エイジ780
いつもブルマには驚かされる。
突然、時が止まった・・・ような氣がした。
あいつの提案はいつも俺の想像を超える。
そして今回もご多分に洩れず、あいつは言い切ったのだ。
ブルマ「私も行くからね」
その一言でみんなは一斉にブルマを見た。
あまりの突然のブルマの発言で空気が固まった。
悟空「おめーも?」
ブルマ「あんたたちじゃ帰るときに操縦できないでしょ。いいから任せなさいって。私も未来、見てみたかったしね」
あいつの一度言いだしたら考えを変えることはしない性格は熟知している。
危険すぎる・・・そんなことを言っても、もう俺のいう事を聞く耳なんて持ち合わせてはいないだろう。
定員を遥かに超えるであろうタイムマシンにブルマは無理やり乗り込んだのだった。
回想~
最後の晩餐になるかもしれない夕食時に悟空が呑気な事を言うのを黙ってられず、ベジータは口を挟んだ。
ベジータ 「策のないまま、戦うのは危険だ・・・次は負けるわけにはいかんのだ。今のままではトランクスの未来は救えん・・・」
思わず、手に力が入ってベジータのフォークは折れていた。
万が一、未来が変わっていなかったら、次は確実に死ぬかもしれん。
トランクスを勿論一人では未来には行かせられない。だが・・・。
ベジータはブルマを見た。
正直、もうブルマと離れたくなかった。
しかし・・・俺は覚悟を決めなきゃならない。
絶対に生きてここに戻ってくるしか選択の余地がない。
本当にビルスのいうように未来が変わっていたらいいだけの話だ。
夕食を済ませたみんなは席を立って庭へ移動していた。
ベジータはそのまま難しい顔をして考えこんでいた。
ブルマ 「・・・ベジータ」
ベジータ 「心配するな。未来がどうなっているかを確認するまでトランクスを一人にはさせないからな」
ブルマ 「私が心配するのは・・・」
ベジータはブルマに優しくキスをした。
ベジータ 「・・・俺もお前やトランクスを残して逝くつもりはない。必ず戻ってくるから安心しろ」
ベジータはブルマを安心させる為、根拠のない自信を口にした。
ブルマ 「・・・そうね。約束よ」
ブルマは素直に笑顔を返してベジータに抱きついていた。
この温もりが最後になるかもしれない。
ベジータは何も言わず強く抱き締めていた。
ブルマ 「そろそろ私もみんなが未来へ行く準備しないとね。食料や水とかまた必要よね。・・・トランクスの上着も作ったのよ」
ベジータ 「さすがだな。抜かりはないな、俺の妻は」
ブルマ 「あら、褒めてくれて嬉しいわ」
ブルマはそういうとラボへ必要なものを取りに行った。
ベジータはその後ろ姿を見つめていた。
ベジータ「・・・もうあいつと触れ合う事も最後かもしれんな」
昨日、朝まで激しく抱いたブルマの身体が深く互いに刻まれているくらいベジータは今、抱き合った温もりを肌で感じていたのだった。
いよいよ出発前になり、トランクスが未来へ一緒にベジータを誘う事は予想はついていたし、勿論断る理由もなかった。
だが、ブルマがタイムマシンに乗り込んだ時にはさすがに動揺した。
それは誰もがそう思ったに違いなかった。誰が好き好んで危険を晒すかもしれない未来へ行きたがるのだ。
昔からのブルマの旧友の楽天的と言える悟空でさえ、心配のあまりブルマに口を挟んだのだった。
悟空「おめー・・・来なくていいってば」
ブルマ「だめ」
ベジータ「言っても無駄だ、カカロット」
さすがにブルマと夫婦であるベジータはこうなった場合止めることはできないと悟っていた。
狭い空間の中で3人がブルマを守る形で乗り込んで、ブルマはベジータの側に何気に寄り添って話しかけた。
ブルマ「さすがよくわかってるわね、ベジータ」
ベジータ「当たり前だ・・・何年夫婦やっていると思っているんだ」
ブルマ「トランクスの未来、一度見たかったのよね」
トランクス「呑気な事、言わないでくださいよ、母さん」
ブルマ「どんな時でも人生楽しまないとね」
ベジータ「いいか、ブルマ、向こうについたら絶対、俺から離れるなよ。そして戦いが始まったら安全なところで見てるんだぞ」
ブルマ「あら、戦いは見てていいんだ」
ベジータ「安全な所へ隠れていろって言ってもお前は聞くわけないからな」
ブルマ「そうするわね。ちゃんと守ってね」
ベジータ「お前がむちゃをしなきゃな。・・・もうこうなったらどんなことがあっても守るしかないしな」
もうベジータには選択の余地はなかった。ブルマがベジータについてきた。それだけでもう充分だった。もう引き返すことはできない。本当に馬鹿な女だと・・・そしてそれが俺の妻なのだと自覚した。
もう離れたくないと思ったのはベジータだけではなかったのだ。
昨日、瀕死の状態で戻ってきたベジータと一夜を共にして・・・ブルマも同じ氣持ちだった。
もう残されて未来から帰ってくるかどうかわからないベジータを待つくらいなら共に行動したかったのだ。
例え、その場所がどんなに危険だったとしても・・・
二人は自然と手を繋いでいた。もちろん、二人以外には見えない角度でしばらくの間だったが、もう二度と離れる事はないのだ。
そんな二人の様子を感じながら、トランクスもマイに早く会いたくなっていた。
トランクスももう二度とマイを離したり躊躇ったりしないと心に誓った。
ブルマ「へぇ~、こうなってんだ」
ブルマはキラキラと好奇心の目で異空間の移動を見つめていた。
トランクス「もうすぐ到着です」
その頃、悟空はタイムマシン酔いで吐きそうになるのを必死に堪えてそれどこではなかったが、手立てがあるわけでもない未来の戦地に向かいながらそこには見えない希望が確かに存在していた。
もう恐れる事はない・・・側に決して離したくない存在がいるだけでどんな事でも越えることが出来そうな感情が込みあげていたのだった。
ブルマ「いつも一緒よ・・・ベジータ」
ベジータが振り返るとそこにはいつもブルマがいたことを思い出していた。
いつもブルマには驚かされる。
突然、時が止まった・・・ような氣がした。
あいつの提案はいつも俺の想像を超える。
そして今回もご多分に洩れず、あいつは言い切ったのだ。
ブルマ「私も行くからね」
その一言でみんなは一斉にブルマを見た。
あまりの突然のブルマの発言で空気が固まった。
悟空「おめーも?」
ブルマ「あんたたちじゃ帰るときに操縦できないでしょ。いいから任せなさいって。私も未来、見てみたかったしね」
あいつの一度言いだしたら考えを変えることはしない性格は熟知している。
危険すぎる・・・そんなことを言っても、もう俺のいう事を聞く耳なんて持ち合わせてはいないだろう。
定員を遥かに超えるであろうタイムマシンにブルマは無理やり乗り込んだのだった。
回想~
最後の晩餐になるかもしれない夕食時に悟空が呑気な事を言うのを黙ってられず、ベジータは口を挟んだ。
ベジータ 「策のないまま、戦うのは危険だ・・・次は負けるわけにはいかんのだ。今のままではトランクスの未来は救えん・・・」
思わず、手に力が入ってベジータのフォークは折れていた。
万が一、未来が変わっていなかったら、次は確実に死ぬかもしれん。
トランクスを勿論一人では未来には行かせられない。だが・・・。
ベジータはブルマを見た。
正直、もうブルマと離れたくなかった。
しかし・・・俺は覚悟を決めなきゃならない。
絶対に生きてここに戻ってくるしか選択の余地がない。
本当にビルスのいうように未来が変わっていたらいいだけの話だ。
夕食を済ませたみんなは席を立って庭へ移動していた。
ベジータはそのまま難しい顔をして考えこんでいた。
ブルマ 「・・・ベジータ」
ベジータ 「心配するな。未来がどうなっているかを確認するまでトランクスを一人にはさせないからな」
ブルマ 「私が心配するのは・・・」
ベジータはブルマに優しくキスをした。
ベジータ 「・・・俺もお前やトランクスを残して逝くつもりはない。必ず戻ってくるから安心しろ」
ベジータはブルマを安心させる為、根拠のない自信を口にした。
ブルマ 「・・・そうね。約束よ」
ブルマは素直に笑顔を返してベジータに抱きついていた。
この温もりが最後になるかもしれない。
ベジータは何も言わず強く抱き締めていた。
ブルマ 「そろそろ私もみんなが未来へ行く準備しないとね。食料や水とかまた必要よね。・・・トランクスの上着も作ったのよ」
ベジータ 「さすがだな。抜かりはないな、俺の妻は」
ブルマ 「あら、褒めてくれて嬉しいわ」
ブルマはそういうとラボへ必要なものを取りに行った。
ベジータはその後ろ姿を見つめていた。
ベジータ「・・・もうあいつと触れ合う事も最後かもしれんな」
昨日、朝まで激しく抱いたブルマの身体が深く互いに刻まれているくらいベジータは今、抱き合った温もりを肌で感じていたのだった。
いよいよ出発前になり、トランクスが未来へ一緒にベジータを誘う事は予想はついていたし、勿論断る理由もなかった。
だが、ブルマがタイムマシンに乗り込んだ時にはさすがに動揺した。
それは誰もがそう思ったに違いなかった。誰が好き好んで危険を晒すかもしれない未来へ行きたがるのだ。
昔からのブルマの旧友の楽天的と言える悟空でさえ、心配のあまりブルマに口を挟んだのだった。
悟空「おめー・・・来なくていいってば」
ブルマ「だめ」
ベジータ「言っても無駄だ、カカロット」
さすがにブルマと夫婦であるベジータはこうなった場合止めることはできないと悟っていた。
狭い空間の中で3人がブルマを守る形で乗り込んで、ブルマはベジータの側に何気に寄り添って話しかけた。
ブルマ「さすがよくわかってるわね、ベジータ」
ベジータ「当たり前だ・・・何年夫婦やっていると思っているんだ」
ブルマ「トランクスの未来、一度見たかったのよね」
トランクス「呑気な事、言わないでくださいよ、母さん」
ブルマ「どんな時でも人生楽しまないとね」
ベジータ「いいか、ブルマ、向こうについたら絶対、俺から離れるなよ。そして戦いが始まったら安全なところで見てるんだぞ」
ブルマ「あら、戦いは見てていいんだ」
ベジータ「安全な所へ隠れていろって言ってもお前は聞くわけないからな」
ブルマ「そうするわね。ちゃんと守ってね」
ベジータ「お前がむちゃをしなきゃな。・・・もうこうなったらどんなことがあっても守るしかないしな」
もうベジータには選択の余地はなかった。ブルマがベジータについてきた。それだけでもう充分だった。もう引き返すことはできない。本当に馬鹿な女だと・・・そしてそれが俺の妻なのだと自覚した。
もう離れたくないと思ったのはベジータだけではなかったのだ。
昨日、瀕死の状態で戻ってきたベジータと一夜を共にして・・・ブルマも同じ氣持ちだった。
もう残されて未来から帰ってくるかどうかわからないベジータを待つくらいなら共に行動したかったのだ。
例え、その場所がどんなに危険だったとしても・・・
二人は自然と手を繋いでいた。もちろん、二人以外には見えない角度でしばらくの間だったが、もう二度と離れる事はないのだ。
そんな二人の様子を感じながら、トランクスもマイに早く会いたくなっていた。
トランクスももう二度とマイを離したり躊躇ったりしないと心に誓った。
ブルマ「へぇ~、こうなってんだ」
ブルマはキラキラと好奇心の目で異空間の移動を見つめていた。
トランクス「もうすぐ到着です」
その頃、悟空はタイムマシン酔いで吐きそうになるのを必死に堪えてそれどこではなかったが、手立てがあるわけでもない未来の戦地に向かいながらそこには見えない希望が確かに存在していた。
もう恐れる事はない・・・側に決して離したくない存在がいるだけでどんな事でも越えることが出来そうな感情が込みあげていたのだった。
ブルマ「いつも一緒よ・・・ベジータ」
ベジータが振り返るとそこにはいつもブルマがいたことを思い出していた。