エイジ774

 

悟空たちはバビディの力で再び別の場所へ移動した。

界王神と悟飯はバビディの元へ行き、倒してくることにした。

バビディ「ベジータ、邪魔者は殺せ!」

ベジータはもがき苦しむ。

ベジータ「うわあああっ・・・・ことわる・・・・・・・!!」

ベジータはまたしてもバビディの命令を跳ね避けた。 


ベジータ「言ったはずだぁ・・・・・俺はカカロットと戦いたいだけだと!!!」

 

ここまで犠牲を払ってまでカロットと戦う選択をしたベジータは決して屈するわけにはいかなかった。

 

 

ベジータ「・・・貴様の家来なんかになってたまるかぁ!思い通りにはならんぞ!!!!」


ベジータのプライドがそれを許さなかった。

そしてすべてをかけて勝ち取ったベジータと悟空の決戦が始まるのだった。

もう誰も邪魔するものは居ない。



観客も誰も居ない中で二人だけで戦うのだ。

この闘いはベジータにとって特別なものだった。

ベジータ 「はーっ!!!」

 


ベジータはパワーをあげ、悟空と互角に戦う。

 

 

 

ベジータ「どうした!早く終わらせるんじゃなかったのか!!」


悟空「そのつもりでやってるさ・・・!」

 

 

 

ベジータは悟空を壁に投げつけ、首や両手足を氣で作った輪で岩に固定させた。


ベジータ「ふん・・このザマでか・・・・」

ベジータは身動き取れない悟空の頬を叩く。

ベジータ「だがな!俺の受けた屈辱はこんなものではなかった!!」

 

ベジータは顔や腹、全身に重い拳と蹴りを容赦なく入れまくる。

 

 

ベジータ「くっ!誇り高きサイヤ人の王子のこの俺が下級戦士の貴様ごときに哀れみを受け命を助けられただと!!」

ベジータは昔のことを思い出していた。

 


ベジータ「死刑だ!ずたずたに引き裂いてくれる!!!」

腕を振り上げたベジータに悟空はありったけの力で岩から離れ、ベジータに大量の重い拳をくらわせる。




悟空とベジータの闘いは戦闘民族サイヤ人の血を熱くさせた。

まるで戦うことが本能のように心が踊っていた。戦いが楽しくてしたかないように。

悟空「し、信じらんねえ・・・オラあの世で相当修行したつもりだがな・・・全くの互角なんてよ・・・!おめえはオラ以上に修行してたんだな!」

ベジータ「違う!!確かに貴様以上の特訓はしたと思うが、貴様は俺のさらに上をいった、いつまでたってもその差は変わらなかった・・・・」

 

ベジータの高いブライドがそれを許さなかった。自分を許せなかったのだ。


ベジータ「ショックだったぜカカロット・・・・下級戦士のお前ごときにいつまでも差をつけられてるなんてなあ!!だから!俺はひそかに決心をした・・・氣にくわない手段だったがな!」

バビディに洗脳されてまでベジータが手に入れた力だった。


ベジータ「俺は・・・俺は・・俺は・・・・・・昔の俺に戻りたかったんだあ!!!!
残忍で冷酷なサイヤ人の俺に戻って、何も氣にせず、貴様と徹底的に戦いたかったんだ!!!」

 

悟空が去って過ぎ去った年月は7年だった。

 

ベジータはもう、限界に近かったのだ。

 

常に戦い続けていた戦闘民族であるサイヤ人であるベジータが戦う相手が居ない状態でこの年月をトレーニングのみで過ごしたのは奇跡としかいいようがない。

 

その苦しみは純血のサイヤ人しかわからない痛みだった。

 

 

それでも堪えられたのはそばに支えてくれる存在がいたからだった。


ベジータ「氣に入らなかった・・・・・知らないうちに・・・貴様たちの影響を受けて穏やかになっていく自分が・・・!!」

 

 

ベジータにとって唯一心の支えとなっていたのだ。

ベジータ「俺ともあろうものが、家族を持ち・・・・悪くない氣分だった・・・・居心地のいい地球を・・好きになってきてしまっていたんだ・・・・・・・」

 

 

ベジータが心の奥に残っている良心を抑え切れず語っていた。

ベジータ「だから!バビディに支配され、悪人に戻る必要があったんだ!!!」

悟空「・・・」

 


ベジータはもう、戻れないことを悟ってその想いを振り切る為に宣言したのだった。
 

 

 

 

 

ベジータ「・・・おかげで・・・今はいい氣分だぜ・・・・」


でもそれは悟空からみたらとても辛そうに見えていた。

悟空「・・・本当にそうか? ベジータ」


ベジータは悟空の言葉にかっとなってまた、戦いが再開された。

ベジータはもうそうでも思わないと、自分に言い聞かせないと後戻り出来なくなった今、心が壊れてしまいそうだった。

目の前にいるカカロットを倒す以外、もう手段はないのだ。

自分が望んだはずだったのに、後悔していることを見透かされている氣分になった。

何が【本当にそうか?】だと。畜生ー!!!!

 




突然、大きな氣を二人は感じた。魔人ブウが復活してしまったのだ。


ベジータ「ちっ、悟飯のヤツ、復活する前にさっさと倒す事が出来なかったのか、畜生・・・」

悟空も魔人ブウを意識しはじめて戦いがそっちのけになってきてるのがわかった。

 

悟空 「こんなことやってる場合じゃねえぞ!!」

ベジータ 「知ったことか!俺達の勝負には関係ない!!」


ベジータは悟空を殴りかかろうとしたとき、

悟空 「みんな、殺されちまうんだぞ!! みんなだ、ブルマもトランクスも!」

悟空はベジータの戦意を削ぐ的確なことを言い放った。
 

 

 

ベジータ 「だ、黙れ!!!! 俺はそんな甘さを消すためにバビディに魂を売ったんだ!誰がどうなろうが構うもんか!!」
 

 

 

ベジータは二人の名前が出ただけで動揺していた。

 

ベジータにとって7年という年月はベジータの心の変化に充分すぎるほど影響していたのだ。
 

 

悟空 「お前は完全に魂を売った訳じゃねぇ」
 

 

魔人ブウの氣のでかさにベジータ自身も悟空との戦いどころじゃなくなっていた。




ベジータ 「・・・わかった、勝負はお預けだ、仙豆というやつをよこせ」


ベジータは、悟空が氣を緩めた瞬間、拳でみね打ちをして、悟空の氣を失わせた。



ベジータ 「俺が出してしまった魔人ブウは俺が片付ける。貴様との勝負はその後だ」


ベジータは結局、昔の俺に戻ることは出来なかった。

 

 

ベジータ 「ふっ、まだ俺が生きていたらな・・・」

 

魔人ブウの氣のでかさは明らかにベジータより大きく上まわっていた。

 

ベジータは氣を失った悟空をちらりとみて宇宙船の入り口の前に立った。
 

 

ベジータ 「この蓋を壊して中に入ればバビディの宇宙船だ」


悟飯の氣はすでに消えてしまっていた・・・。

 

ベジータ「・・・悟飯。許せ。俺のせいだ・・・」

 

 

 

ベジータには結局、手放せない感情に従うことにした。

この7年間の日々を思い返していた。
 

 

ベジータ「・・・この俺をこんな氣にさせやがって・・・」

 

 

それは後悔ではなく、かけがえのない想いだった。

 

 

ベジータ「・・・俺には命をかけてまで・・・守りたいものがあった」

 

そういうと蓋を爆発させてバビディの宇宙船の中へ消えていった。

 

愛しい人の名前を口にして・・・

 

 

ベジータ「・・・ブルマ」