エイジ780
ザマス「次はお前たちの番だ」
悟空を倒したブラックとザマスはベジータとトランクスに対峙した。
トランクス「ブラックは俺がやります!・・・父さんはザマスをお願いします!」
ブラック「たいした決意だ、トランクス」
トランクス「黙れ!貴様が悟空さんの身体を使ってやってることはただの人殺しだ!」
ブラック「ふ、そうかな。俺よりもお前の方がはるかに大きな罪を犯しているのだ」
トランクス「罪?!」
ブラック「トランクスよ、俺が人間を抹殺すべきだと断じた理由の一つはお前なのだ。お前は過去を変えたことであらたな時の指輪を生んだ。これこそがお前の罪の証。過去と未来を行き来するのはもう何度目だ?」
ザマス「我々は知っている。おまえは神々のタブーを人間の身でありながら犯し続けた」
ブラック「トランクス、お前は心臓の病で死ぬはずだった孫悟空を救ったな。やつが歴史通り死んでいれば俺はこの肉体を求めることもなかった」
ザマス「だがお前のために歴史は狂い、歪んでしまった。この世界を作ったのはお前なのだ。この事態は全てトランクス、お前が!」
ブラック「更に加えてお前たち人間の・・・」
ブラック、ザマス「タイムマシンなどというおごりが招いたものに他ならない!」
精神的攻撃がトランクスの心に響く。
ベジータ「聞くな!トランクス」
すかさず、ベジータがフォローに入る。
ザマス「トランクス、お前は罪人だ!」
ブラック「お前の愚かな選択が」
ザマス「私の正義に火をつけて人間0計画を走らせた!」
ブラック「よって地球人はお前が殺したも同然!」
トランクスは抑えていた怒氣を爆発させた。
トランクス「俺は…みんなを助けたかっただけだー!!!」
俺のいる世界は、悟空さんが病で倒れた以外、みんな殺された。父さんも悟飯さんもみんな。
俺以外、戦士はみんな殺されたんだ!!
みんなが生きている世界を望むのは罪と言うのか?!
ただ、平和を望む世界が罪というのか?!
トランクスがブラックに突っ込んだ。しかしブラックには全く歯が立たずに倒れてこんだ。
ザマス「時間に触れることは神の特権。それを乱す輩は粛清あるのみ。」
ベジータ「・・・神を殺し、人間を殺し、貴様が言う理想の世界とはなんだ?」
ザマス「人間には理解できぬ・・・」
ブラック「気高く美しい世界だ」
その言葉を聞いて、トランクスは今までにない怒りがこみ上げてきた。
な、なんだと、すべてを破壊し、神も人間も殺しつくした廃墟の世界の何処が気高く美しい世界なんだ。それがお前らの理想か!!!
そんな世界なら最初からいらない!
哀しみ苦しむみんなの前でそれが罪だからと黙って見てられるか!!
俺は間違っていない!!
・・・俺の世界はずっとこんな世界だった。平和な時間なんて過ごしたことはなかった。
俺は過去に行って、死んだ悟空さんや父さん、母さん、そしてみんなに会えたんだ。その過去の世界はすべて幸せな世界だった。
俺が手にいれたくてもいれられなかった幸せな世界がそこにあったんだ。
父さんも悟飯さんも死なずに家族を心から愛してる姿がそこにあった。
もう一人の俺も仲のいい父さんと母さんの元で俺にはなかった愛情を受け取っていたんだ。
そんな世界を望んで何が悪い。
何が人間ごときでとかタブーとか言えるんだ。
それが罪なのか!!!
それなら、それが罪なら俺は俺は・・・・
トランクス「罪と呼ぶなら呼ぶがいい!!!!」
トランクスの怒りが頂点に達した。光の柱が立ち上ぼり、地面がひび割れた。
金色のオーラの中にブルー光が宿った。髪は激しく逆立ち、地面が揺れた。
トランクス「ブラック!貴様は・・・貴様は・・・貴様はオレがやる!」
トランクスは覚醒した。それは今までにみたことのない超化だった。
俺の世界は・・・悟空さんが病で倒れ
・・・俺が物心つく前に18号らに父さんたちが殺され、師匠だった悟飯さんも殺され・・・
そして母さんまでブラックに殺された・・・
もう・・・これ以上の犠牲はもう沢山だ!!
トランクスはブラックを圧倒した。激しくバトルが続いていた。
しかし、二人を相手では勝算は難しかった。
この世界で長い間、苛酷な状況で闘い続けてきたトランクスにとって平和な時間は、過去の世界に行った時だけだった。
本当なら、自分の世界が平和で幸せな時を誰よりも望んでいた。
俺は、過去の世界に行くまで、父さんを写真でしか見たことがなかった。
俺が物心がついた頃には師匠と呼べる人は悟飯さんしかいなかった。
悟飯 「トランクス、希望だけは捨てるな。必ず、道は開ける。どんなことがあっても諦めちゃ駄目だぞ。将来、平和な時代がきて、幸せな家庭が築ける日がきっとくる。本来なら君の稽古をつけるべき人は君のお父さん、ベジータさんなんだろうけれど、もう自分と君しかいないから、俺はみんなから引き継いだ戦いを全力で教えるから辛いだろうけれど付いてきて欲しい。ベジータさんはきっと君ならやれるだろうと思っていたと思うよ。トランクス、君が希望なんだ。ベジータさんは5歳の時、故郷の惑星と両親を亡くしている。だからきっと地球や家族を二度も失いたくないと思っていたと思う・・・」
今、この俺の世界に、過去の別の世界の父さんと母さんがいる。俺が・・・いや、殺された俺の母さんが望んでいた世界だ。
このままでは、父さんがいる世界が無くなってしまう。
トランクス 「罪人だったらなんだ、俺はこの世界を守る」
トランクスは魔閃光で二人を足止めした。
トランクス 「今です、父さんは悟空さんを連れて過去へ帰ってください。奴らは俺が食い止めます!!だからその間に父さんたちはあいつらを倒す方法を!」
ベジータ 「バカ野郎!!、お前、一人、置いて帰れるか!」
トランクスはこの言葉を聞いてもう充分だった。自分がそうあって欲しいと思う別の世界の父さんが俺に態度で・・・言葉で俺に本当の息子として接してくれている。
トランクス 「父さん、早く」
父さんたちが戻ってくるまでは、俺はこの世界を何としても守りぬく・・・・
それが、逝ってしまったみんなに俺が託された希望なのだから・・・
俺がそれを誰よりも望んでいるのだから・・・