他のかたが紹介していたネットのニュース記事を読んだ。いい記事だった。
22歳で統合失調症患った女性、「関わりたくない」周囲の声…当事者が明かす偏見への想い「皆さんと一緒に生きたい」(オリコン) - Yahoo!ニュース
コメント欄も見たけども、おおかたは妥当な意見だと思った。「素人の手には負えない」というのはもっともだと思った。ぼく自身、健常者の人と積極的に関わりたいと思っているわけでもないので、ショックは受けなかった。むしろ統合失調症について理解がたやすいという意見のほうがぼくには信用できない。理解しやすいわけがない。ぼくもミンコフスキー、ビンスヴァンガー、レイン、木村敏などの本を読んで統合失調症について理解しようと勉強してきた。これらの人の本を読んでいると、統合失調症は理解することは難しいけども、絶対に理解できないというほどではないと思う。いや、統合失調症一般についてはぼくは何もいうことができない。ぼくは自分の統合失調症を理解しようとしてきただけで、他の人のことについては何もいえない。
それでぼくは自分のことをどれだけ理解できたか。自分のことは十分に理解できたとはいえない。せっかくなので、ぼくが自分を理解するために役に立った本を何冊か紹介してみます。
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』新潮文庫
西田幾多郎『善の研究』岩波文庫
鈴木大拙『日本的霊性』角川ソフィア文庫
木村敏『分裂病の現象学』ちくま学芸文庫
ミンコフスキー『精神分裂病』みすず書房
レイン『ひき裂かれた自己』みすず書房
ジェイムズ『宗教的経験の諸相』岩波文庫
井筒俊彦『神秘哲学』岩波文庫
マイスター・エックハルト『神の慰めの書』講談社学術文庫
上田閑照・柳田聖山『十牛図』ちくま学芸文庫
夏目漱石『吾輩は猫である』岩波文庫
西谷啓治『神と絶対無』創文社「西谷啓治著作集第七巻」
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』岩波文庫
和辻哲郎・高坂正顕・森有正・西谷啓治・唐木順三『共同討議 ドストエフスキーの哲学』国際日本研究所
『石原吉郎詩文集』講談社文芸文庫
神谷美恵子『生きがいについて』みすず書房
松村克己『アウグスティヌス』弘文堂書房
一著者につき一作、紹介した。いま上に挙げた17作品は、自分にとって特に重要な本。もしぼくがどんな人間かを知りたい人がいるならば、上に挙げた17作を注意深く読めば、ぼんやりとぼくが大事にしている考えなり価値観が浮び上ってくると思う。といっても、ぼくも自己理解をしようとしている途上なので、ぼくは自分がどんな人間なのか、自分がどんなことを大切に思っているのか、あまり理解できていない。
まあ要するに、ぼくの統合失調症を理解しようとした場合、上の17作を読めばだいたいの輪郭はつかめる。たった17作なので、理解不可能というほどではないと思う。といっても繰り返し言いますが、ぼくも理解しようとしている途上なのですけどね。