理をしろよ」
ブルマ「中途半端に止めないでよ」
ベジータ「・・・ちゃんと修理したら続きしてやるよ」
ブルマ「あっ。腰が動いちゃうからちゃんと抑えてて・・・」
ベジータ「・・・下品な女だな。ほら、もっと脚広げろ。奥まで入れてやるから」
ブルマ「ああ!!キスして」
ベジータ「ったく・・・これがいいのか?」
ベジータは背後からブルマに舌を絡ませて激しく抱きしめた。
ベジータもブルマを欲しくて堪らなくなっていた。
ブルマ「ああ・・・ベジータ」
ブルマも作業どころではなくなっていた。
ベジータ「いくぞ・・・いいな」
ブルマ「あ!!」
汗だくになりながらの行為もベッドの上とはひと味違う新鮮さで欲情を掻き立てた。
最初の頃の女に興味がないんじゃないかと思えるくらいのガードの堅さはまるで嘘のように肌を重ねる度に的確にブルマの性感の急所を突いてきて大胆になってくる。
最近では誰も邪魔されない場所だと強引に抱いてくる事もしばしばで、ブルマも誰にも心を許さないベジータがこの時に時折触れる感情が伝わってそれが愛おしい。
この瞬間は互いだけ感じてひとつになる心地よさに身を委ねる。
一度覚えた蜜の味は深みに填り、身体のあらゆる箇所が相手を記憶して刻まれる。
触れる指先が絡む舌が混じり合う雫が熱を帯び、ぴったりと吸い付くような肌と段々と速くなる擦れ合う音と荒く乱れる呼吸が頂きへ昇り詰める。
光に包まれたような錯覚に二人の気は弾けた。
ベジータ「修理はしておけよ」
ブルマ「途中で中断させたの誰よ」
ベジータ「お前が欲しそうにしてたからだ」
ブルマ「そっちがやりたくて仕方なかったんでしょ」
結局、その日はこのあと汗だくになった身体をシャワーで流した後、ベッドで2ラウンド目に突入してしまうくらいだった。
重力室が壊れたこの日はちょうどベジータは2日くらい重力室に籠もりきりの修業で、ブルマは出張帰りでややストレスを溜めていた状態での出来事だったのだ。
ブルマ「まさか、出張から帰って来た早々・・・壊すなん・・・」
ベジータ「・・・」
ブルマ「ねえ、聞いてるの?」
ベジータ「・・・」
ブルマ「やることだけやったらさっさと寝ちゃうなんて。凄く失礼な奴!!」
ブルマは寝間着を羽織りながらベジータに目を落とした。
回想〜
悟空「おう、ブルマ。久しぶりだな」
ブルマ「あら、孫君。西の都に来るなんて珍しいわね」
悟空「いや〜、ちょっと確認したいことがあったんだ」
ブルマ「何?」
悟空「うーん・・・やっぱ、聞きづれーな・・・ピッコロに聞いたらそろそろだって言ってたな・・・かといって、未来が変わってもやべーしな・・・」
ブルマ「何、さっきから独り言、言ってるのよ」
悟空「おう、ベジータ、元気してるか?」
ブルマ「え?ええ、超サイヤ人になれなくて苛ついてたりはしてるけど馬鹿がつくほど修業に熱心でそっちゅう重力室とか壊してんのよ。あいつ」
悟空「そっか・・・」
ブルマ「あ、そうだ。孫君はどうやって超サイヤ人になれたの?」
悟空「へ?!おらの時は圧倒的な強さのフリーザがクリリンに手を掛けたときブチッときて身体の奥から物凄い怒りが湧きだしてって感じだったかなあ」
ブルマ「怒りならベジータもありそうだけどそれだけじゃなれないってことかしら」
悟空「やっぱ・・・穏やかな心が必要らしいからな」
ブルマ「そうね・・・とても穏やかな心で修業はしてないわね。どっちかっていうと自分を追い詰めて説破詰まった感じよね・・・」
悟空「それを聞いてどうするんだ?ブルマ」
ブルマ「え?あんまり一生懸命だからこっちが見てられないくらいだし、ちょっとでもなれるヒントがあればと思って・・・」
悟空「それで、なんとなくか?」
ブルマ「ええ?!な、何、言ってるのよ!!急に!!」
悟空「ブルマ、顔が真っ赤だぞ。でぃしょうぶか?」
ブルマ「い、いきなり顔、近づけないでよ!!驚くじゃない!!」
悟空「顔、赤くするから熱でもあるかと思ってさ。昔はパンパンした仲じゃねぇか」
ブルマ「もう!!あの時は人が寝ている間にあんたが勝手にやったんじゃない!!パンツ脱がして!!」
悟空「今はしねえぞ!!」
ブルマ「今、したら犯罪よ!」
悟空「おっ!羽根?」
ブルマ「え?!」
悟空「ブルマん髪に羽根が付いてるぞ。とってやっからじっとしてろ」
ブルマ「どこ?」
悟空「なんでぃ、いっぺいついてるなあ」
ブルマ「ああ・・・羽根枕ね。起きたときに冗談で羽根枕投げつけたら枕ごと破壊よ。手加減はしたらしいけどおかげで部屋中羽根だらけでいい迷惑よ」
悟空「へえ、あの・・・ベジータが」
ブルマ「あ!!これはね、色々と・・・」
悟空「なあ、ブルマ。おらもサイヤ人だけど小せい頃から仲間に恵まれて楽しくやってこれたんだよな、けど同じサイヤ人のあいつは仲間も殺しちまう程、ずっと孤立してただろうし、今も地球でたった独りで心から氣を許せる仲間もいない。性格は悪い奴だろうけど憎めないとこあるし、ブルマが見守ってくれたら悪さもしねえと思えるんだ」
ブルマ「孫君・・・」
悟空「ベジータの事はブルマに任せたからな。おめーがいればあいつも超サイヤ人になれるさ・・・きっと」
ブルマ「孫君がそんなこというようになるなんてね。まるで知っていた素振りよね」
悟空「あはは、まあ、じゃあ、おら、そろそろ帰るわ。ベジータの事、よろしくな」
ブルマ「孫君もチチさん大切にね」
悟空「おう」
現在〜
ブルマ「別に・・・孫君に言われた訳じゃない・・・」
ヤムチャと別れたのは長すぎた春で・・・
恋人と思っていたのは私の勘違いでヤムチャは誰にでも優しかった・・・
それがどうしても哀しかった・・・・
科学者の才能をいつも褒めてくれるヤムチャが悪いというわけでもない・・・
賛美が欲しくて科学者になったわけでもない・・・
物を生み出す瞬間の張り詰めた緊張、覆される数式、理論、何度も何度も試行錯誤して
天才と言われる所以は何度も失敗を繰り返した結果の産物。
常にその作業に没頭するときは誰にも邪魔されず孤立して取り込む。
・・・ベジータは他の男達と違った・・・
誰も寄せ付けず、距離を置き、自分を追い詰めて修業に取り組んでいた。
勢いで飛び込んでみたものの、誰にも優しくない・・・
誰にも優しさをみせないのだから期待することもない・・・
ただ・・・抱かれているときは普段隠している感情が溢れ出し切なくなるほど暖かい。
科学者としての更なる上を要求する男も初めてだった。
私の才能を信頼し、更に私が高みへと成長できるのだと疑わない。
科学者としての私を認めさせることがこれほど嬉しいことなのか初めてだった・・・
ベジータは・・・これからどうするつもりなのだろう?
私は・・・この男を愛している・・・・
幾つもの交差した分岐点で私は彼に出会い、・・・2度目の恋はどんな結果を導くのだろう。