エイジ780
精神と時の部屋から帰ってきたベジータは暫しの間、ブルマとベッドで抱き合っていた。
ベジータ「・・・お前、徹夜しただろう・・・?」
ブルマ「・・・え?あら、そうだったかしら」
ベジータ「あれほど無理をするなと言ったのに・・・」
ベジータは愛しそうにブルマにキスすると優しく抱きしめた。
ブルマ「そういう貴方だって、相当無理をして精神と時の部屋から戻ってきたみたいだけど・・・」
ベジータ「もうブラックとは次で終わらせるつもりだ」
ブルマ「・・・私もそのつもりだから準備万端にしたかったのよ。私も行くからには向こうでも私がやれることはやるつもりよ」
ベジータ「・・・ったく。俺が言っても聞かないんだからな」
ブルマ「それはお互い様」
ベジータ「それもそうだ・・・俺も好きにやらせてもらうからな」
ブルマ「今度は自信ありそうね、ベジータ」
ベジータ「当たり前だ。やられたままではいられないからな。今は俺がカカロットより上だ」
ブルマ「・・・さすが、サイヤ人の王子様」
ベジータは自信を取り戻していた。
精神と時の部屋の入り口を壊すほどのパワーで相当の腕を上げていた。
ブルマはベジータを見上げて、指でベジータの唇をなぞった。
ベジータは這わせられたブルマの手を軽く噛んで口に含んだ。
そのブルマの指をゆっくり舐めるとその濡れた手が離れて、ベジータの頬へ移動した。互いに顔が近づき、今度は二人の唇が重なりあった。
長く深いキスを・・・互いの舌が絡み合い、深い呼吸をするように相手のすべてを感じていた。それは包み込まれていくように溶けて混じわり熱い想いが止めどなく溢れていくように全身に感電していく。
まるで自分たちの周りの時が止まったかのような長く深いキスだった。
ゆっくりと互いの唇が名残惜しげに離れた。
ベジータ「・・・ブラックとの戦いになるまでは俺から離れるなよ」
再び相手を求めるかのように熱く触れあい、互いの肌の感覚を細胞が記憶させるかのように二人は深く密着して抱きしめ合っていた。
ブルマ「・・・ベジータ」
ベジータは精神と時の部屋でギリギリの時間まで修業をするつもりだったが、ベジータの急激なパワーアップの膨れ上がった氣でその空間が耐えきれず壊れてしまったのだ。神の神殿が半分崩壊するほどのパワーを身につけていた。ブラックより明らかに上に行けたと思えたベジータは予定の時間より早くブルマの元へ戻ってきた為にブルマとの時間が出来たのだった。
ベジータ「そろそろ、カカロットが戻ってくるな・・・。ブルマ、早く服を着ろ」
ブルマ「・・・え?」
ベジータ「・・・また、どうせ瞬間移動でここにくるつもりだろう。」
ベジータが素早くブルマに服を羽織すと同時に悟空が二人の前に瞬間移動してきた。
悟空「あ・・・わりぃ」
ベジータ「貴様、何度言ったらわかるんだ。ダイレクトに瞬間移動してくるな」
悟空「いや・・・まさかこんな状況下で・・・いちゃついてるとは思ってもみ・・・」
ベジータ「・・・こんな状況下だからだろう。ブルマ、早く支度をしろ」
ベジータは開き直っていた。ブルマをバスルームへ促したあと、ベジータも支度を始めた。
悟空「ベジータ、相当、パワーアップしたみてーだな。だからその余裕かぁ」
ベジータ「なんとでも言え!要は結果を出せばいいんだろ?」
悟空「そりゃそうだ」
ベジータ「それより貴様の方は大丈夫なんだろうな?」
悟空「ああ、ばっちりさ」
ブルマが支度を終え、バスルームから顔を出した。
ブルマ「それより、孫くん、そのさっきから大事そうに持っている壺は何?」
悟空「ああ、これかぁ?ザマスたちを閉じ込める壺だ」
ベジータ「あいつらの棺桶か?・・・ふっ!あいつらにはお似合いだな」
そして出発の時刻、みんなが見守る中、ブルマは庭にタイムマシンを出した。
ブルマ「さあ、最後の決戦よ。ベジータ、孫くん、頼んだわよ」
悟空「おう。・・・ブルマ、おめえもやっぱ来るのか?」
ベジータ「当たり前だ・・・ブルマも大切な戦力だ。俺たちをしっかりサポートしてくれる」
ブルマ「ベジータ・・・」
ベジータ「・・・だから、こいつは俺が守る」
ベジータはそういうとブルマを抱きかかえてタイムマシンに乗り込んだ。
ピッコロ「・・・おい、孫。ベジータの奴、開き直ったな」
悟空「・・・ああ、精神と時の部屋で相当強くなって帰ってきたみてーだ。今の実力はおらより上だろうな」
ピッコロ「ふっ!大した自信だ。これならうまくいくな。不死身の方は孫が担当か?」
悟空「そういう事みてーだ」
ベジータ「カカロット!!早くしろ!トランクスが待っている!!」
悟空「おう!」
ピッコロ「孫!貴様、壺を忘れているぞ!」
悟空「わりぃ・・・また、忘れるとこだった。助かった、ピッコロ」
悟空はタイムマシンに壺を持って乗り込んで、3人は未来へ出発した。
ベジータ「何、やっているだ!!カカロット!貴様、やる氣がないのか!!」
ブルマ「孫くん、ほら、身に離さず壺かかえて居なさいよね。ベジータみたいに!!」
ベジータ「おい・・・ブルマ、余計な事をいうな」
さすがのベジータもブルマにまで言われて顔が赤くなっていた。
それでもベジータはブルマを離す事はしなかったのだ。
悟空「おめーら、本当、仲いいな。そんなくっつぃてばかりいると子供出来るじゃねーのか」
ブルマ「い、いやね。孫くん、そんなわけないじゃない」
内心焦りながらブルマまでつられて赤くなっていた。
ベジータ「カカロット!人の事ばかり言ってないで自分の心配をしろ!魔封波を放つ前にせいぜいやられないようにしやがれ」
悟空「ベジータ、そう熱くなんなよ。大丈夫だって」
ブルマ「あ、そうだ、孫くん、これ、飲んで」
ブルマは悟空にポケットから出したドリンクを渡した。
悟空「なんだ?ブルマ」
ブルマ「酔い止めよ。着いた途端にブラックに遭遇したら大変でしょ」
悟空「おう、サンキューな。氣が効くな」
ブルマ「前回、着いた途端、大変だったじゃないの。このブルマ様に抜かりはないわよ」
ベジータ「さすが俺の妻だ」
ブルマ「あら、褒めてくれた」
悟空「ブルマ・・・ベジータ、そっちゅう、おめぇの自慢ばっかりしてるぞ」
ベジータ「・・・カカロットも余計な事、言うな」
ベジータは顔が赤くなりながらも否定はしなかった。
もうそんな事はどうでもいいと思えるようになっているほど二人の仲は深まっていた。
そして、3人はトランクスの待っている未来へ向かったのだった。