「ノルウェイの森」を読み終わった。おもしろい部分、印象に残った部分はいくつもあるけども、この小説を好きかどうかというとそんなに好きではないかもしれない。読んでいる間はそれなりに興味深く読み進められるんだけども、深い感動はないかもしれない。この小説を通読するのは今回で七回目くらいだと思う。登場人物にあまり共感ができない。直子とレイコさんの言っていることにいくらか共感できたというくらい。村上春樹の小説の中では、あまり好きではないほうに入るかも。

 

共感できる人物ということでいえば、やはり「ねじまき鳥クロニクル」の加納クレタとか間宮中尉あたりのほうが自分のことのように感じられる。「ねじまき鳥」の主人公にも共感できる。「ノルウェイの森」の主人公にはほとんど共感できない。「ノルウェイの森」は文体も読みやすいんだけども、でも読んでいて充実感のようなものがあまりない。

 

さっき少し読んだ、大江健三郎の「セヴンティーン」という短編のほうが、文体でいえば好きだ。読んでいて心地いいし充実感があるし、美しい文章だと思う。大江健三郎にしては読みやすい文章だと思った。

 

次は「ねじまき鳥クロニクル」を読もうかと思う。このあと役所に行くかどうか。