部屋を片付けていたら、実に懐かしい(忌まわしい)ものが出てきました。自分は社会人デビューがリクルートの制作マンだったりします。「B-ing」や「とらばーゆ」とかの求人情報誌の求人広告を作る仕事です。
今はどうか分かりませんが、当時は制作マンが広告のデザイン、キャッチコピーまで全部担当していました。なのですごく担当者の作風が出るんですよね。で、自分はどちらかというと正攻法ではなく、ちょっと目を引くようなキャッチコピーをつけるので割りと名前が知られていました(いい意味でも悪い意味でも)。
そんなある日、営業担当のMさんが新規のクライアントさんから求人広告を受注してきたのです。求人広告は、営業担当がクライアントからの要望とかをヒアリングしてきて、制作担当者と打ち合わせをしてから実制作が始まります。以下は当時のやりとりの模様。
( ^ω^)「なんかさぁ、向こうの社長が絵心があるらしくて。広告のイラストを自分で描いたらしいんだよ」
(`・ω・)「ほう、それは珍しいですね。で、どんなイラストなんです?」
( ^ω^)「ちょっと待って、今出すから」
↑●●電設社長作 satomi画伯や絵心のある方、ぜひ講評を!
( ゚д゚)「なんですか、この宇宙人目撃イラストは?」
( Д) ゜゜ 「げっ、なんだこりゃ!」
(´・ω・`)「現場で確認しなかったんですか?」
(; ^ω^)「ああ、今初めて見た」
(´・ω・`)「このイラストの人物は地球人ですよね?」
(; ^ω^)「自我像って言ってた(社長が)」
(´・ω・`)「左側の倒壊しそうな建物はこの会社ですか?」
(; ^ω^)「たぶんな…」
(´・ω・`)「今、真冬なのに桜(?)が咲いてるんですね」
(; ^ω^)「頭の中に咲いてるんじゃね」
(´・ω・`)「掲載誌と募集職種は何なんでしょう?」
(; ^ω^)「「とらばーゆ」で総務事務」
(´・ω・`)「掲載をお断りしましょう」 できるわけねぇだろ(;-_-)/☆(;゚゚)Baki!
(´・ω・`)「こんなの間違いなく誰も来ませんよ」
(; ^ω^)「「そこは○○君得意のキャッチコピーで何とか」
(´・ω・`)「糸井重里さんのコピーでもイラスト負けしますよ、きっと」
結局、営業担当の押しに負けて制作担当を引き受けることに。一生懸命キャッチコピーを考えていると…
(; ^ω^)「ごめん、キャッチコピーも社長が考えてたらしい」
(´・ω・`)「あ、そうなんですね。じゃ、それを教えてください」
(; ^ω^)「「来たれ若い力」だって」
(´・ω・`)「自衛隊の募集ですね、よく分かります」 (;-_-)/☆(;゚゚)Baki!
前代未聞の奇怪なイラストとキャッチコピーを組み合わせ、広告は完成した。しかし、私は肝心なことを忘れていたのです。この広告の制作担当が自分であるということを ( ゚д゚)ハッ!
あああ、きっと進行部門(広告の内容に不備がないか審査するところ)では今頃この広告が笑いのネタに…
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
「○○さん、ついにおかしくなったのね」「つーか、バカじゃね」
その後、本当に進行部門から電話がかかってきました。
(`・ω・)「今、○○さんの広告確認してるんですが、入稿事故じゃないですよね?」
(´・ω・`)「すいません、事故でも何でもないです。そのままいっちゃってください」
※大事なことなので2回繰り返し確認されました。
そして広告掲載1週間後、営業担当から応募状況の報告が。ええ、もちろんZD(応募ゼロ)で問い合わせの電話すら1件もなかったそうです。
(; ^ω^)「なんかさ、面接用に50人ぐらい入れる会議室借りてたらしいんだけど。キャンセルだって」
(´・ω・`)「まぁ、当然でしょうね」
(; ^ω^)「で、「せっかく広告出したのにどうすんだ!お宅は出入り禁止」だってさ」
ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!「うちのせいかよ」
懐かしいですね、●●電設さん。
いっそ社名を●●伝説に変えて広告出したほうが良かったかもしれませんね。
さらに悪いことに、この広告が「悪い見本」として制作用のデータに登録されました。もちろん私の名前入りで。
怖いですよね、でもこういうことってあるんですよ、ええ…