いまいろいろ昔聴いたジャズのアルバムを聴いている。

 

Bag's Groove の表題曲でのセロニアス・モンクの演奏にしても、これはいったいブルースなんだろうかと疑問に思う。もっと現代的でクールな印象。セロニアス・モンクのアルバム、ミステリオーソのアルバムジャケットにキリコの絵が使われているからか、モンクの演奏を聴くとキリコの絵のような現代的でキュービズムみたいな感じがある。

 

確か自分で初めて買ったジャズのアルバムがこのBag's Grooveだった。他にはsaxophone colossus とか portrait in jazz とか A Love Supremeとかを買って聴いたと思う。

 

ホレス・シルヴァーのピアノなんかは今聴いても、これはジャズの真ん中だなと思うんだけども、モンクはもっと変な感じ。間の取り方とか、普通に一小節くらい休んだりするし、スイングする音楽とは違うと思う。すごく斬新にきこえる。

 

サキコロなんかは今聴いても、特に変な音楽には聞こえない。ジャズって個性の博覧会みたいなところがあるから、偉大なプレイヤーはみんな個性的で独自のスタイルを持っている。

 

何日か前にクリフォード・ブラウンとマックス・ローチのクインテットのアルバムを聴いて、あまりぴんと来なかった。それで今の自分はジャズを聴いても楽しめないのかも、と思ったけども、チック・コリアのアルバムを聴いたら、とてもよかった。だからめげずにいろんな人のいろんな演奏に当たるのがいいんだなと思った。

 

ブラウン・ローチクインテットについては、昔18歳のころに、at Basin Street というアルバムをレコードで聴いた。そのときにとてもしびれた。一曲目の「恋とはなんでしょう」を聴いてぶっ飛んだ。こんなにかっこいい音楽があるのかと。二曲目の「慕情」への流れがよかった。ピアノのリッチー・パウエルの和音の響きがとてもいいと思った。複雑な和音で、これがジャズかと思ったのを覚えている。

 

音楽の再生環境によっても、音楽の印象はまったくがらりと変わるように思う。

 

 

「慕情」。やはりイントロから熱気にあふれていてかっこいいな。ドラムに勢いがある。