久しぶりにアイコを聴いている。いまカブトムシ。昨日聴いていた、マイケル・マーティン・マーフィーの曲がアイコの曲みたいだと思って、アイコの曲を久し振りに聴いてみようと思った。

 

音楽をありのままに素直な耳で聴くというのは難しいものだなと思った。20歳ごろにアイコの音楽を初めて意識して聴くようになって、それから四年くらいのあいだ、アイコの音楽を中心に聴いていたけども、音楽の音を聴いていたというよりも、音楽の向こうにあるものだとか、そういった音楽以外の要素を聴いていたように思う。自分がどんな音楽を聴いても落ち着かずに一曲と聴きとおせないのに、なぜアイコの曲だけは一曲聴きとおせるのだろうとか、そういうことを考えていた。

 

深く考え込まずに、単純に自分はアイコの音楽が好きなのだと考えればよかったのだろう。アイコの音楽を聴いてアイコが何を考えているのかとかアイコの人間に興味を持つようになってしまった。インタビューなども一通り読んだしラジオも聴くようになったし、アイコのおすすめしていた漫画も一通り集めて読んだ。

 

その当時の反動なのか、いまは音楽の向こうにあるものを想像することはない。それを堕落だとか退化だとは考えない。音楽は聞こえるものがすべてだと思っている。厳密にはそうでないのかもしれないけど。耳に心地よければそれでいいと思っている。音楽を過度に意味づけするのではなく、音楽を素直な耳で聴きたいものだと思っている。