エイジ778

こうした日々になるのにどれくらいの歳月を要したのだろう。

ベジータ「・・・ブルマ」

ベジータが後ろから抱きついて服の中のブルマの肌に触れている。

敏感に反応するブルマの身体が仰け反る。

そのまま、二人は寝室のベッドに倒れ込んでいた。

いつの間にか、服は脱ぎ捨てられ、甘い吐息が漏れ、至福の時間が流れている。




回想~
数時間前・・・

ベジータが人前で我を忘れるくらいブルマの名を叫んだのは初めてだった。


ベジータ「俺の・・・俺の・・・俺のブルマに何しやがる!!!」


そして、破壊神のビルスに向かっていった。

悟空でさえ、ビルスに触れることさえ出来なかった相手にベジータは数発ヒットさせたのだった。






現在~

二人ベッドの中で戯れて、肌を合わせた時にブルマが意地悪く聞く。

ブルマ「ねえ、昼間、言った言葉、もう一度聞きたいわ」

ベジータ「・・・忘れた」

ブルマ「うそつき・・・」

ベジータ「・・・こうしているんだから・・・もういいだろ」

ベジータはブルマの腰を引き寄せ、互いの熱くなる体温が感じられるくらいに密着し、更に息が荒くなって鼓動が早くなっていた。

もう溜まらずベジータの芯がブルマの中心へ奥深く入り込み、溶けていくような感覚に襲われていた。

ブルマ「あ・・・」

もう互いの事しか見えなくなっているくらい愛おしくてどうしようもない二人だけの深く切ない感情に支配されていた。そして、互いの唇も相手を求め、舌を絡めて触れ合う。

ブルマ「聞かせて・・・」

ブルマが甘く耳元で囁いて身体全身で絡めていく。ブルマの柔らかいしなやかな肌がベジータの引き締まった身体にまとわりついてなんとも言えない感覚に襲われた。ブルマは憂いた目でベジータを見つめてベジータの首に手を回してした。

ブルマ「ねえ、私の誕生日なんだから・・・ベジータ、お願い・・・」

これでもかというくらいとろけそうな声で囁いて、ベジータ自身に深く締め付けて息が詰まりそうになっていた。

これ以上、抗うことが出来なくなるくらい氣分が高揚してブルマ以外の事が考えられなくなりそうになっていく。

ベジータ「ああ・・・」

独占欲に支配され、もう誰にも触れさせるものか、傷つけさせるものか、そんな想いが込みあげてくる。

ベジータ「・・・俺の・・・ブル・・・マ」

もう言わないつもりだったのに、思わず、口に出して言ってしまった。


ブルマ「ベジータ・・・私も貴方だけよ」

ブルマがベジータの唇にキスをして引き寄せる。


言葉にした途端、今まで自覚していなかった自分の感情があふれ出してくるのがわかった。

目の前にいるブルマをベジータはこんなにも愛おしかったのかと思えるくらい激しくキスを交わしていた。

ベジータ「ああ・・・俺もだ・・・俺の・・・」

互いに上り詰めた感情が二人の意識を遙か遠くへ連れていく勢いだった。

ベジータ「・・・ブルマ」

二人の交わった氣は大きく弾けた。


 
しばらく放心状態だった・・・今日は色んなことがありすぎた・・・。

呼吸が落ち着き、意識がはっきりしていく中で・・・ベジータはさっきの自分の言ってしまった言葉を思い出して、顔が赤くなってくる。


俺は何を言ったんだ?!一度ならず二度までも・・・

思わず、ベジータはブルマに背を向けた。

ブルマは背を向けたベジータに幸せそうに背中から手をまわして抱きついていた。

ブルマ「ベジータ、愛してるわ」

ベジータ「・・・ああ」

なんとか返事だけ返したものの、ベジータは冷静になればなるほど、まともにブルマを見ることは出来なかった。

自分の抑えていた感情がこんな形で表面化してその感情が自分でもコントロールできないくらいに大きく育まれていたのだった。自分でも驚くくらいその想いはこんなにも深く、狂うのではないかと思えるほど愛おしかったのだ。




寝静まったブルマの寝顔を見つめながら、ベジータは身体を起こし溜息をついた。

ベジータ「・・・参ったな」


もう自分の氣持ちに嘘がつけないことを自覚したベジータだった。

ブルマと出会ってどれくらい経ったのだろう・・・氣がついたらもう15年以上の月日はたっていたのか・・・

地球に永住すると思ってもいなかったあの頃を思い出していた。

ブルマとの間にトランクスが生まれて、未来のもう一人のトランクスとも出会い、家族というものを知らなかった俺が、氣付いたら今一番失いたくないものになっていた。守るべき者が出来ていた。

魔人ブウの時に自爆して自分の感情は、はっきりと知っていたが、心にだけ留め置いてきた。この想いは言葉に出すことはないだろうと思っていた。

そしていつも言葉では否定していたが・・・口に出してしまったら、心と身体が動いていた。

ビルスにブルマが叩かれた時、俺の全ての感情が逆立って、氣付いた時にはあいつの名を叫んでいた。身体が勝手に動いていた。

自分の氣持ちを認めてしまったら、心が軽くなっていた。
 

俺はこいつを・・・ブルマを愛してる。

俺の・・・ブルマ。

俺はもう・・・決して迷ったりはしないだろう。


それくらいいつの間にかベジータの心の中にブルマへの想いが占めていたのだった。