エイジ780

トランクスが死んだと思ったマイとの再会を果たしたとき、それを見てまあこんな人前で感情がわかりやすい野郎だと思った。

俺は少なくとも人前で・・・と思ったが、最近の自分の行動を思い返してみて俺も人の事が言えない事に氣付いた。

ベジータ「・・・血は争えない・・・というわけか」

この殺伐とした戦場の世界でトランクスもその娘に安らぎを求めていたのだろうか・・・

もうすでにブルマの事をその娘と被らせて見ていた俺が居た。

ベジータ「まだ、着いたばかりだというのに・・・俺はもうあいつの事を考えているのか・・・?」

最近の俺はどうかしている・・・あいつの腹の中に俺のガキがいるからなのか・・・

ベジータ「・・・参ったな」

本当にずっと側にいたいくらいだった・・・

ベジータ「さっさと片付けて帰ればいいだけの話だ」


ベジータはおもむろにみんなの前に立ち、歩き出した。

ベジータ「お前ら少し場所をあけろ!いいから早くしろ!」


ホイポイカプセルを取り出し、空いた場所に投げた。


そこには豪華な食事が用意されていた。

感動するトランクスにベジータはさりげなく伝える。

ベジータ「勘違いするな。ブルマからの預かりものだ」

出発間際、ブルマがベジータに手渡したのだった。




回想~

ブルマ「ベジータ、これ・・・」

ベジータ「・・・なんだ?」

ベジータはホイポイカプセルを受け取りながら、カプセルの中身を確認した。

ブルマ「ママが作った食料よ。向こうは食べるものもままならないはずよ。昨日だって、トランクスが来たとき、魚肉ソーセージ、あんなに美味しそうに食べてたって事はほどんどろくなもの食べていないわ」

ブラックを倒すことばかり考えていたベジータにとって、いつもそういう肝心なところに機転がきくブルマに感心するばかりだっだ。ウイスとの修業のときでさえ、毎回色んな土産を準備してくれるブルマの気配りはビルスやウイスとの関係をスムーズにより修業しやすい環境に導いてくれたのだった。


ベジータ「ああ、そうだな。向こうでちゃんと活してくるからな」

ブルマ「私は一緒に行けないから、それくらいは・・・」

ベジータ「何を言ってるんだ、お前は。充分すぎるほどだ。タイムマシンの修理だって1日で終わらせたじゃないか。俺たちが戻ってくるまでせめてゆっくり休むんだ」

ブルマ「トランクスをよろしくね」

ベジータ「言われなくても分かってる。俺たちの息子だ」

ブルマ「そうね・・・」

ベジータは軽くブルマにハグをして、タイムマシンに乗り込んだのだった。




現在~

ベジータは当たり前のように残りのカプセルをマイに放り投げて渡した。

ベジータ「残りの2本も色々と入ってるそうだ。好きに使え」

どうしてトランクスではなく、マイにそれを渡したのか・・・渡したあとで、それが自分がブルマに接しているようなやりとりだったことに氣が付いた。

すでに何処かで【息子の彼女】という認識がインプットされていたのだ。


悟空「へえー、ブルマのやつやるな」

ベジータ「フン、当たり前だ。俺の妻だからな」

もう最近では、照れ隠しさえ面倒になってきて、ブルマの事を自慢している俺がいた。


 

 

ブラックと戦うというトランクスは今朝の稽古で多少のパワーアップはしたものの、まだまだ実力的には無理だろう。この場はさっさと片付けて終わらせた方が得策だ。


ベジータ 「そいつは見学だ。ブラックは俺、ひとりで倒す」


トランクス 「父さん、俺にも戦わせて下さい。ここは俺が生きていく世界。俺たちの世界なんです。だから俺の手で・・・」

ベジータ 「駄目だ・・・」

トランクス 「父さん!」

ベジータ 「おまえにはその娘がいるだろう。万が一ヤバそうになったらお前らだけでも過去の世界へ戻るんだぞ。いいな?」

 

 

顔を赤くした二人は互いに否定した。

 

 

トランクス「俺たち、そんな関係じゃ・・・」

 

 

なんだ?トランクスは・・・まだ、手を出してなかったのか?

 

 

どう見ても、端からみれば好きあってる同士にしか見えないのにじれったい奴らだ・・・

 

 

だが、一度は死んだと思って二度と会えないと実感したばかりだ。まあ、放っておいてもそういう関係にはなるだろう。

 

 

 

トランクスの初心さに半ば呆れると同時に・・・俺もブルマとの関係を持つのに側にいながら2年近くもかかった自分を思い出し可笑しくなった。

 

ベジータ「まったく・・・どこまで似てるんだ・・・俺の息子は」

 

 

 

 

 

 

 

意識が遠くなる中、あの娘は俺を救おうとしていた・・・

 

意識がおぼろげに記憶したのはタイムマシンに瀕死の俺らを乗せ、タイムマシンを稼働させるマイの姿があった。

 

タイムマシンを的確に稼働させる動作はブルマの姿と被った。

 

あいつが選んだ娘は・・・一人になっても戦いを選び生き延びることを考え、そして氣も強そうだ・・・それにトランクスより機械の操作に慣れていそうだ・・・そんな女をあいつは選んだのか・・・

 

 

稼働させるとタイムマシンのハッチが閉まる前にマイは飛び降りた。

トランクスは二度も置いていけないと泣き叫びながら、この世界を後にした。

 

 

 

 

仙豆で回復した俺たちは・・・次に行く未来の世界の攻略がまだつかめずにいた。

 

 

ベジータ「・・・トランクス。大丈夫か?」

 

トランクス「・・・はい、大丈夫です。父さん」

 

ベジータ「済まなかったな・・・あの娘に悪いことをした・・・」

 

トランクス「いえ・・・マイはもう死んだものと思っていたから生きていたのを確認できただけでも充分です」

 

 

トランクスは俺が思っていた以上に立ち直りが早かった。

 

 

ベジータ「そうか・・・」

 

トランクス「それにマイは自分の世界にいることを選んだです。俺の死んだ母さんも俺に未来を託して決して自分の世界から逃げなかった。マイも俺の世界に残ってその間みんなを支えて俺の帰りを待っていてくれる。だから俺も必ずあいつらを倒します」

 

ベジータ「そうだな・・・この借りは返さないとならないな」

 

 

トランクスは知らないうちに心が強くなっていた。前に来たときはすべてを失ったと思ってボロボロだったのにマイが生きていたということで自分の世界の希望が生まれたらしい。

 

 

あいつはあの娘の身体をまだ知らない・・・だから2度も離れることが出来たのかもしれんな。

 

 

・・・俺なら・・・

 

 

もし、俺なら、タイムマシンを壊してでも同じ世界に残ろうとしてたかもしれない・・・平和な世界ならまだしもいつ殺されてもおかしくない世界ならなおさら・・・

 

 

もう2度と離れるくらいなら・・・もし俺がトランクスならあの娘の側にいることを選んだだろう。

 

 

俺もあの娘と同じように飛び降りて未来の世界に残っていただろう。俺たち二人に未来を託して・・・きっとまた戻ってくることに希望を託して・・・。

 

 

それくらい俺は・・・

 

 

 

 

自然とベジータの視線はブルマを見つめていた。

 

ブルマは氣付いて、笑いかけてた。思わず目を逸らした。

 

 

 

俺はあいつのいない世界なんて・・・考えられない・・・

 

 

 

 

 

悟空が界王神らと第10宇宙の界王神のところに出かけていた頃、ベジータはシャワーを浴びたあと寝室でブルマと触れ合っていた。

 

 

ブルマ「あ・・・」

 

互いの唇が触れ合った途端、もう衝動を止める事は出来なかった。

 

ベジータ「・・・ブルマ」

 

ベッドに倒れ込んで何度も何度もキスをして互いの舌が絡み合っていた。

 

ベジータはそれだけじゃ物足りず、ブルマの服を脱がしてブルマの肌にキスをした。

 

身ごもっているのは分かっていたが、それ以上にブルマと重なり合い、一つに溶けあいたかった。

 

ブルマも肌で感じたのか、自分から俺の熱くなった芯に密着させていた。

 

ブルマ「・・・やさしくしてね」

 

ベジータは赤面しながら、熱くなった芯をゆっくりとブルマの中に入り込ませた。

 

いつもとは違った感覚を感じながらも愛おしい欲情が全身を流れ、ぴったりと吸い付くようなあいつに溜まらず、声が出てしまった。

 

ベジータ「あぁ・・・」

 

ゆっくりな振動が敏感にあいつの中心を隅々まで感じていた。いつもより氣持ち浅く触れているつもりなのにあいつの中に感じるもうひとつの命の氣が先端に感じられ、より熱を持って伝わってくるのだ。

 

絶頂を向かえそうになって、慌てて俺の芯を引き出した途端、勢いよく弾けた。

 

ブルマは呆れたようにブルマの身体にかかったそれを拭っていた。

 

その姿が妙にエロチックにも見えていた。

 

ベジータ「・・・さすがに中はまずいだろ・・・」

 

ブルマ「・・・にしても勢いありすぎよ。顔にまでかかってるわ」

 

ベジータ「うるせい・・・」

 

ベジータはブルマを抱えるとバスルームへ入って行った。

 

ブルマ「ちょ、ちょっと・・・」

 

ベジータ「洗ってやるから温和しくしてろ」

 

しばらくはベジータはブルマから離れようとはしなかったくらい二人は絡んでは重なりあっていた。

 

まるでブルマの身体に自分自身を刻むかのように・・・生きている証を残すかのように愛し合った。

 

 

今の理屈屋だけのザマスなんてどうでもよかった。

 

俺は死の淵に立たされて・・・こいつの顔しか浮かんでこなかった。

 

俺の身体が心が・・・すべてブルマの身体も心も欲していた。

 

 

 

トランクスもいずれは俺のようにあの娘を愛するのだろうか・・・。

 

 

ベジータはブルマを抱きながら未来に残してしまった一人の娘の安否を思いやっていた・・・。